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DINKsという家族の形
私たちは子どものいない共働き夫婦です。
私は結婚願望が強かったわけではありません。
叔母が東京で未婚でバリバリ働いては旅行に行ったり舞台やライブを観に行ったりしている姿を見ていて、そんな生活も悪くないなぁと思うこともあり、私も結婚しないかも、1人で楽しく生きていくのも楽しいかもと子ども心に思っていたくらいです。
だから大学時代から付き合っていた今の夫とも、何も考えずに気づけば7年付き合っていました。
結婚を考えて付き合っていたわけではありませんが、周りも結婚していくし、このまま付き合うなら結婚しようとある時結婚しました。
私は結婚願望は強くなかったけれど、結婚をしたら子どもができるものも思っていて、子どもを作るなら30歳になる前に、という気持ちもありました。
でも、なかなか子どもはできませんでした。
結婚をしたら子どもができるものと勝手に思っていた私は、子どもができないことがあるとは考えもしませんでした。
だって、周りは結婚してしばらくしたら当たり前に妊娠して出産をして子育てをしている。
不妊だとか話には聞くけど、実際に子どもができない人は周りにいませんでした。
悩んだ末、不妊治療などはせず、自然とできなければ夫婦2人で生きていこうということになりました。
子どもができたらそれはそれで楽しいけど、できなくても楽しい人生を送ろうと。
子どもはできなかったけど、犬を飼って、家族は増えました。
大学の時に授業で、DINKsという言葉を知りました。
Double Income No Kidsの略で、共働きで子どものいない夫婦のことです。
その時の私には、子どものいない夫婦は想像できなくて、子どもがいないなら結婚しなくてもいいのではないかとすら思っていました。私にとっては未知の世界でした。
それから20年近く経って、私がそのDINKsになっているとは、あの時の私は想像もしていませんでした。
子どもがいなくても夫婦2人でも楽しいよ。
犬は子どもではないけど、家族が増えることもあるよ。
こんな家族の形もあるんだよ。
あの時の私に伝えたいです。
いろいろな家族の形があるのだと。
少し前までは「夜ごはんは作っていない。お互い好きなものを買ったりして食べている」などと話すことが後ろめたかったです。
楽をしていると思われたり家事をしないことに批判的に思われたり外食なんて贅沢をしていると僻まれたりするのではないかと思ってしまいます。
だけど、これはDINKsの強みだと思っています。
自由に楽に生きています。
私はキャリアが欲しいわけではなかったけど、産休育休で休むこともなく子育てもせずに仕事にずっと集中してたら管理職になっていました。
妻があまり家事をしなくても、毎日外食でも、仕事に没頭して夜遅く帰ってきても、それを認めて仕事も家事もしてくれる夫には本当に感謝しています。
子育ての苦労は私にはできませんが、別の形で社会貢献をしていると思っています。
もし、それを羨ましいと思う人がいたら思ったらいい。
私は私で、子どもを産んで育てられている人を羨ましいと思うこともあります。
私には経験できないことをしていて、頭が下がります。
いろいろな家族や生活の形があり、それぞれでいいのだと思います。
どんな形でも、今の自分が幸せであればいい。
そう思えるようになりました。
夫と2人、自由に楽しくのびのび暮らしています。
お互い仕事をしてお金をもらって、好きなことをして好きなものを食べて、休日が合えば一緒に出かけて。
昔には想像していなかった今ですが、今私は幸せです。