2021年4月から2021年9月の@onefive
①
@onefiveにとっての"2021年度"の始まりは、青空の下で桜の花と共に写る4人の姿の投稿であった。春の陽射しを浴びる4人の姿からはこれまでに無いような開放的な明るさが感じられたが、今にして思えば、それは受け取る自分自身が、3月21日の緊急事態宣言解除と、同じタイミングで実現したグループにとって初めての有観客イベントによってだいぶポジティブな心境になっていたという事なのだろうと思う。
4月5日、@onefiveのYouTubeチャンネルで、YDK Apartmentとのコラボレーションによる、「BBB」のコンセプトムーヴィーが公開された。
YDK Apartmentはダンスパフォーマンスもおこなうクリエイター集団で、@onefiveとは2021年2月からTikTokでコラボレーションをおこなっていた。今回のMVはYDK Apartmentがコンセプトから撮影、編集を手がけ、メンバー自らも出演してダンスを披露するなど、楽曲は@onefiveではあるがほとんどYDK Apartmentの映像作品に@onefiveがゲスト出演したという印象で、これまでとは異なる雰囲気の作品として楽しむことができた。また、4人が私服のコーディネイトでセルフメイクというのも見どころの一つだ。
後にYDK ApartmentのYouTubeチャンネルで公開された撮影のドキュメンタリーでも分かる通り、MVのコンセプトは「オンラインからオフラインへ」というものであった。部屋着っぽい服装で室内に籠っていた@onefiveの4人がクライマックスでは青空と桜の花に囲まれて踊る(4月1日に投稿されたフォトはこの撮影時のオフショットであった)という、2021年春の社会全体の空気感にも繋がる内容になっている。
このBTSドキュメンタリーでは、多少の"アウェイ感"がある現場でも、4人まとまって行動することでリラックスしていられるという@onefiveの4人の姿も見ることができて興味深い。
4月6日にはテレビ埼玉の「マチコミ」にKANOとMOMOが生出演。「BBB」のプロモーションをおこない、それぞれの「おうちタイム」の過ごし方を紹介した。
同じく4月6日には、Instagramのフォロワーが1万人に達した。グループのSNSアカウントの中で、初めてのフォロワー数1万超えであった。
4月11日、タワーレコード渋谷店で「BBB」のリリースイベントが開催された。終了後の4人の表情からも、観客と空間を共にしたリリースイベントを実現させた充実感を感じることができる。
4月18日には、「BBB」のリリースイベントやInstagramのフォロワー1万超えにもなぞらえて、@onefive「感謝とぽかぽかの春」がYouTubeチャンネルで生配信された。
この日の4人は全身をapres jourでコーディネイトして、「BBB」のMVを鑑賞したり、七里ガ浜と江の島での写真撮影会(兼遠足?)の様子を紹介したりした。そして、カメラが趣味でもあり以前からテキストレイアウトなどのセンスを発揮していたKANOが、初めて映像編集を手がけた「缶コーヒーとチョコレートパン」のリリックビデオも公開された。
まだチャレンジの段階とは言え、初期から"自ら創る"ということに積極的な姿勢を見せていたのは@onefiveのグループとしての特徴の一つであり、後のセルフプロデュースの流れにも繋がってくる試みであったと思う。
2021年4月25日、およそ1ヶ月前に解除されたばかりの緊急事態宣言が再び発出された(3回目)。当初、緊急事態の期間は17日間とされたが、今までの経緯からしてもその期間だけで事態が収まるとは考えづらく、自分の事を顧みても、この時期は苛立ちとやるせなさを強く覚えながら日々を過ごしていた事を思い出す。
4月28日には名古屋・栄で開催されるサーキットフェス、SAKAE SP-RING2021への出演決定がアナウンスされた。@onefiveとしては初めてとなる音楽フェスへの出演であった。
しかし、この時はまだ東京・大阪・京都・兵庫での発令に留まっていた緊急事態宣言はその後当然のように他の地域にも拡大され、結局このSAKAE SPーRING2021はフェスティバル自体が中止となってしまう。
5月3日、KANOがSTRAYDOG主催の舞台『夕凪の街 桜の国』に出演することがアナウンスされた。@onefiveのメンバーとしては初めての外部の舞台への出演となった。
5月15日、およそ一カ月ぶりとなるYouTubeでの生配信がおこなわれた。前回はスタジオで4人揃っての配信だったが、この日は各自の自宅からリモートで配信され、それぞれが用意した食事やおやつを食べながら、リラックスした雰囲気で映像作品について語るなどの内容であった。外食が制限される緊急事態宣言下では、多くのタレントやアーティストがこうした「おうちごはん」を絡めた配信をおこなっていた。
また、配信内で映像作品のリリース記念イベントが6月19日におこなわれることがアナウンスされた。これは購入者の中から抽選でタワーレコード渋谷店のイベントスペースにてメンバーとともに映像作品を鑑賞、その様子が配信されるという、有観客&オンラインのイベントであった。
5月26日、@onefive初の映像作品「@onefive2020 -始まりのオンラインライブー」がリリースされた。
また、「BBB」のリリース時と同じく、4つのプラットフォームで4人がそれぞれソロ生配信をおこなった。
5月31日、SAKAE SPーRING2021の開催中止が決定された。
明るい空気で始まった"新年度"だったが、社会状況は常に不安定で、一進一退の時期はまだまだ続くのであろうと思わせる二カ月間であった。
②
2021年の初夏は、@onefive初めての映像作品リリースとそれに伴うイベント開催の喜びを、初めての音楽フェス出演となるはずだったSAKAE SP-RING2021の開催中止による悔しさが覆い隠すような、複雑な感情の中で始まった。春に有観客イベントを実現させ、初めての有観客での公式な「ライブパフォーマンス」が見られると思っていた矢先の(予想されていた事とは言え)開催中止は、いつになったら彼女たちのライブを体験できるのだろうという苛立ちや不安が再び強くさせるような出来事であった。
SAKAE SP‐RINGが開催されていれば@onefiveが名古屋ReNYのステージに上がる予定の時間だった6月6日12時、YouTubeで「まだ見ぬ世界」のダンスプラクティス動画が公開された。@onefiveとして初めてのダンスプラクティス動画であった。
更に6月11日には「Pinky Promise」の動画も公開された。
6月14日、SOYOが17歳の誕生日を迎えた。
6月19日。渋谷タワーレコードで『始まりのオンラインライブ』リリース記念イベントがおこなわれた。映像作品に収められている2つのオンラインライブの様子を@onefiveがファンと共に視聴しながらトークするという内容だったが、緩やかな雰囲気の中にも2つのライブの間に自分たちの表現者としての成長を見出したり、『Blue Winter2020』における「まだ見ぬ世界」を成功体験と捉え、それを再び味わいたいと強く思っていることなどが窺えて、得るものの多いイベントであった(ちなみにこの時の衣装は全てMILKFED.提供によるものだった)。
同じく19日夜、MOMOがテレビ朝日のバラエティ番組『あざとくて何が悪いの』に出演した。
MOMOは、番組内収録でおこなわれた「あざと可愛い」を競うオーディションで見事に優勝したが、賞品としてアナウンスされたミニドラマへの出演は結局実現しなかった。
6月24日、1stシングル『まだ見ぬ世界』リリースから1年。
同じく6月24日、「雫」のダンスプラクティス動画が公開された。
ダンスプラクティス動画は、@onefiveのダンスの技術を測るには最適の映像だ。足元はストレスのないスニーカーだし、身体の線がはっきりと出るレッスン着で踊っている分、手脚の伸びや関節の角度なども良く分かる。ダンスに明るくない自分は何度観ても未だに「雫」のダンスに隠された本当の凄さを言葉に出来ないが、この動画が彼女たちのパフォーマンスの骨格とも言えるダンススキルを真っ直ぐ伝えるものであることは間違いない。
7月5日、Twitterのフォロワー数が10,000を超えた。
7月7日、新曲「Lalala Lucky」がhoyuとのタイアップでにウェブCMに起用されているという事が、4人のコメント動画を通じてアナウンスされた。
CMの主演はアミューズ所属の堀田真由で、このウェブCMは2023年1月時点で477万回以上再生されている。
「Lalala Lucky」のニュースが発表された後、7月の中旬以降はKANOが出演する舞台の稽古が本格化したこともあってか、@onefiveとしての動きは目立って少なくなって行った。この時期、水面下でグループとして進むべき方向などシビアな話し合いが繰り返しされていたという事実をファンが知るのは、もう少し先のことである。
③
終戦後の広島を舞台にした演劇『夕凪の街 桜の国』は、8月4日に東京で初日を迎え、終戦の日8月15日の大阪公演が千秋楽であった。8月1日~15日の間、@onefiveからの発信は、舞台の告知関係を除けばInstagramでオフショットが何度か投稿されたのみで、相変わらずグループとしての動きは見えなかった。
『夕凪の街 桜の国』でKANOは中学生から母親になるまでの年齢を演じ、けれん味のない透き通った演技はその演じた役どころにもぴったりと合っていて、彼女の新たな魅力が発揮された舞台となった。
8月16日、MOMOが河合塾マナビスのイメージキャラクターを担当することが発表された。
8月17日、KANOがYDK Apartmentのダンス動画にゲストとして出演。YDKのメンバーから5人と共にWhite Berryの「夏祭り」を披露した。
8月28日、KANOが17歳の誕生日を迎えた。
SOYOの誕生日の投稿では「大変な状況」、KANOの投稿では「厳しい状況」という言葉が用いられていて、読み返すたびに胸が痛くなる。
9月15日。5月以来のYouTubeライブ、「夏の締めは@onefiveと一緒に」が配信された。
リモート配信だったので4人が揃った姿をリアルタイムで見ることは出来なかったし、特に告知などがあった訳でもなかったが、「今はまだ言えないけれど、色々と考えていることがある」という言葉も聞かれ、秋以降の動きに期待を抱かせる配信であった。
15日から30日まで、9月の後半もほとんどSNSの更新はなく、もちろん何か新しい告知がされる訳ではなかった。2021年の夏は静かなまま過ぎ去って行き、季節は秋に向かっていた。
(2023年1月23日)
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