[情報求]超くせになりそう未音源化楽曲
※当記事には一部アニメ本編の映像を使用しておりますが著作権第32条1項に則って引用するものであり、著作者の権利を侵害する意図はないという点を明記させていただきます。
超マイナーアイドルアニメ
「超くせになりそう」というアニメをご存じでしょうか。
夕方アニメとはいえNHK BS2での放送かつソフト化も当時のVHSのみでDVDなど後の世代の媒体ではソフト化されておらず配信も今のところ確認できないいわゆる視聴困難タイトルであるためご存じない方も多いかと思います。
原作漫画がなかよし連載でしたし電子書籍化もしているためそちらの方を読んだことがあるというかとの方がもしかすると多いのではないでしょうか。
あるいはリアルタイムで観たことはあるものの以降見返していない、見返す機会がないという方もそれなりにいるのではないでしょうか。
多彩な挿入歌と不遇な音源化
このアニメ、そのマイナーさに似つかわずとにかく挿入歌が多い。
OPの「サード・ラブ」、EDの「失えないの」の他に挿入歌として主人公の白鳥なぎさ(台詞・歌唱ともに西村ちなみ)歌唱の楽曲だけでも「超くせになりそう」「好きになったら最強!」「なぎさのセレナーデ」「夢の風船」といった4曲が用意されておりこのほかにもライバルとしてなぎさの前に立ちはだからないモモコ・プリシラ(CV:本多知恵子)や脇役たちにも数多くの楽曲が用意されている。
だが、その多さに反して音源化された楽曲は非常に少ない……というよりは少々イビツだ。
なぎさの楽曲でさえ4曲のうちシングルで音源化されたのは「超くせになりそう」と「好きになったら最強!」のみ。
「なぎさのセレナーデ」と「夢の風船」についてはサントラ兼ドラマCDの「超くせになりそう 白鳥なぎさ ON STAGE」でドラマCDのステージシーンをトラック分けしたという形になっている上いずれも1コーラスのみ。さらに「なぎさのセレナーデ」に関しては野坂昭(CV:神奈延年)とのデュエットになっており本来のソロで音源化はされていない。
脇キャラクターたちの楽曲の多くも「超くせになりそう 白鳥なぎさ ON STAGE」と「超くせになりそう シークレットストーリー」の二つのアルバムでドラマCDの1シーンという形で収録されている。モモコ・プリシラの代表曲「ピーターパンシンドローム」やマネージャの中竹さんの「超 心配ブルース」、聖ジュリアナ学園の教師であるゴールド芝浦の「ラップ De ゴールド」まで音源化されている。
しかしながら、僅かな回のゲストではあるがアイドルとしてなぎさと共演したNAGIS(読み:ナギーサ)(CV:高山みなみ)の持ち歌「暗殺司令」はイントロにかかる形での拍手とMCや間奏での会話が入っており曲そのものもなぎさとNAGISAのデュエットという形になっており単体で音源化されたとはいえない。
少ないとは言えない未音源化かつ詳細不明な楽曲
しかしながら超くせになりそうにおいてこれらの楽曲はそれでも音源化されているだけマシという部類になる。超くせになりそうという作品の性質上どこからがボーカル曲でどこまでがサントラに合わせただけの”台詞”なのか線引きが難しいためどれだけの数が音源化されていないのかというカウントは難しい。だが、例えば15話でモモコが歌った曲や36話でレッドビートルが歌った曲などは明らかに単体で成立しうる楽曲であるはずであるのに音源化はされていない。
超くせになりそうにおいて音源化されないという事は曲の詳細が一切わからないという事である。この作品はスタッフクレジットにおいても挿入歌は主人公のなぎさのものしかクレジットされない。レッドビートルの楽曲、モモコの「オルボワール泣かずに」、なぎさの「夢の風船」、「超くせになりそう」、「好きになったら最強!!」と1話で5曲もの挿入歌が使用された38話においてもエンディングの挿入歌の欄にクレジットされているのは「夢の風船」と「超くせになりそう」だけである。
ビデオチャンプ発売 超くせになりそうVOL.10第三十八話「超世界アイドルパート3」エンディングより
そのため他の楽曲の詳細は音源化されたものについてはCDのブックレットを見てやっとわかるという形になっている。
となると音源化されていない楽曲については題名・作詞・作曲歌唱のいずれもわからないことになる。とにかく何もかもが不明になってしまうのだ。
とりあえず資料でもあたってみたいと思うところだが手元にはCDのブックレットくらいしない。
だがそれ以前にそもそも資料がない、ぬりえみたいなのを除くと設定資料集があるがこれもムック的なものではなく設定画の資料集のようなものみたいなので楽曲に関する情報は載ってないだろう。
ググってみても情報がない。Googleで「超くせになりそう」というキーワードで検索してとりあえず10ページ目まで見て回ったところところ
Wikipediaとそれをコピペしたような大百科系のサイト
ショップやデータベース系のサイトに一応概要だけ掲載されたページ
この二つを除けばファンサイトが1件、10年以上前のブログ記事が1件のみ。
それとはまた別に脚本の首藤氏によるコラムで触れた記事がある程度だ。
シナリオえーだば創作術第108回 『(超)くせになりそう』とは……
シナリオえーだば創作術第109回 シリーズ構成、やーめた。
ちなみに唯一見つかったファンサイト「白鳥なぎさ私設応援団」の情報は非常に充実しており関連商品の項に楽曲に関する情報もあるが情報源が明記されていないため確定情報とはいいがたい。
JASRACの情報とそれに基づく推論
そこでJASRAC管理楽曲であるならという事でJASRAC管理作品データベースJ-WIDをあたってみることにした。
作品タイトル「超くせになりそう」で「中間一致で」検索したところ既存のCDに収録されていないタイトルもゾロゾロとヒット。タイトルの頭に「~より」という事は単に音楽としてでなく本編中で使われたバージョンとして作品登録されているという事かと思われます。
J-WID検索結果(2020年6月19日現在)
さて、ここで音源化されていないタイトルをピックアップすると。
秋の旅愁
アクティングマイライフ
おやすみ、わたし
学園勧誘の歌
孤独なきらめき
タッチ・ミー
モモコの母の挿入歌
ワニのタンゴ
の8曲。「秋の旅愁」については副題に「角田の歌」「スーパースターだ角田君」と書かれていることから「超くせになりそう 白鳥なぎさ ON STAGE」に収録された「スーパースターだ角田君」と同じ曲だと思われる。
「モモコの母の挿入歌」はわかりやすいモモコ・プリシラの母が登場するのは23話の回想のみであるため、この中でモモコの母が歌っていた子守唄のことであると思われる。
超くせになりそうVOL.6第二十三話「泣いて下さいモモコ伝説」より
「ワニのタンゴ」についてはタイトルからして第12話「アイ・ラブ・ワニサン」で大量のワニが出てて来るシーンで歌われた楽曲と予想できる。
超くせになりそうVOL.3第十二話「アイ・ラブ・ワニサン」より
「学園勧誘の歌」は18話、28話33話の入学式や学園の宣伝シーンで歌われている曲だろう。ニャンちゅうの声で知られる津久井教生さんの特徴的な歌唱が印象的な楽曲だ。
超くせになりそうVOL.9第三十三話「風と共につぶれた(前編)」より
「タッチ・ミー」は34話でモモコが乗っ取られた学園を襲撃するシーンで流れている楽曲がAメロとBメロの最後、サビの最後と繰り返し「タッチ・ミー」という詞が繰り返されている点からこれを指したタイトルであると思われる。23話で同じインストに別の歌詞をつけて歌うシーンがあるが関連は不明。
「おやすみ、わたし」は22話にモモコが自分のために作った子守唄という設定の曲が登場する。「タッチ・ミー」と同じく「おやすみわたし」というフレーズが繰り返し登場するためこの楽曲の題であると思われる。
残る「孤独なきらめき」と「アクティングマイライフ」だがレッドビートルの曲のサビの詞に”acting my life only my stage"という一節があるため「アクテイングマイライフ」がレッドビートルが36話と38話で歌った楽曲のタイトルであると考えられる。
「孤独なきらめき」に関しては消去法と楽曲のテーマ性の一致から15話で明け方にモモコが一人歌っている曲ではないかと思われる。根拠は薄いがここまでのタイトルとの合わせは全てあくまで推論なので信ぴょう性については大差ない。
また、19話でなぎさが歌った「超くせになりそう」の替え歌もあるがこれはおそらくこの回脚本の菊池有起氏による台詞ではないかと思われる。
「アクティングマイライフ」(と仮定した楽曲)
に対する疑問
さて、ここまででの推論が正しいと仮定してJ-WIDの情報と併せてすべての曲の作詞作曲者がわかるが一つだけまだ腑に落ちないポイントがある。
「アクティングマイライフ」(仮)の歌唱者である。
超くせになりそうという作品において近年のマクロスシリーズやアイカツ!シリーズの一部で採用された歌唱のみ専門のキャストを立てるという事はしていないためすべての楽曲は普段のシーンと同じ声優が演じている。
しかしレッドビートルに関してだけは歌唱時に明らかに声が変わっているとしか聞こえないのだ。
レッドビートルのキャストはモモコと同じ本多知恵子さんなのだが普段は喉を保護するための器具を口に着けているという設定で若干声にエフェクトがかけられたものになっている。
ビデオチャンプ発売 超くせになりそうVOL.9第三十六話「超世界アイドルパート1」より
ビデオチャンプ発売 超くせになりそうVOL.9第三十六話「超世界アイドルパート1」より
歌う時のみこの器具を外し声からエフェクトも外れるのだがこれがどうしても他人の声にしか聞こえない。本多知恵子さんの演技についてもそう詳しいわけではないがこういう演技のキャラクターには覚えがないし、やはり声色を変えた演技をしているというレベルではないように聞こえる。
個人的には非常に違和感の強い部分なのだがやはりこれの情報もない。おそらく作詞首藤剛志、作曲坂本洋のものであるため超くせになりそうのために作られた楽曲だとは思うのですがどうにも腑に落ちないところであります。
そこでこの「アクティングマイライフ」(仮)については私自身でも当時の周辺雑誌をあたるなどの調査をするとともに情報を募集したいと思います。
例えばではありますがレッドマンの音楽がミラーマンのサントラに収録されていたというように実はほかのCDに収録されているとか元々なにかの楽曲の引用だったとか様々な可能性はあるかと思います。あるいは本多知恵子ボイスの聴き分けに自信のある方の見解などでかまいません。
また、先の楽曲のタイトルについてもあくまで推測して仮にあてたにすぎませんので何か確定できるような情報がありましたらそちらもお願いします。
以上二点につきまして少しでも手掛かりになりそうな情報がありましたらコメント、あるいはTwitterへのメッセージでも情報提供をお願いいたします。
[2020/06/29追記]
Twitterでこちらのコメントをいただきました。
やはりアクティングマイライフが本多さんではないと思う人は自分以外にもいるようですが井上純子さんというのは考えてませんでした。
今回記事にはしませんでしたが歌手としての井上純子さんについてもわからないことが多いのでそちらについてもいずれ書きたいと思います。