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私のオススメ▶『転生したら第七王子だったので気ままに魔術を極めます』

 めちゃ長いタイトルですが、講談社マガジンポケットにて連載中の漫画です。 小説のコミカライズで、原作は「小説家になろう」に連載中の小説
2024年4月にアニメが放映されました。 2024年6月にはアニメ第二期制作が発表されています。 放映が楽しみですね。


 この作品の情報に初めて触れたのは、Twitter(現𝕏)でTLに流れてきたアニメ化情報でした。 ティーザームービーで流れる少年と思われる主人公の腰回りから太ももにかけての充実っぷりに即「このスタッフは分かっている!…他の人らはどうか知らんが、少なくとも私は絶対見なければ!(╹ヮ╹;)」と感じました。 次に、魔術を体感するため自らの指を犠牲にして妖艶に微笑むシーン…ここで確信しました。 こういう狂った主人公の作品は面白いに違いない!と。
 この時点ではまだいつ頃放映されるのかも分からず、ただ自分の好みに合いそう!という確信のみでしたが、即検索したところ既に何巻かコミックスが発売されている事が分かったので、とりあえず第1巻を購入しました。

あらすじ

 魔術の才能はほぼ全てその血筋によって決まると言われる世界。 魔術への飽くなき探究心を抱きながら血筋と才能に見放された貧乏青年は死して後、サルーム王国の7番目の王子ロイド=ディ=サルームとして転生する。
 前世で培った魔術知識と飽くなき探究心、それに加え今度は恵まれた血筋による莫大な魔術の才能を得た主人公ロイドは王位継承権が無い自由な立場なのを幸い、手始めに王宮地下に封印されていた古代悪魔グリモワールの復活を「古代魔術の知識欲しさ」に手助けし、専属メイドなのに何故か王宮騎士を凌ぐ強さのシルファのしごきから逃げ回りながら心ゆくまで好きな魔術の探求をしたいと願うロイドの気ままに魔術を極める日々…。

コミックス

 物語としては所謂いわゆる「異世界転生無双モノ」という分類になるでしょうか?
 こう聞くと毛嫌いする人も居ると思いますが私は割と好きなジャンルです。 むしろ主人公は無敵なくらい強い方が良いと思っております。 問題はその無敵さをどう読者に納得させるか、これがうまくいっている作品は面白くなります。 そして読者が納得するのに重要な要素の一つが主人公が程よく狂っていること…というのが私の持論です。
 『第七王子』も第1話冒頭から早速転生前の最弱状態の主人公が狂った一面を披露してくれます。 この作品の場合、主人公ロイドの狂気は「魔術狂い」で、ここを軸にして物語は展開してゆきます。 異世界転生とは言っても、現代人が異世界に転生するのではなく、元々異世界の住人の主人公が死後、同じ世界の少し後の時代に転生する…どちらかというと「生まれ変わり」モノといった方が良いかもしれません。
 それにしても見覚えのある絵柄…と思っていたら『超人学園』の作者の方でした。 道理で可愛らしくて勢いがあると…(╹ワ╹)(同じ作者の『星と旅する』もオススメ) 迫力のあるバトルシーンとトボけたギャグシーンの緩急も見事でテンポよく進む展開にすぐに引き込まれていきます。
 また、要所要所の読者の手を止めて強烈なイメージを焼き付ける印象的なカットの使い方も流石だなと思わせます。 個人的には先述の「自らの指を犠牲にして魔術を味わう」シーンと、主人公ロイドの無敵の秘密の一端である「異常な魔力量(魔力密度)」の表現が特に印象的で読者をしっかり掴むところだと感じました。 特に魔力密度の表現は漫画独自のもののようで、禍々しさと理屈の通じなさを見事に表現し切っている思います。

防御結界を解除して自らの指を犠牲にして魔術を味わうロイド。痛覚は感じているが未知の魔術への興奮が上回っている。
禍々しさと理屈の通じなさを感じさせる圧倒的な魔力密度の表現。こういう表現は絵のある漫画ならではの強み。

原作(…とコミックスとの差異)

 コミカライズがヒットすると何かと比較されがちな原作小説ですが、漫画の出来が異常に良いのと漫画をベースにしたアニメの出来が良いのもあって、原作を貶すような言説も見掛けますが、原作の小説もちゃんと面白いです。 そもそもアイデアとプロットは同じなので当たり前ですが。 漫画は好き放題やってるように見えて、実は原作のアイデアとプロットはきちんとなぞっています。 原作の「呪文束」というアイデアは特に秀逸で、この作品に個性を与え面白くしている一要素だと思います。
 原作はかなりライトな読み味の小説で、普段小説を読まない人でもラクに読めると思います。 小説は主人公ロイドの一人称視点(最新刊辺りでは別視点からのお話も盛り込まれるようになりますが)で語られ、基本的にロイドの知らない事は彼の想像や「聞き逃し」という形で表現されます。 特に他の登場人物の内面等は知りようがないので、その人物が思わず内心を口走ってしまったものをロイドは聞き逃している…という表現になるのが面白いですね。
 ロイドは魔術に精通し、巨大な魔力を有し、事前に計画を練って準備(ここでは前世での魔術馬鹿で苦学生の青年としての人生経験が活かされます)をするので、苦戦らしい苦戦というのはありません。 安心して無双を楽しむ事ができます。 最近のバトルモノはどんでん返しの繰り返しで形勢が二転も三転もし過ぎて疲れるんだけど…と言う人には丁度いいかもしれません。 
 小説では主人公のロイドは、身体こそ少年のものですが中身は前世の青年のままで思考も大人のもののようですが、漫画の方では転生後のロイドは普段は年齢相応より少し幼く設定されており、時折前世の記憶がよぎる…ような感じに改変されているようです。 また、小説はあくまで主人公にフォーカスした「ロイドの物語」であるのに対して、漫画の方ではサブキャラも大きく取り上げており、小説では語られないサブキャラや敵キャラの深い掘り下げが行われ、この群像劇も魅力の一つとなっています。(ただ、そうなるとキャラが増えるほど主人公の出番が減ってしまうジレンマが…)
 あ、あと小説の方にはお色気描写はあまりありません。

アニメ

 そうこうするうちに、2024年4月よりいよいよお待ちかねのアニメが放映開始という発表があり、期待は嫌が上にも高まります。 満を持して放映開始されたアニメは期待を裏切らない出来でした。 アクションシーンなどは動きだけでなくカメラワークやカット割りなど部分的にはむしろ予想を裏切るクオリティを見せており、事前の注目度からするとダークホースと呼ぶに相応しい作品だったかと思われます。 もともと注目した理由である主人公ロイドの妖しい色気もちゃんと再現されており、相棒のグリモの愛らしさやもう一人の主役と言ってもいいロイド専属メイドのシルファの魅力ヤバさも十分表現されており、巷の評価もエピソードが進むごとに尻上がりに上がって行ったように思います。
 OP『キュンリアス』、ED『ハッピーの秘訣ひけつ』どちらも作品にピッタリの素晴らしい出来で、特に『キュンリアス』はロイドの内心をテーマにした歌詞や、疾走感と迫力で作品の世界観を見事に表していて秀逸です。 この作品の主題歌のタイトルに「キュリアス(好奇心)」をもじって『キュンリアス』ってつけるの天才じゃないですか? OPの映像もちゃんと主人公のロイドが可愛いし(╹ワ╹=)
 全体的に非常に満足度の高いアニメ化でした。 最終回の放映後すぐに二期制作の発表がされておりますので、放映が待ち遠しいタイトルの一つです。

おわりに個人的なつぶやき

 noteを始めたはいいけれど何も書くことがない…そうだイラストを載せよう!と思ったらアダルトなものは禁止エッチなのはいけませんということで手持ちの弾丸たまが使えない(╹ワ╹;) どうしたもんかと思ってましたが、ならば今ハマってる推し作品の紹介文を書こう!と思い立ち、どうせなら記事用にファンアートを描き下ろそう…という辺りから迷走が始まり、結構時間を掛けてイラストが完成したのはいいが、文章がぜんぜんまとまってない…で早半年以上(╹ワ╹;)…とにかく書き始めたらなんとかなるだろうと、記事のタイトルと書き出しだけ書いてしばらく放置…を繰り返してなんとか文章としては第一弾の投稿が出来ました(;´▽`)パチパチ…どれくらい書けばいいのか加減が分からず、想定の倍以上に長くなってしまいましたが楽しんでいただけたら幸いです。

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ぽ〜じゅ(2H)
チップチップちゃっぷちゃっぷランランラン♪(╹ヮ╹ )