好きな女性のタイプへの答えが「巨乳人妻」以外見つからない
「好きな女性のタイプはなんですか?」という定番の話題の正解は、「巨乳人妻」。
こう答えざるを得ないという悩みの話です。
答えざるを得ないといいつつ、実際にこう答えたことはないです。
俺にだって多少の社会性くらいあるから、
「いつも笑顔な人」
「一緒にいて楽しい人」
「タバコ吸う人は苦手かな」
っていう社会が許可した模範解答をリズムゲーみたいに打ち込んでやり過ごしてきた。
でもこれは質問に対する答えとして間違っている。
なぜなら質問は「好きな”女性”のタイプ」だから。
上の答えは全部、「好きな男のタイプ」ひいては「好きな人間のタイプ」にも置き換えられる。だから問いに対する答えとしては不適当。
「いつも笑顔な人」と「いつも仏頂面の人」だったら、男であれ女であれ前者の方が好き。
タバコも同じくだし、もっというと仲良くするなら「インドア系の”人”」の方が俺は好みだ。
「大企業勤め」とか「高年収」とかも、何も女性に限った話じゃない。
あーでも、「年上/年下が好みです」はグレーゾーンだな。置き換えれないこともないけど、「好きな人間のタイプは年下です」なんて聞いたことない。
1つ新しいの見つけましたね。好きな女性のタイプを聞かれたときの答えは「年上/年下」。
さて。
念のため言うと、俺はゲイでもバイセクでもないです。と注意しなくてはならないことが示している通り、この模範解答は質問の前提にある「異性愛」を「友情」・「親愛」とごっちゃにする機能も持っている。
すごいですねえ。さすが社会が許可するだけはある。角の立たない腑抜けた言葉です。
というわけで、「好きな女性のタイプは?」という質問が持つ異性愛の前提をずらすことなく、適切な答えを考えると、「巨乳人妻」しかなくなってくるのです。
みなさん、巨乳の男は好きですか?俺は嫌いです。ホルモンの病気的な人はさておき、ニューハーフは女性にカウントするとして、巨乳の男は好きですか?俺は嫌いです。だって何考えてるかわかんないじゃん、そんなやつ。
そして人妻は女性しかなれない。男が人妻になるなんて、男の娘エロマンガくらいのもんです。
ということで「好きな女性のタイプは?」という質問には「巨乳人妻」と答えるしかなくなってくる。
年上/年下の好みと合わせて、人妻のところを若妻とか熟女に変えてもいいです。
俺も本意ではない。
「好きな女性のタイプ」なんて職場とか浅い関係のコミュニティで頻出の話題だから、そんなところで「巨乳人妻」なんて答えた日にゃ窓際に追いやられ最悪排除される。
かといって、「いつも笑顔な人」なんて嘘をつき続けるのも社会という鋳型を押し付けられている気がして屈辱だし。
だから、もっと性格、内面の範囲で女性ならではのタイプがあればいいんだけど……。そういうのを徹底的に否定してきたのがここ数年の社会の流れだしな……。
お淑やかな女性……家庭的な人……貞操観念が高い……生理が来るたびにメンヘラ化しない……。
アウトです。こんなもんを好みに掲げているやつは一生マッチングしない…。
……。
…………………。
…………………………………………………………………………………あ。
「本人および親兄弟親戚にキチガイがいない」はどうだろう。
結構いい線いってるかもしれない。
これは結婚を前提とした答えだから、男や人間一般に置き換えるのは難しい。
外見もジェンダーの話もしていないし。まあ代わりに、精神病や発達障害の人が排除されているような気もするが、いいや。個人的な好みの話なんだから。
これからはこう答えることにしよう。
ある時、彼女もいない俺を気にかけた職場の先輩や世話好きおばさん、新しいコミュニティで知り合った年齢の近い女性なんかが、定番の質問をしてくる。
「ねえ、好きな女性のタイプとかって聞いてもいい?」
そしたら俺は、目をキランと光らせて、貴重な土曜の昼下がりに頭をこねくり回して掴んだ答えを言うのさ。
「本人及び親兄弟親戚にキチガイがいない人」
多分二度と同じ質問をされることは無くなる。
俺の、勝ちだ。