ビーガンレストランのカカオケーキ
ここにカカオケーキがあるじゃろ。
ビーガンレストランのカカオケーキだ。
砂糖卵牛乳不使用。なのに甘くて濃厚なカカオの味。
とても美味しかった。
他にも大豆ミートの唐揚げを食べたが、とてもジューシーで美味しかった。
普段ウィンナーを爆食いし、遺伝子組み換えの大豆を使っていても気にしない俺の口にもあったんだからビーガン料理も結構いいかもしれない。
さて、ビーガンを実践する理由には、健康、環境等様々あるが、一番は動物愛護だろう。
動物からの搾取を排斥する目的で動物性の食品の一切を摂取しない。それがビーガンの哲学だ。
だからさっきのカカオケーキも砂糖卵牛乳不使用。かかっている蜜も蜂蜜ではなかった。
だが、カカオケーキだ。
カカオケーキ、だ。
カカオといえば、よくグローバルな搾取の事例として挙げられるものだ。
カカオは西アフリカで多く栽培されているが、農園での児童労働が問題になっている。
貧しいカカオ農家は人を雇う余裕がないため家族の子どもも働かされる。彼らは学校に通うこともできず、危険なカカオ栽培をする。チョコレートも食べたことがない。
子どもの権利条約やらいろんな条約があるものの今なお起こり続けているのが現状だ。
先進国では30円そこらで買えるチョコレートだが、その原料を生産する発展途上国では子どもたちが命の危険にさらされながらカカオを作っている。
つまり、俺が素敵な街東京の片隅でクーラーに当たりながら食ったカカオケーキは、アフリカの人たちを搾取して成立しているものなのである。
さて、ここにカカオケーキがあるじゃろ。
別に俺は道徳的な話がしたいわけではない。
ただ、帰り道にどっちを選べばいいか考えていたというだけの話なのだ。
ビーガンレストランのカカオケーキは、動物には優しいが人間には優しくなかった。
動物からの搾取はダメで人間からの搾取はいいのか。
畜生として愛護されるか人として殺されるか。
満足した豚より不満足なソクラテスの方が良いだの、ブタの安心を買うよりオオカミの不安を背負うだの今までカッコいい名言を聞いてきたし、世間じゃ会社勤めがどんどん古くなっていく。
やっぱり俺もブタになってまで生きていたくないやい!と思っていたら、専業主婦みたいな女が服着た犬を散歩させていた。
東京はおしゃれな街ですね。
俺は不満足なブタを目指そう。与えられた環境に満足せず、さらに高い要求を飼い主に要求できる強い家畜。
それが一番強いから。
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