嫌なものは、嫌だよね。
とある画像を見て自分に重ねてしまった。
大谷翔平選手の愛犬デコピンだ。
2ショット写真のデコピンが不機嫌そうな顔をしていた。長距離の飛行機での移動疲れではないか、などのネットの声もあった。長旅って疲れるよな、と思った。
不機嫌そうな顔が、大学卒業間近の私と重なった。
大学時代、とある伝統芸能系の部活動をやっていた。
4回生で、最後の発表会も終わり、就活も終わり、卒業出来る、解放された様な気分だった。
ある事に駆り出されるのを除いては。
ヨーロッパのある国に、大学の姉妹校がある。
そこで伝統芸能を披露すると言う出来事があった。
普段教えて頂いていた先生はその道のプロで、私の大学のOBだ。まあまあな額の寄付をしているらしく、先生からそんな話が来た。
内心、気が進まないし面倒だった。卒業するんだから、そろそろ解放しろやと思っていた。
もうそこまでして部活動の事やりたくないし、先生自体も苦手なタイプだった(感情の起伏激しいし、お気に入りの学生とそうでない学生の態度が明らかに違うし。)
有無を言わさず、4回生4人と3回生1人が海外に連れて行かれた(渡航費用は多分大学持ち)
結構な長旅だった(約12時間位?)。離陸と着陸時の気圧差で耳の鼓膜が破れそうでたまらなかった。エコノミーのシートに何時間も座り、満足に休めないのもキツかった。
やっと着いてみれば、日本語が話せる学生の家(アパート)にホームステイだった。先生やツアーガイド的な人はホテルに宿泊だった。ズルい。私もホテルが良かった。
知らない人の家なんて、気を遣うばかりで疲れる。ホームステイで受け入れてくれた子には、申し訳ないのと感謝である。
自由な時間に、街を案内してもらったりもした。
店で水を頼んだり、トイレを借りるのにお金がかかるのは海外だなぁと感じた。
演目を披露する日。私達学生も、舞を舞ったりはしたかも知れない(記憶があやふや)。先生が舞を舞う後でバックコーラスみたいに謡ったのは覚えている。
その曲も現地に来るまでに覚えさせられたが、難しい・見る人が分かりやすいのか?と言う様な曲だった。
何とか日程をこなして、12時間?程のフライトを終え帰って来た。
先生が笑顔で「この後(先生の)催しの会があるから、受付宜しく。」と学生一同に言った。
何言ってんだコイツ。
飛行機の中でしか休めてない。催しの会まで時間が無くて、家に帰って休めない。あなたは休めるかも知れませんけどね!
…静かにぶちギレた。
レンタルしていたスーツケースを投げ捨ててやろうかと思った。
もう3月半ばだぞ。まだ部活動に駆り出されなければならないのか。下級生の人数が少ない事もあり仕方なかったが、今でも思い出すと腹が立つ。
行き帰りの間中、デコピンの様な顔をしていたと思う。
渡航費出してもらって、卒業旅行出来た!ラッキーと思って良い面を見れば良いんじゃない?と思うかも知れない。
が、私が好きで行ったのではないので、無理矢理良い所を見る気にもならない。
なぜか今、ぶわあぁっとネガティブな感情を思い出してしまったので、文章に書いて昇華する。