すごい速さをTikTokで流行らせたのは僕です
この話はノンフィクションです。
2024年5月、andymoriの楽曲「すごい速さ」がTikTokで流行し、ネットニュースになった。
疾走感のあるAメロに合わせて、今日のコーデを回転しながら紹介し、ポーズを決める。
キャッチーなリズムと、誰にでも真似して撮影しやすいフォーマットが若者の間で流行ったのだろうが、TikTokというコンテンツで10年前に解散したandymoriの楽曲が流行るなんて事、誰が予想出来ただろうか。
Twitterでは、
「TikTokでandymoriは流行って欲しくない」「俺らの青春をそんなコンテンツで消費するな」派と、
『andymoriが色んな人に聴かれるのは良いことだろ』『andymoriはいつだって高校生の時に出会って欲しいバンドなんだよ、青春を拗らせたおじさんが文句言うな』派が存在する。
論争が起きるほど流行し、TikTokのウィークリー楽曲使用ランキングでは一時期Creepy NutsのBling‐Bang-Bang-Bornを上回り、2位まで上り詰めた。
いわゆる、今若者の間で流行りの曲ランキングに15年前の曲が突然現れ、LINEニュースでも取り上げられたのだ。
なぜandymoriが2024年にもなって流行したのか?
また、あの撮影フォーマットはどこから来たのか?
2023年12月にandymoriのバンドレーベルがInstagramとTikTokを開設し、過去のライブ映像をショート動画でアップし始めた。今回の流行も少なからずその影響はあるだろう。
しかし彼らのTikTok開設よりも前に、数ヶ月後TikTokで流行したフォーマットでコーデ紹介を行っていた人物がいる。
えー、僕です。
これは本当の話だが、僕があのフォーマットを生み出し、結果、数々のインフルエンサーが真似して、あそこまでの流行を生んでしまったのだ。
意図せずいち流行の生みの親となってしまった僕が、なんでこんな事になってしまったのかを順を追って綴ろうと思う。
このnoteの書き手こと毒ご飯は、2023年11月(andymoriのTikTok開設前)からTikTokで彼らの曲を使っていた。
ファッションが好きな友達がTikTokに通学コーデをあげているのを見て「僕もやろ~」となり、
著作権の無い世界でくるりやドレスコーズ、ハヌマーンなどの大好きな曲に合わせてゆっくり回転し、コーデを紹介していた。
飽き性な僕は、毎回同じ動き、同じ速度で動画を撮影することに飽きてしまい、ある日ひとつのアイデアを思いついた。
コーデ紹介の動き、めっちゃ急いでる人がやってたら面白いんじゃないか?
当時TikTokでよく見られるメジャーなコーデ紹介の動きとして、全身を見せるためにゆっくり回転した後、一度はけて、画角内を歩いて通り過ぎるという一連の流れがあった。
これをめっちゃ急いでやってる人がいたら、いいねしちゃうかもなと思った。
みんなはゆっくりキメながら回ってるし、曲によってはギャップがあって疾走感のある面白い動画が出来るんじゃないか?
あ!僕の好きなandymoriの「すごい速さ」って曲があるな、このフォーマットと合うんじゃないか?
動画出来た!めっちゃ面白いじゃん!アップロードしよ〜!
これが全ての始まりだった。
⬆️1番最初の動画
そのフォーマットは数少ないフォロワーから好評で、続けてみようとなり、毎動画平均300いいねほどをキープしていた。
たまたまそれを見た有名なファッションインフルエンサーがそのフォーマットで動画を上げたのをきっかけに、日本中で大バズりを巻き起こし、結果的にTikTokでandymoriが流行ってしまったという訳だ。
⬆️1番いいねが伸びた動画
今では僕自身のフォロワーも5000人を超え、TikTok繋がりで出来た友だちも増えた。
ただ好きだから、と理由で楽曲を使用しただけだが
andymoriには感謝してもしきれない。
andymoriのすごい速さを使用してTikTokに動画を上げた有名人⬇️
HiHi Jets
日向坂46
AKB48
M!LK
ばってん少女隊
超ときめき宣伝部
FANTASTICS
ASP
テオくん(スカイピース)
加藤乃愛
かやゆー(ヤングスキニー)
ばんばんざい
中町綾
むくえな
浅見めい
ゆっっくりな。
色んな有名人が真似してくれているのを見て嬉しい気持ちになるのと同時に、
Twitterで、andymoriのTikTok流行反対派の意見を見て「こんなつもりじゃなかったのにな」とも思う。
2024年6月16日
晴れ
エレキコミックのやついいちろうさん主催のサーキットフェス、やついフェスに行ってきた。
メインステージのSpotify O-EASTでのラストアクト、大トリは、小山田壮平。
明らかに最近andymoriに出会ったであろう若者と、当時から聴いていたであろう人がフロアに入り混じる状況で、
小山田壮平(band set)の演奏する『すごい速さ』と、フロアの若者たちの熱狂を目の当たりにした僕は、
これで良かったのかもな、と、思った。