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わたしの結婚相手よ出ておいでー アラサー女の婚活記録【vol.4】
マッチングアプリへ、いざ出陣。
打算的なマッチング
当時の私は、大変打算的だった。
とにかく早く結婚を成し遂げたいと思っていた。
「二人で考え、決断を一緒に背負ってくれる人と一緒にいたいと思い、5年付き合った相手とお別れした」はずが、いつの間にか「5年付き合って結婚しようと思えばできたのに、私は結婚し損ねた」と自分の中ですり替わっていた。
少し話は変わるが、高校・大学時代は「先輩と付き合う」ということは、ちょっとしたステータスだったように思う。特に大学は顕著で、私の周りの女友達調べでは、大学1年の夏休みの時点で彼氏持ちの子の相手は8割先輩だった。そんな中、私は付き合うなら同い年の人がいいと思っていた。1、2年先に学年が進んでるといっても、社会に出たらそれは誤差みたいなものなのにそれだけでちょっと上から来られるのはいやだ、付き合う相手とは対等な関係でいたいと思っていたからだった。実際マッチングアプリを始めるまでに付き合った人は、皆同い年だった。
マッチングアプリの検索条件を絞れる機能を使えば、これまでと同じように同い年の人に限って、相手探しをすることはできる。けれど私はそうはしなかった。なぜなら、これまでの自己流の恋愛から結婚につなげられていないのだから、これまでとは「何か」を変えなくては結婚につながらないと考えたからだ。
その変えるべき一つが「年齢」だった。そしてまた、年上の方が周りに結婚している人も多いし、結婚願望強い人も多くて、早く結婚できるんじゃないかとも思った。こうしてこれまでの「同い年縛り」を撤廃して、年上の人とも積極的にマッチングするようになった。
そうこうして出会ったのが、7個上のA男(仮名)だ。当時私は25歳で、A男は32歳だった。
異彩を放つプロフィール
A男のプロフィールはインパクトはあった。まず、自己紹介文がやけに長い。平均12行だとすれば、彼は3倍の36行くらい書いていた。
そして内容もとんでもなく堅かった。「仕事の都合をつけて、パートナーの方に合わせた場所で居住することも可能です」など、恋活というより婚活、もはや結婚相談所のプロフィールってこんな感じなんだろうなといった具合だった。私が利用していたのは、比較的婚活寄りのアプリであったものの、それでも彼のプロフィールは異彩を放っていた。
ここで一つ、私の性質を紹介したい。
私は「個性」に惹かれる傾向がある。
「害のない善意の変わった人」を、多数の人がちょっとと距離を置く中、その個性を「面白い」と捉え、こういう質問を投げたらどう返すのかなとわくわくしながらキラキラした目で、次々と質問を投げたりするのが私だ。気になってしまうのだ。
この異彩を放ったプロフィールにも、もれなく私の面白いレーダーは反応し、マッチングした。
A男とメッセージのやりとりをしてみたら、思いのほか一般的なやりとりができた。面白くて、一般的な意思疎通がとれる、最高だ。そして、同業他社勤務であることが判り、しかもA男が務める会社は私の第一志望としていたあこがれの会社だった。そんな事情もありお互い話が弾み、私の関心はプロフィールの異彩さから、A男自身に徐々に移っていった。