タタタノタチチン
忘れもしません。
20年経った今でも…
10月になると地元では年に1度のお祭りが始まります。
普段は車がたくさん通る大通りが
祭りの時だけは歩行者天国に変わります。
ガラリと変わった街の景色。
屋台から漂ってくる美味しそうな匂いの数々。
『やっと来たか…！』
かなん少年（10）はウキウキしていました。
少ないお年玉と、なけなしの小遣いをかき集めて
一目散に向かった先は
かたぬき屋です！！
かたぬきは名前の通り、型をくり抜く遊びです。
薄い板のお菓子に描いてある絵の通り
割らずに、くりぬくことが出来たら成功。
これは大失敗。
針で割っても、手で割ってもok。
これは大成功。
成功すると50円と難易度の上がった黄色の型が1枚貰えます。
黄色の型は、複雑な形&割れやすいのでほぼ割れてしまいます。
それも成功すると100円と更に難易度の上がった
青色の型が貰えます。
青色の型を、くり抜ければいよいよ大金ゲット。
難易度に応じて3000円〜10000円の報酬を受けとれるというわけです。
（みたことないレベルですが）
参加費用は1回100円。
これだけではハマらないのですが
ここの、かたぬき屋には画期的なシステムがありました。
それが『ボーナスタイム』です
たまに現れるベルか富士山の形をした型をクリアすると
ボーナスタイム突入。
大きなカゴの中から1枚クジを引く事が出来るのです。
中身は500円〜3000円
か
◯◯◯
皆が見つめる中、頭つんつるてんのハチマキおじちゃんが大声で結果を読み上げます。
ペリっ
＼デカチン！！！／
ペリっ
＼デカチッチ！！！
大きいオ◯パイのお姉さんは好きですか？／
はい。
500円〜3000円か
下ネタです😱
今思うと、ボーナスタイムでもなんでもない
訳のわからないシステムに
かなん少年は心を奪われていました。（アホ）
天国か地獄。
地獄の可能性の方が多め。
でもこう信じてやみませんでした。
『祭りといえば、かたぬき。』
いつしか洗脳され、信者と化していました。
こんなやりたい放題の意味不明なシステムでも
相手の心を意のままに操っていたのです。
まさに掌握
案の定、お金はみるみる減り続け
かなん少年は最後の秘策に出ました。
1日のうちに３〜4回だけ訪れる
ボーナス補充タイム
つんつるてんのハチマキおっちゃんが
皆の目の前で3000円や2000円のくじびきを見せてから上の方に補充するのです。
しかも、複数！！！！
まさに確変突入
ふふふ、、、
タダで終わると思うなよ？
使わずに残しておいたベルと富士山ストック大量放出！！！！！
もはや無敵。
マリオならピカピカに光りまくってるあの状態です
テンションが上がりすぎて心の声が口から出ます。
『良かったー！！残しておいて！！！😉』
すると
『おい！！！！！！！！！』
頭つんつるてんのハチマキオジサンが
こちらを見て叫びました。
『卑怯者！！！！！！！！』
あっ、ヤバい😨
事態は急変。
ハチマキおじちゃんは、こう続けます。
『入れる前に全部引け！！！卑怯者！！！』
終わった…
皆が見守る中、くじを引かされます。
ぺりっ
＼はい、デカチン！！！／
皆さんはキレたオジサンに
デカチンと言われた経験がありますか？
まぁ、ないでしょうね笑
（だから何）
はい、ハズレ〜
みたいな感覚で言うセリフちゃうねん😾
ぺりっ
＼タタタノタチチン！！！／
はい？
と言いたいところですが
そんな空気感でもなく…
最後の1枚になりました
もう早く帰りたい…
ぺりっ
＼1000円！！！しぶといな！デカチン野郎／
めちゃくちゃキレられながら1000円を受け取り
逃げるように家に帰りました
7000円払って得た称号は
『卑怯者のシブといデカチン野郎』です
金もなくなり、心もすさみました。
中途半端に当たった1000円のせいで
称号までつけられて
悔しくて眠れませんでした
20年経った今でも鮮明に覚えてるくらい
私にとって大きな出来事でした
まだまだ物語はありますが、それはまた気が向いたら書こうと思います😞
読んで頂きありがとうございました！笑
良かったら、イイネ&RTお待ちしてます！🏄♂️✨
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