2歳種牡馬リーディング解説[2024年11月]
3位アドマイヤマーズは"良質"
2歳戦も残り1ヵ月となりました。
新種牡馬リーディングに目を移すと、1位がサートゥルナーリアで、2位がナダル。その差は約1千万なので、どちらの種牡馬が新種牡馬サイアーランキングを制するのか注目です。
ただ今回注目したいのは3位につけているアドマイヤマーズ。
総賞金では上位2頭に及ばないものの、1頭当たりの賞金額や勝ち馬率で、表内でそれぞれ3位・2位につけており、「質がよい種牡馬」だということがわかります。
JRAの18勝の内訳を見ると【芝16勝:ダート2勝】と芝寄り。ちなみにNAR(地方)ではまだ2頭しかデビューしていませんが、勝ち星はありません。基本的には芝向きと見るべきでしょう。
距離適性については【1800m上限のマイラー】という形でだんだん父のダイワメジャーに似てきたような感じ。夏競馬が始まった頃はマーズオデッセイが1800mで新馬勝ちをおさめるなど距離に融通が利きそうな印象でした。
しかし秋競馬が始まり、勝ち鞍の距離は短くなりつつあります。坂があって、スタミナが要求されるコースでは中距離でやや分が悪い印象。個別のケースでも2000mへの距離延長は結果が伴っていません。
性別では、牡馬と牝馬でパフォーマンスに大きな違いはないものの、【2勝目をあげている3頭すべてが牝馬】という点には注目したいところ。先日の阪神ジュベナイルフィリーズに出走したジャルディニエや、春のクラシックに向けて注目されそうなルージュラナキラやエンブロイダリーといった有力馬がいます。
牝馬のほうがキレが出やすいのか、上がりタイムもやや速め。一方で牡馬よりも勝ち上がりが低かったりと、一概に牝馬のほうがよいとはいえないものの【牝馬のほうが複数勝利を狙いやすい】という傾向はあるかもしれません。
勝ち上がり率"60%"シスキン
そのほかの新種牡馬に目を移すと、ランキングにはいないものの、存在感を示しつつあるのがシスキンです。
初年度はトラブルもあって7頭しか競走馬登録をしていないものの、すでに5頭がデビューして3頭が勝ち上がり。
キャロットクラブのグロスビークも2着2回と勝ち上がりの目途がたっています。デビュー戦後には、田中博康調教師が「心肺機能の高さを感じますし、距離がある条件に向いていそうですね」とコメントしています。
2戦目の2000mこそ5着に敗れていますが、直線半ばまで馬群に包まれて何もできず、最後は上位に迫ったことを考えると、次走以降、距離を延ばしたら勝ち切るのではないでしょうか。
阪神ジュベナイルフィリーズで3着に入ったテリオスララも「1600mは少し忙しかったです」とミルコ.デムーロ騎手がコメントしており、シスキン産駒は全般的に中距離向きといえそうです。
33秒台の脚は使える馬はいるものの、基本的にはマイル以上で持ち味のスピードを活かして先行して押し切る形がシスキン産駒の勝ち方だと言えそうです。