#3 豆に「まめ」というぴたりの名まえを(まど・みちお)/青大豆のマリネ
豆はかわいい
春から初夏にかけて、豆をたくさん食べる。
スナップエンドウ、絹さや、うすいえんどう。
姿かたちもかわいくて、見かけるとうれしくなる。
私の大好きなまど・みちお先生は、「まめ」の名前をいたくほめている。
豆に「まめ」というぴたりの名まえを
だれが つけたのだろう
さっぱりしている
ひきしまっている
りっぱというほかはない
つけたのは 人間ではないのでは?
と 思われてくるほどだ (「まめ」一部抜粋)
あまりにほめてるので笑っちゃいながら、たしかにそうだよねとうなずく。
さっぱりしている。ひきしまっている。
豆を見つめていると、たしかに他でもなく「まめ」という感じがしてくる。
今日のレシピに使うのは、豆の中でも、いっとう「まめ」の響きにふさわしい気がする、でも詩にでてこない青大豆。大豆の一種です。青大豆じゃなくてもいいです。まめを味わうシンプルなマリネのレシピです。
青大豆のマリネの作り方
◆作り方
①乾燥豆の場合、一晩、水で戻す。
②豆をたっぷりのお湯でゆらゆらゆでる。弱火で30分ほど。
③水気を切り、オリーブオイル、塩、バルサミコ酢(普通のお酢でも可)であえる。
前の記事でも書いたとおり、オイルの量はお好みで、酢は控えめに、塩は正しい量(重量の1%)を。
オリーブオイルをアマニ油に、バルサミコ酢を玄米酢に変えたりしてもおいしい。スプラウトなどをまぜても。写真は、手軽にミックスビーンズと、間引きしたルッコラの新芽で作ったもの。
お弁当にちょっと入れたりしてもいいし、
パンチェッタとあわせて白ワインを呑む、なんてのもいい。
豆の実直でかざらない感じに、生ハムやパンチェッタなど華やかなものを組み合わせる、そのコンビがすきです。
豆ごはんは、生ハムをまいて食べると色もきれい。
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余談。
詩人や歌人は、こんなふうに、食べものをいたくほめる歌を書いていて、
それぞれ、すごくよい。
まど・みちおは、かまぼこや竹輪についてもほめまくってるし、
若山牧水で、トマトを気持ち悪いほど讃えている(ごめんなさい
でもこの話は、またいつか。
作者とおすすめの本
◆作者について
まど・みちお(1909−2014)山口生まれ。
25歳のとき北原白秋に見出される。(彼が北原白秋を詠んだ詩もいいぞ〜!)「ぞうさん」「やぎさんゆうびん」など作詞。「ぞうさんぞうさんお鼻が長いのね そうよ母さんも長いのよ」というナゾ問答は、「鼻が長いこと」をからかわれた子ゾウが「大好きなお母さんゾウとおんなじ」ということに誇りをもっている、ということらしい。深イイ・・・!
「自分」が「自分であること」を肯定し、生命を愛おしんでいる感じがすきです。
◆おすすめの本
『まど・みちお詩集』(谷川俊太郎・編)