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#4 きょうのわたしは きげんのよい風(工藤直子)/人参のひらひらスープ


今日もごきげん

工藤直子さんの詩がすきだ。

太陽も、風も、草も、生き生きしている。
アリはどんどん荷物を運ぶし、カマキリはギラギラかっこつけるし、
くまはコロンと眠るし、すこやかな感じ。
工藤さんの詩には風が吹き抜けている。

海に近いわたしの家にも、朝から風がよく入って、
天気がいいとそれだけでうれしくなる。

きょうのわたしは きげんのよい風です
できたての 綿雲です
世界中のひとを 愛せそうです             「鏡」(『あいたくて』一部抜粋)

これは、「髪のかたちがうまくいっていた」朝の気持ち。
おなじ一日を生きるなら、できるだけきげんよく過ごしたいなぁと思う。
風のように。できたての綿雲のように。

人参のひらひらスープの作り方

やわらかく気持ちよく吹く風をイメージして
人参のひらひらスープを作る。
これは、人参をピーラーでシュルシュルむくので、
食べやすいし、見た目もリボンみたいできれい。

ど肝をぬかれるほどシンプルなレシピだけど、
コツをちゃんと守ると、塩とオリーブオイルだけで
人参の優しく濃いうまみたっぷりのスープができる。

材料
人参 中くらい 1本
水(蒸す用)約50cc
水(煮る用)約350cc
オリーブオイル 大さじ1杯+仕上げ

黒胡椒

①人参をピーラーでリボンのようにむく。
②オリーブオイルでにんじんを炒め、1%の塩(ひとつまみ位)をする。
③水50cc(ひたひたになるくらい)で蓋をして2,3分ほど蒸し煮する。
★これが旨味を引き出すコツ。
④蓋をあけてみて、人参が透き通って、きげんよく旨味を出していたら水350ccを加える。
⑤味を見て、塩・胡椒をする。(味がうすいと感じたら、コンソメをすこしだけ加えても)仕上げにオリーブオイルをすこし回しかける。

フェンネルやパセリを最後に刻んで入れてもおいしいです。角切りにした人参もまぜると、食感のちがいを楽しめてそれもよし。
人参は、なるべく味が濃くてしっかりした新鮮なものを。

スープがおいしくできると、なんだか笑っちゃいたくなる。
きれいな色もうれしいスープ。今日もきげんよく。

作者とおすすめの本

◆作者について
工藤直子 1935年、台湾生まれ。
『のはらうた』や『てつがくのライオン』など。
小学生の時に読んでやたら心に残ったかまきりの詩は工藤さんによるものだった。(「おうなつだぜ おれはげんきだぜ」・・・って詩です)
新編『あいたくて』のあとがきに、「『地球、あなたのところに生まれてよかったよ』と言い続けたい」とある。地球を、生きものを、季節のめぐりを、ほれぼれと見つめるひと。

◆おすすめ本
『ともだちは海のにおい』

クジラといるかがビール飲んだりするお話。超かわゆい。サンケイ児童出版文化賞。

『ライオンのしっぽ』(きみだけの生き方)
いちばん触ってみたいものはライオンのしっぽ。こんなふうに、みずみずしい、誰のものでもないわたしの感性をもって生きられたら、とつよく憧憬する工藤さんのエッセイ。こんな詩を書ける人でも、自分には何ができるか悩んだんだなぁ、と元気をもらえる。


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