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#15 うさぎにうまれてうれしいうさぎ(まど・みちお)/うさぎクッキー


余りのクッキー生地でかわいいものを


先日のラベンダー入りショートブレッド(バタークッキー)。

生地のあまりをまとめて、クッキー型で抜いて焼いてみた。

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ぴょんぴょん。


じぶんがじぶんであることの讃歌




うさぎといえば、まど・みちおさんのこの詩。

うさぎにうまれてうれしいうさぎ
はねても はねても はねても はねても うさぎで なくなりゃしない
                 まど・みちお「うさぎ」一部抜粋


まど・みちおさんの詩は、「じぶんがじぶんであること」の
尽きない喜びに満ちあふれている。

たとえば、まどさん自身も好きな詩の一つ「ノミ」もそうだ。

ノミ

すばらしいことが
あるもんだ
ノミが
ノミだったとは
ゾウではなかったとは

にんげんは、人間から見た役に立つ・立たない、かわいい・かわいくないで
勝手に好悪を判断しがち。
「すばらしいことがあるもんだ」というしみじみとした感嘆に、
ハッとさせられる。

「自己肯定感」の低さと、まどさんの詩

ちなみに・・・統計的に見ても、日本のこどもたちは、
自己肯定感がすこぶる低い。

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平成26年度 子ども・若者白書より。

「詩のソムリエ」というよくわからない肩書で活動するまえ、
わたしは教育関係の会社で、キャリア教育の教材開発をしていた。

この統計をはじめ、数字が語る日本の自己肯定感は
さすがにヤバイなぁという感じがしていて、

「自己肯定感をあげねば〜!みんなちがって、みんないい!」
と日本中を駆けまわり、言葉のひとつひとつにこだわって
テキストや動画教材を開発していた。

まどさんは、なんとしみじみと心に届くことばを書くんだろう。
わたしが必死で伝えたかったことを、
どうしてこんなに軽やかに、やわらかに。
ちょっと悔しくなるくらいだ。

2014年2月に104歳でまど・みちおさんが逝去したとき、
谷川俊太郎さんがこんな言葉を残している。

「こんなにやさしい言葉で、こんなに少ない言葉で、
 こんなに深いことを書く詩人は、世界でまどさんただ一人だ」

ほんとうにそうだ。だからときどき取り出して読む。

ノミはノミで、うさぎはうさぎで、わたしは、わたしで、よかった。

かく言うわたし自身も、わたしであることを
100%よろこべているわけではない。
もっとこうだったら、とたくさん思う。毎日思う。

それでも、まど・みちおさんが残してくれた詩という贈りものを
ぎゅっとしていたい。

まどさんが、あったかい場所から微笑んでおられるような気がする。

まどさん、ちゃんと、わたしのてのひらで受け止めましたよ。

余談。にするにはもったいない美談。



まど・みちおさんの詩は英訳されているのかしら、と調べたら、
美智子様が選び、みずから英訳した美しい本があることを知った。 

震える。

胸を打たれる、美しいしごとをされるお二人だ。憧れます。

”正しく清くはたらくひとはひとつの大きな芸術を時間のうしろにつくるのです。”          「マリヴロンと少女」 宮沢賢治




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