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日本人の原点は自然に対する感謝。パワースポット案内人 下川友子さん

神社やお寺を訪れるうちに、日本人のルーツを感じるようになられたという、その引き込まれるような語り口が人気のパワースポット案内人 下川友子さんにお話を伺いました。

出身地 神奈川県
活動地域 全国及び海外
経歴 20代から芸能活動を始め、大手企業の広告、TVCM、ドラマなどで活躍。聖地巡礼や一人旅を趣味とし、パワースポットを紹介するブログを書き始めると、そのタッチの柔らかさから人気を集め、神社仏閣や自然界のパワースポットを紹介するパワースポットの案内人としても活動を開始。現在は、テレビや雑誌、ラジオ、幅広いジャンルで聖地を紹介している。また、時間を見つけては各地のパワースポットを訪れており、日本だけではなく海外を含め、今までに訪れた聖地は1000か所を超える。その後AMATERASを設立し、2011年より『下川友子と巡るパワースポットツアー』を提供している。また、多数の雑誌やムック本の監修も手掛け、テレビやラジオでもパワースポットの紹介をしている。
座右の銘 自分に素直でいる


常に変化していくことをやりたい

記者 夢について教えてください
下川友子さん(以下、下川、敬称略)好き、やりたい、ということに素直でいたいと思います。私は、形の夢はなくて、今やりたいことは叶っているので、これをいかに次に繋げて、ステップアップするか、新しいことができるかを考えています。変化って、刺激的で楽しいことですが、何かに執着したりすると、新しいことが出来なくなったりしますよね。そうではなく、こういうことが出来るんじゃないかな、という先を見つけたら、とりあえずそこに向かってみます。感覚的にあっている時は、必要なことを引き寄せる感じもあるんです。
 仕事面では、神社を紹介する番組『かみさまさんぽ』が3年目に入り、このいただいている仕事をどうすればもっと展開していけるのか、ということを考えています。
自分が同行するパワースポットを巡るツアーも企画していて、例えば、ヨガや気功の先生など、自分の活動とリンクはしつつ、別の専門知識をもっていらっしゃる方とのコラボも考えています。
 現代人は忙しいので、今以外のいろんなことを考えますよね。せっかく解放される場所にきていても、帰ったらあれやらなきゃ、なんて考えていると、日常のエネルギー、考えに戻されてしまいます。
ツアーでは、過去に傷ついた経験、トラウマをお持ちの方もいらっしゃるのですが、ただ、そういう話は、仕事仲間や友達でもなかなか話せないし、話す場もないですよね。ツアーは、お客さん同士利害関係がないからこそ、いろんな話をして、感じたことを本音で話しあえる仲間ができる場にもなっています。過去の記憶を消すことはできなくても、その時と今は違う。今目の前に、自分を受け入れてくれる素敵な人に出会えている、それなら大丈夫、今だけのことに取り組もうとすると、先の不安や過去の心の痛みは少しずつ癒されていくような気がしています。まずは、今をとにかく楽しむ!ということに集中する感覚を大事にしてもらいたいなと思っています。

まずは行動。とにかく今思ったことをやる

記者 夢における目標計画について教えてください
下川 ”とにかく今思ったことをやる”ですね。日常で、今日やろうということや、やりたいことは、時間が経つと、忘れてしまったり、腰が重くなったりします。夢の目標計画というと、もっと壮大なテーマになってくるので、そもそもどうしたいのか、どうしたらそこに辿り着けるのかということを、悩んでぐるぐるするよりは、今、思ったことをとにかくやってみることを大事にしています。
 例えば、休日、ふと、あそこの神社に行ってみようかな、と思って行ってみると、たまたま、その日の帰りに見かけた雑誌や、偶然出会った人との会話の中に、今考えているヒントになることを発見したり。
 今年の2月には、潜伏キリシタンの悲しい歴史がある所でもあり、世界遺産にもなった五島列島に行ってきました。私は島全体がキリスト教というイメージがあったのですが、キリスト教の方々は、全体の15~20%ほどで、ほとんどが本土と同じ仏教や神道の島なんだそうです。歴史について、出会う人達に教えていただきながら学んだ旅でした。この旅中に、潜伏キリシタンの子孫の方にお会いできないかなと思っていたら、旅の最終日、チャーターした漁船の船長さんが、なんとまさに潜伏キリシタンの子孫の神父さんだったんです。その方から、潜伏キリシタン時代から受け継がれているお祈りの仕方など、貴重なお話を伺うことができ、その中には宗教的なことでなくても今私がやっているツアーで、大事にしていきたい姿勢や、いいヒントをいただきました。自分でこうしたいと思う直感といったらあやふやなものですが、そこにはきっと何かがあるのかな、と。なので、仕事でも旅やプライベートでもまずは行動を心掛けています。


記者 日々の基本活動について教えてください
下川    お家にいる時間も多いので、その空間づくり、自分のメンテナンスはなるべく大切にしています。自分が曇ってくるとお部屋もごちゃごちゃしてくるし、片付いていないところにいると自分も曇ってきます。だから、どこかで切り替えて、少し片付けをしてみたり。そのやった感、自分をほめた達成感を味わってみると、小さなことで気持ちは上がってくるものなので、身の回りのことを大事にすることは、巡り巡って、いい循環が自分にも返ってくる感じもします。
 今日は面倒だなと、全身だるくて休息がほしいと感じた時はとにかく寝ます。そういうときは、思っている以上に精神的にも疲れていたりいして。だから、自分に栄養を与えるために、日常を少しだけ大事に過ごします。例えば、カーテン、窓を開けて朝日をしっかり浴びる。とにかく美味しい食べたいものを食べて味わう。好みの映画を家でみて心を緩める。お風呂の時間を良い浄化の時間に変えるなど、特別な何か、というより、いつもより少しだけ自分の家でいい時間の使い方をする感じです。ちなみに湯舟には、私が好きな沖縄のパワースポットでとれたお塩、好きな香りの精油を入れて、神社でいただいた御神水、自分の直感で今日はここの御神水がいいなと感じるものを少しいれて、半身浴。ゆっくり汗をかきます。
 あとは、同じ面倒だなという感覚でも、ただの怠け癖の時もあります。そういうときは、面倒でもがんばってジムに行く。運動をしているうちに不思議と気力が湧いて元気になってきたり。汗をかいて代謝も上がるので、重かったなまりのような体も解けるんですよね。そういった自分のサインをまずキャッチして、一日の疲れをその日のうちに出来る限り浄化するようにしています。そして、自分がもし下がっていると感じる時は、あまり多くの人に会わずに、自分の時間を大事にしたり、会う人を選ぶようにもしています。そういう自分にとっての心地よさを大事にしていますね。

何をしたらいいかの塩梅は自然から教えてもらった

記者 変化することを楽しみたいという夢を思うようになったきっかけは何でしょうか?
下川 旅で教えてもらいました。私にとって旅が変化を生む存在だったんです。沖縄諸島、隠岐、五島列島など、島々を転々とする旅は天候に左右され、出ると思っていた船が出なくて、ショック、ということもあります。天候が悪いなら、今日は体を休めなさいということねと、温泉に浸かったり、カフェにいったり、室内でゆったり過ごす一日に変更したりして、そんなことをしていると、ふらっと立ち寄ったお店で知り合った人と友達になり、そのまた友達を紹介されて、後日地元のお祭りに連れていっていただいたり、聖地に案内していただくご縁になったりということもありました。そういうアクシデント、ハプニングは時として、必要として起こっている感じがしてならないんです。予定はあってないようなもの、できないことに囚われるより、いい意味で受け取ってポジティブなものに変えよう、ということも自然が教えてくれました。
 それから、身をゆだねる感覚は、ダイビングでも教えてもらっています。海の中ではタンクを背負うと、ふっと全身の力を抜くと自然にゆっくりと沈んでいって、体の筋肉が硬直して力が入っていると亀のようにひっくり返っちゃって思うようにいかないんです。潮の流れに沿っていくと無駄な体力を使わなくていいし、流れに身をゆだねるという感覚的なことは、人間関係や物事のとらえ方でも生かせるものがあって、そこから得たものは大きいですね。何をしたらいいかの塩梅は自然から教えてもらった気がします。

日本人の原点は自然に対する感謝

記者 パワースポットをめぐるきっかけは何だったのですか?
下川 20代前半のとき、芸能のお仕事で、やわらかい雰囲気のヘアメイクさんから、“君はほうきを持ってる巫女さんが見える。神社に呼ばれることになるね”と言われたんです。初めはよくわからなかったのですが、家に帰ったらすごく不思議なことがあって。“島、きれい、水、神社”という単語が頭に浮かんで離れないんです。キーワードをネット検索してみたら、厳島神社のHPが出てきて、その光景に吸い込まれるような感覚がありビックリしました。それで、ヘアメイクさんに“行く神社が見つかったんですよ”といったら、“厳島神社でしょ?”言われてさらにビックリ。直感ってあるんだなと、そこからスイッチが入った感じがあります。
 神社やお寺を巡りながらだんだん思うようになってきたことですが、日本人は、宗教観はあまりなくても、「お蔭さまでありがとうございます」という言葉が生まれますよね。日本人の気持ちのルーツ、日本人の原点というのは、感謝、ありがとうという気持ちではないのかなと感じていて。私たちが恵みをいただいている自然の豊かさ、山々に雨が降り、やがて川とり、水や土は田畑を育て、稲が実ったら豊穣に感謝をして神様に捧げる。その先人たちの想いは、きっと私たちのDNAに受け継がれている。日本人は、人の気持ちを大事にする思いやりや、感謝がすごく好きな民族、そこに光を当てていきたいですね。 

記者 本日はありがとうございました。

≪左から、牧野、下川友子さん、西尾≫

編集後記 神社やお寺との出会いを通して日本人の原点を感じられるようになったというお話は、その流暢な語り口も相まって、同じ日本人として、お日様を燦々と浴びるような心地よさを感じました。令和の時代に入り、日本の風土によって育まれてきた日本人の自然観、感性がようやくまた開花していく、そんな期待の高まりと共に、美しい時代を創っていきたいという想いを新たにしました。下川さまの今後益々のご活躍を応援しています。

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