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「SHAPE」と「CODE」【Sleep My Dear】のお話
皆様はもちろん「Sleep My Dear」というバンドがお好きなのだと存じ上げます。
そのSleep My Dearがリリースした「SHAPE」、そして「CODE」という2枚のアルバムがあります。
今回はそんな2枚のアルバムについての、他愛のないお話です。
ご存じだとは思いますが
「SHAPE」は1995年11月25日発売のメジャーデビューアルバム。
だったのですが、リリース後に曲の一部にノイズが入っているという理由で生産が中止に。
それを受けて制作されたのが1996年4月5日発売のアルバム「CODE」です。
収録曲は一部変更になり、変わらずに収録された曲もリミックスが施されています。
メジャーデビューアルバムがいきなり生産中止となり、
そしてその後すぐにリリースされたアルバム。
アルバムのタイトルは変わり、収録の楽曲が「微妙に」変わっている。
この特殊な事情かつ、短期間の間にリリースされた2枚のアルバムの「微妙な」違いを比べると、当時Sleep My Dearというバンドが、(あるいは所属レコード会社かもしれません。)どんな事を考えていたか、が微妙に垣間見えるのではと思い、比べてみる事にしました。
収録曲を比べてみます
まずは「SHAPE」の収録曲
1. WILD GOOSE
2. Ask For Eyes
3. Lovely Days
4. 「sweet」
5. Misty Night
6. close to you
7. injured voice
8. To Dears...
9. 優しさの中で
10. Flowers
11. I Can't XXX
12. Think about your face
13. Tomorrow
そして「CODE」の収録曲がこちら
1. WILD GOOSE
2. WARM
3. Lovely Days
4. 「sweet」
5. 甘い歯車
6. Tomorrow
7. close to you
8. Think about your face
9. To Dears...
10. Flowers
11. injured voice
12. Ask For Eyes
さて、SHAPEには収録されているが、CODEに収録されていない曲は、
Misty Night・優しさの中で・I Can't XXXの3曲。
特にMisty Night・I Can't XXXはインディーズ時代の作品に収録されていたナンバーでもあり、後のミニアルバムに収録された事を考えると、大事されていた楽曲だと思うのです。
前述のノイズが入った曲が「I Can't XXX」である為、なんとなくこちらを削るのは、心情的にはしっくりきますけれど。
なんにせよこの2曲は「ダークで激しい」ナンバーである為、削られる事によってアルバム全体の雰囲気に影響が出ていると感じます。
そして、CODEにて新しく収録された曲は、
WARM・甘い歯車の2曲。全体としては「CODE」は1曲減っています。
WARMは爽やかなナンバーで、甘い歯車は歌詞にもある通りの「雨」っぽい、しっとりナンバーです。(あれ…REASON OF MYSELF…と思いましたが、こちらの方がリリースが先でした。)
構成・曲順を見てみると
全体の構成としては、SHAPEはポイントでダークで激しいナンバーを配置しているのに対して、CODEは9曲目まで畳みかけるように明るい・優しいナンバーが続いた後、こっちも忘れてないからね!的なラスト3曲で激しくまとめる、といった構成でしょうか。
インディーズ時代からのダークな楽曲を削り、ポップな楽曲を追加し、それを前面に押し出した辺りに、メジャーという舞台で戦う意欲を新たにした。なんてメッセージだと受け取ることもできますね。
(この2枚のアルバムがリリースされた辺りの雑誌などを、また改めて当たってみたいと思っています)
Ask For Eyes
さて、この2枚のアルバムを通して感じるのは「Ask for Eyes」師匠のマルチプレイヤーっぷりです。
「SHAPE」ではトップバッター、「CODE」では大トリ。「いきなり!?」のサプライズ的な要素を含みながらトップを務める軽さもあり、大トリでもしっかりと〆てくれる実力を持った素晴らしい師匠です。
「SHAPE」で大トリの「Tomorrow」師匠は、大団円ナンバー的な雰囲気があるので、トップはやはり難しく、「CODE」での6曲目も若干座りが悪い感じがあるんですよね。(Tomorrow師匠も若干不服に感じてそう)
「メジャーデビューシングル」の冠で、箔がついているのも大きいかもしれません。
イントロが流れた瞬間に、目の前に金網が見えます。
ちなみにシングルで言えば「Flowers」師匠も居ますが、この師匠は自分のキャラがわかっていて、どの出番順でも精一杯やってくれる感じがします。
ちなみに「CODE」の方が、楽曲がブツッと切れたり、Ask For Eyesのイントロにドリルっぽい電子音が乗ってたりと、ギミック的なリミックスが多く、「SHAPE」のノイズよりもよっぽど問い合わせが多そうな仕上がりです。
ジャケットの「intel入ってる」的デザインを含め、タイトルの「CODE」=サイバー的世界観を意識した作りと思いますが、デビューアルバムがいきなり生産中止になったフラストレーションを爆発させる為に、何か仕掛けてやるぜ!なんて事を考えていたのかなぁ…
と、ぼんやりと思っています。