じゃない。
「こだわり」「こだわる」という言葉、いつからかポジティブな文脈で使われる事がほとんどになりました。
腕を組んでこちらを睨んでいるおじさんのモノクロ写真に、「こだわりの~」とキャッチコピーを付ければ、あら不思議、きっと手間暇をかけて作ったであろう商品に早変わりします。
調べてみると本来の「ちょっとしたことにとらわれる。拘泥(こうでい)する。」という意味に加えて、「物事に妥協せず、とことん追求する。」という意味も加わっているみたいです。
さておき、本日はV系における私の「ちょっとしたことにとらわれる。拘泥する。」ポイントを3つお伝えしたいと思います。
ともすると、それは一般的にはいわゆる「じゃない方」に属するものかもしれませんが、私のとっては大事な「こだわり」なのです。よ。
[time to say good-bye]じゃない。
ラルクが1995年リリースしたシングル「夏の憂鬱 [time to say good-bye]」。
元々はその直前のアルバム「heavenly」からのシングルカットなんですが、シングルカットにあたって「よそ行きの洋服を着せたい」とのことで、アレンジがガラリと変わってます。
【こだわり】
[time to say good-bye]ではなく、
アルバムの「夏の憂鬱」の方がすこぶる好き。
夏の憂鬱は全体的に洒落た雰囲気を纏った、アルバムの全体の中にうまく調和した佳作、といった味わいの楽曲だったのですが、シングルカットにあたって、サビが足された上にサビから始まるし、つばさもひかりも失くすし、とにかく濃い味付けになったな、という印象です。
アルバムの方は浜辺で溜息をついた後、歩き出すシーンが浮かぶ「軽さ」があるんですが、time to~の方は、鬱が重すぎて動き出せないのでは、と心配になります。
ベストアルバムじゃない。
続いてのバンドはLa'mule。
アルバム「inspire」に収録された「Cry in past」がV系全体の中でも個人的には数本の指に入る程の大好きな曲なのですが…
【こだわり】
ベストアルバム収録よりも、「inspire」収録の「Cry in past」がスバ抜けて好き。ベストの方はもはや何も感じない。
inspireの方は疾走感・透明感に溢れていて、いまだに聴く度に「良い曲だなぁ…」と、初めて聴いたかのような顔をできるのですが、ベストの方はもっつぁりしていて、聴く度に無表情になります。
La'Muleのベスト、他にもinspireやMIRROR MIRRORもシャウトやセリフを抜いてしまってるので間延びしてるんですよね。。
また、これはLa'muleに限らずですが、昔の曲をリテイクするともっつぁりしがちですよね。それが成長と言われてしまうと黙るしかないのですが。
という事で、今日もまたアルバム「inspire」を再生するのです。
Gacktじゃない。
「MALICE MIZERは1期が至高」
私からこう言われた時、殺したいと思いますか?抱きたいと思いますか?
あんなに仲の良かった友達も、あんなに曲の趣味が一緒の子も、このセリフを言った瞬間に、「それはない」と汚物を見るような目に変わります。
ですが、これまでに挙げた2つのこだわりなどどうでも良いくらいに、この意志だけは貫徹します。
「MALICE MIZERは1期が至高」
理由はただ一つ、曲が「暗くて速い」からです。
多感な中学生がV系に惹かれた理由は「暗くて速い」からです。
多感な中学生は「暗くて速い」が好きなのでもちろん「エーゲ海に捧ぐ」「午後のささやき」は飛ばします。
たった1枚のミニアルバムの中に「暗くて速い」だけのイメージを残したまま去った第1期マリスに、私はこれからもこだわり続けるでしょう。
広告でサラッとTETSUの脱退が伝えられてる所まで、1期が好きです。
ー世界同時発売ーが何度見ても味わい深い。