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マルチアーティストの神様に参拝

最近、家から徒歩か自転車で行ける範囲にしか出かけていなかったので、今日はどこかへ行こうと昨日から決めていた。行き先は目が覚めてからのお楽しみ、というか下調べをする時間がなかっただけ。いつものように、思いつくままワードをつなげてネットで検索。

その結果、東京の下町、入谷にある【小野照崎神社】へ参拝することにした。この神社のことはいままで知らなかった。どういうふうに検索してこの神社の存在にたどりついたか、不思議なご縁を感じる。

JR鶯谷駅から徒歩7分、たいしたことはない距離なのにこの暑さはかなりこたえる。首に巻いたひんやり(するはず)パッドも生温かくなり、冷凍庫で凍らせておいた麦茶もすっかりとけた。

鳥居をくぐると、暑い中来たことを歓迎してくれるような、優しい雰囲気が満ちている。木々の葉っぱのおかげさまで、直射日光を避けられ、ひんやりとまではいかないものの、木陰で休むと体力が回復していった。「ゆっくり休んでいきなさい」そう言われた気がした。

この神社への参拝の決め手は、御祭神である小野篁命(おののたかむらのみこと)の御利益を授かりたいと思ったから。

小野篁公は、平安時代の初期に実在した、漢詩、和歌、書道、絵画等、多彩な才能を持つ今でいうマルチアーチストであり、法律にも精通し国の要職も務めた政治家でもあった。学問、芸能、仕事の神様として信仰されるようになった。
また、夜は閻魔大王のもとで裁判の補佐をしていたという逸話が多くの書に記されているという。
身長188センチと大柄なことと、人間の限界を超えた能力を持つがゆえに、そんな伝説になったのか、それとも真実なのか、知れば知るほど、心惹かれる神様。

大木の下、境内の隅の方に座り、この暑さの中歩いてきて頭から湯気がでているのではないかなと思いながら、本殿を参拝する人の様子をぼんやり眺めていた。
一人が丁寧にお参りをして立ち去ると、また別の人が来る、というペースが繰り返されていた。本殿前で他の人と一緒になることはなく、前の人の参拝が済むまで待つこともなく、見事なタイミングのよさ。神様が一人一人の祈りをじっくり聞いてくださっているような感じがした。

体のほてりもおさまったのでいざ本殿へ参拝。欲まみれのお願いをするつもりはなかったので、どんな生き方をしているか、どのように生きていきたいかなど神様に話し、私が世のため人のためにできることのお力添えをいただけたら、という思いで参拝をすませた。

賽銭箱のすぐ横に「まゆ玉みくじ」というおみくじがあったのでひいてみる。
古来より神様への神聖な捧げものだった絹。絹になる前の繭を使ったみくじは、願いを育むという思いがこめられている。
神様から今の私へお言葉をいただきたいという気持ちでおみくじをひく。
結果、第一番 大吉。

朝日かげ たださす 庭の 松が枝に
千代よぶ 鶴のこえの のどけさ

人生良い時でも油断せず、どんな時でも、心を正しく、人を慈しみ、慢心することなくいようと気持ちを新たにした。

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ポエミスト朱見
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