岡山旅🌊
くるりの「ハイウェイ」を聴いて、無性に遠くに行きたくなるのが10月。
ということで、10月下旬の木曜日、職場の仲良しの先輩を連れて岡山県に行った。誘ったらどこでも付いてきてくれる人なので声をかけたら、案の定「お供します」とのことだった。
今回の旅の目的はいくつかあるので、それを軸にお話していきたい。
①瀬戸大橋を車で走る
私は車の運転が苦手だ。気配りができる性格ではないし、それが注意力のなさとして事故の危険に直結していると思う。
でも秋だもの。秋はそんな私ですら、車で大きな橋を渡りたいと思わせる。速く走って、気持ちのよい風を浴びたい。
ということで、岡山市駅のレンタカーで車を借りて瀬戸大橋を半分渡ることにした。そんなに景色が変わるわけではないからまあ半分で満足するだろうというのと、ちょうど橋の真ん中に与島PAがあったのでそこでお昼を食べようという算段。
岡山ICから数年ぶりの高速に乗って瀬戸大橋を渡った。
やっぱり海の上は視界が開けて気持ちがいい!小さい島もいっぱい見えた。あの橋を吊っているあやとりみたいな白いロープ?がずっと続いてるのかと思ってたけど、それは橋のごく一部で、走ってる感じは普通の高速とそんなに変わりなかった。
景色をじっくり見たかったけれど運転する側なのでそういうわけにもいかず、チラ見しながらハンドルを握っていた。帰りは運転してもらいたかったけれども先輩は車に乗れないので仕方ない。私も景色が見たいですとネチネチ言いながら与島PAへ。
②香川のうどんを食べる
与島PAにちょうど讃岐うどんのお店があったので、展望台などをうろうろしてから腹ごしらえをした。
「架け橋 夢うどん」という、希望に満ちた名前のお店。素うどんにセルフで天ぷらや薬味を足していくスタイルだった。
このお店がめっちゃよかった。まず店内に陽がさんさんと降り注いでいるし、ガラス張りで海を見ながら食べられる。テーブルもいろんな形があって、丸い壁に囲まれたプチ個室みたいな席や、簡単な座敷などがある。私はいろんな席の形がある店が好きなので、テンション上がった。
平日の11時前というのもあってか人はまばらで、陽が降り注ぐ店内でのんびりうどんが食べられた。
ほんでうどん、うま。
麺の輪郭がはっきりしていて驚いた。コシがあるってこういうこと。かき揚げをおつゆでビショビショにしながら食べた。少し前までは「うどんに天ぷら乗せるって、マジで何考えてんの…?」と思っていたが、最近やっとその良さが分かってきた。テレビで「かき揚げから吸ううどんのつゆがまたうまいんすよ〜」みたいなことを言ってたのを聞いてからな気がする。
けっきょく私は、人の意見に右往左往する人間なのだ…このうどんのように強い輪郭を持って生きなければ。
そのあと岡山に戻って、いろんな角度から瀬戸大橋を眺めた。
のどかー。
やっぱこのあやとりみたいなのがかっこいい。
③行きたかった喫茶店に行く
今回の旅のメインはここ!喫茶が大好きな女の子のインスタの投稿で知ったお店「名曲喫茶 時の回廊」。とにかく雰囲気が素敵で、名の通りレコードでクラシック音楽が楽しめるとのことである。
わりと有名なお店だけれども車がないとなかなか行きづらいし、車でも途中で不安になる道筋である(実際、一回道間違えた)。
そのぶん、たどり着いたときの達成感といったら。
そして、店内。
なんッ、、、
もうなにも書かなくてもよいでしょうか。
書くほど実際と乖離していきそうで怖い。
説明として文章にすると、椅子、机は飴色に輝いており、ランプシェードはテーブルごとに形や放つ光が違って美しく、家具や小物がみっしり置かれていてどれも繊細な施しがされていました。
通路に一人席もあり、すごく座りたかった。座る場所によって見えるものが違って、何回来ても飽きることはないと思う。全席座り尽くしても。
あとはなんといってもレコードの音質?音量?音圧?がすごい。入店時にかかっていたのはシューベルトのチェロとピアノの曲だった。音楽は生で聴くのがむろん1番!となんとなく思っていたけれど、レコードってそれ特有の良さがあるということがわかった。響きが増強されて体の芯までくるし、それがとても心地よい。
本を読もうと思って持っていったけれど、けっきょく1時間くらいはページを開くことはなかった。読むどころではないのだ…。
このお店は会話厳禁となっている。複数人で行く場合は気をつけた方がよい。
ぜったいまた行きたいお店!なんとかして家から車で行けないものだろうか。このお店が近所にある人たちは幸せだと思う。
1時間半くらい滞在した。ずっと言葉を発してなかったのと、ちょうど眠くなる時間だったのと、お店が素晴らしすぎたのとでしばらく口数が激減していた。 なんかもったいなくて、車で音楽も流せなかった。
ほかの要因はともかく、眠いのはよくないので先輩に話題を振ってもらいながらドライブ再開。
④海沿いの本屋さんに行く
つぎは海沿いにある本屋さん「aru」。
京都にある素敵な本屋さんがおすすめしていて、行ってみたいと思っていた。
「力の抜けた選書」を絶賛されていて、行ってみるとそれは確かにそうかも と思った。時代も、その本が読者に手に取ってもらおうとするためのアプローチも、本から感じる熱量も、いろいろな本があってバランスがよいように感じた。本屋さんあんまり詳しくないけど。
普通の本屋さんに行くと、「買ってくれェー!」という本が多くて、はじめから目的を持って行かないと疲れてしまう。どれも面白そう…!と思ってふらふらしているうちにけっきょく何も買わなかったり。だから本の数の少ない本屋さんのほうが好きかも。
海の見える縁側に緑のラジオがぽつりと置かれてて、そこから嵐の曲が流れてて、不思議な空間だった。
ちょうどエーリッヒフロムの「愛するということ」が新品であったので、買った。
そのあと、本屋さんの前の海で水切りをして遊んだ。
湿った砂浜を踏みこむ感覚がしっとり、さらっとしてて、こしあんを想起させられて楽しかった。ピザの耳みたいに狭い砂浜が、私がつけたボコボコの足跡でいっぱいになった。潮が満ちたらきれいになるからいいや。
⑤大手まんぢゅうソフトクリーム(食べれず)
海で遊んでいると意外と時間がなくなり(ほんまに26歳か)、大手まんぢゅうソフトの売っているお店の閉店時間に間に合わないことが判明。泣く泣く、岡山のデパート「天満屋」のお菓子売り場のプレーン大手まんぢゅうを買いに行くことにした。
買って車の中で食べたが、めっちゃおいしかった…!さらっとしてて甘さはしっかりとあるあんこがもちっとした薄い皮に包まれている。酒粕が皮の上にまだらにまぶされており、うっすらと風味を感じる。
これのソフトクリームとか、絶対おいしい。次行ったら必ず食べる!
まとめ
岡山はけっこう運転しやすかった。車線変更で列に割り込む時も待ってくれる人が多くて「ありがとう…」と思った。天満屋で半分迷子になった時も「このエレベーターで2階まで行ったら連絡通路があるよ〜」と教えてくれるマダムがいたり、優しい人が多いのかな?という印象。
あと、自分ちゃんと1日車運転できるんや!というのも新しい発見というか、自信になった。その意味では先輩が車に乗れなくて良かったかもしれない。乗れる人と行ったら運転してもらってしまうので…。
また春になったら、どこか遠くに行きたいな。