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#14 一回休み

#13を書いた日。
家に帰って大泣きした。久々に、嗚咽が出るほど泣いた。

なんか変だと思った
朝家を出た瞬間、外の音がいつもよりかなり大きくてうるさかった。夏の匂いとは別の、生臭い匂いが鼻に入ってきた。

そんな時に限ってイヤホンの充電がなくて、ノイズキャンセリングもできない。否が応でも自分に世界が入り込んでくる。気持ちが悪い。

近くにいる人々の話し声が自分と会話してるのではと思うくらい大きく感じる。おそらく私の後ろから歩いてきた人の足音も、ヒールなのかと思うほどコツコツ聞こえる。追い抜かされた後スニーカーだと分かった。

怖い、気持ち悪い。日常とは違う世界線にいるようだった。でもいつもと見ている景色は変わらない。

職場についてからは大丈夫だったが、帰りは音と匂いに加えて信号機や車のライトがとにかく眩しい。私めがけてスポットを浴びせられているかのように目に入る。

通り過ぎる人と目が合うと、殺されると瞬間的に思ってしまった。何か手元でくるくると手癖のように袋を回すおじさんは、実は鈍器を振り回して向かってくるんじゃないかと思った。

怖い、世界も変だけどこんなこと思う私が変だ。気持ちが悪い。

帰ってきて、すぐ横になったら何故か涙が流れた。
変だ、怖い、明日も明後日もずっとずっとこのままだったらどうしようと思うターンと、頭が真っ白になって何も考えていないターンが交互に現れる。


彼氏が帰ってきた。
いつもと違う私にすぐ気がついて隣に横になってきた。

無理だった。弱っている時に優しくされるのは人間誰しも気を許してしまうだろうが、常人の10000000倍くらい涙脆いため、号泣に至るまではすぐだった。

有難い限りだ。本当に支えられているのだと思った。
こんなめんどくさくて扱いづらい自分と、よく一緒にいるなと思う。私自身が自分と仲良くなれないのに、何故この人は平気な顔をして私に優しくしてくれているのだろう。

どうして嫌いにならないの?と聞いたけど、明確な言葉では返されず、笑われて終わってしまった。

本当に聞きたかったのだ。

こういうところが面倒臭いのだけど。


少し落ち着いて、怖いけど布団に入った。
次の日は家を出ても大丈夫だった。し、少しスッキリしているように感じた。

たまに来る、こういう日。

今までも色々あったけど、五感が鋭くなり過ぎるのは初めてだったから対応し切れなかった。
ので、1回休み、になった日

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