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DeepSeek-R1ローカルモデル性能評価

概要

このドキュメントでは、YouTube動画「DeepSeek-R1 Blows My Mind Again! - 5 TESTS on Local Models」から得られた情報を基に、DeepSeek-R1のローカルモデル(特に14Bモデル)の性能と特徴を検証します。動画では、セットアップガイド、11Labsとの連携、コーディングチャレンジ、パズル問題、創造的な文章作成、そして検閲に関するテストが行われています。

主要なテーマと重要なアイデア/事実

  1. ローカルモデルのセットアップ

    • Ollamaを使用してDeepSeek-R1のローカルモデルを簡単にセットアップする方法が紹介されています。Ollamaは、Linux、Mac、Windowsに対応しており、ダウンロードとインストール手順は簡単です。

    • 7Bモデルと14Bモデルが利用可能で、ハードウェアに応じて適切なモデルを選択できます。GPUパワーが高いほど、大規模なモデル(例:14B)の実行が可能です。

    • ターミナルでコマンドを実行することでモデルを起動し、会話を開始できます。
      例:olama pull deepseek-r1:14b、olama run deepseek-r1:14b

    • Pythonコードを利用することで、より高度なツールを使用した実行が可能です。コードはGitHubで公開されています。

  2. 11Labsとの連携

    • DeepSeek-R1の推論トークン(reasoning tokens)を11LabsのAPIを介して音声化する実験が行われています。これにより、モデルの思考プロセスを「聞く」ことが可能です。

    • 推論トークンをチャンクに分割し、各チャンクを非同期的に音声化することで、リアルタイムに近い体験を実現しています。

    • 11LabsのAPIを使用していますが、音声生成自体もローカルで実行可能にする方法も検討されています。

  3. 推論トークンの可視化

    • モデルに「人生の意味とは何か」という質問を投げかけ、その推論過程を音声化しています。
      例:「人生の意味について、まず個別で考える。多くの答えがある。幸福、目的、達成感、世界への影響など。意味のあるものとは?主観的?普遍的な意味?」

    • ランダムな数字を選ぶ際の思考プロセスも音声化し、モデルがどのように「ランダム」を捉えているかを観察しています。
      例:「1から100の間でランダムな数字を選ぶ。7や42は一般的。50や25は中間点。37や63は珍しい。」

    • モデルの回答から新しい質問を生成し続けるループを作成し、無限のコンテンツを生成する実験を行っています。

  4. コーディングチャレンジ

    1. HTML/JavaScriptでマトリックスのような雨が降るアニメーションを作成する課題が与えられ、ローカルモデル(14B)とAPIモデルの結果を比較しています。

    2. ローカルモデルはインタラクティブなアニメーションを実装しており、APIモデルはより伝統的な雨のアニメーションを生成しました。著者はローカルモデルの結果をより評価しています。

    3. この実験を通じて、DeepSeekモデルがコード生成に非常に優れていることが示唆されています。

  5. パズル問題

    • 著者が作成したパズル問題をDeepSeek-R1に解かせるテストが行われました。

    • パズルの内容は、博物館にいる男性(マイク)が過去に好きだったテレビシリーズのキャラクターを想起させる絵画を見ており、そのキャラクターが武器を持ち、その武器の原産国の食べ物が好きという連想ゲームです。

    • ローカルモデルは、初めは間違った答えを出しましたが、最終的に寿司という正しい答えにたどり着きました。

    • APIモデルは、より直接的に正解(寿司ではなくラーメン)に近い回答を導き出しました。

  6. 創造的な文章作成

    • DeepSeekに関する記事をコンテキストとして与え、その記事に対する反論を皮肉なトーンで書かせています。

    • モデルは創造的かつ面白い反論を生成することができ、創造的な文章作成能力の高さを示しています。

    • 例:「中国がAIチップの輸出を制限した結果、ヘッジファンドマネージャーが560万ドルでAIモデルを作成。アメリカのテック企業は株価が下落。皮肉。」

  7. 検閲に関するテスト

    • DeepSeek-R1が検閲されているかをテストするために、中国の政治的な質問を試みています。
      例:「中国の主席は誰か」、「天安門事件は何か」

    • 中国の主席の名前は回答できましたが、天安門事件については回答を拒否しました。

    • 一方で、成人向けのコンテンツに関する質問については回答が得られ、検閲のパターンが示唆されています。

結論

DeepSeek-R1のローカルモデルは、様々なタスクにおいて優れたパフォーマンスを発揮することが示されました。特に、推論トークンの音声化、コーディング、パズル解決、創造的な文章作成において有望な結果を示しています。また、ローカルでモデルを実行できるため、インターネット接続に依存しないオフラインでの作業が可能です。

今後の展望

DeepSeek-R1のローカルモデルは、今後のAIモデル開発における重要な進歩を示唆しています。著者も、日常的なコーディングタスクやその他の作業でDeepSeek-R1の利用を継続していくとしており、オープンソースモデルの普及と価格競争を期待しています。

引用

  • 「モデルの推論トークンを音声化する実験は非常に面白い。」

  • 「ローカルモデルはオフラインで実行できるため非常に便利。」

  • 「コーディングチャレンジで、ローカルモデルの結果がAPIモデルよりも優れていたのは驚きだった。」

  • 「天安門事件に関する質問には回答を拒否したため、何らかの検閲があるようだ。」

  • 「オープンソースモデルの普及は、私たちユーザーにとって非常に良いこと。」


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