新型コロナとワクチンの基礎知識②
今回はワクチンの勉強です。
小さい頃は様々なワクチンを接種しましたが、大人になると縁遠くなります。年に一度インフルエンザワクチンを接種するくらいではないしょうか。しかし、皆さんのまわりにもいると思いますが、インフルエンザワクチンを接種したにも関わらず、発症した方って結構います。インフルエンザワクチンはワクチンの中でも劣等生のようです。なぜでしょう。
そもそも、ワクチンというのは体内に抗体を作って免疫力を向上させるものですが、抗体が回るところは血液中が主体です。血液を介して体中にウイルスが流れている病気には非常に高い効果を発揮します。しかし、インフルエンザは鼻や肺の上皮に付着して増えるため、抗体の効果が限定的になります。インフルエンザやCOVID-19のような呼吸器感染症とワクチンは相性がよくないのです。特にインフルエンザは、毎年流行しているウイルスが変わるため、COVID-19よりも更に難しいようです。そんなインフルエンザですが、接種することで、例え発症した場合でも重篤化防止の効果は得られるので接種して損はないですね。
そして、話題のCOVID-19のワクチンの効果です。先に呼吸器感染症とワクチンは相性が悪いと言いましたが、実際の効果がどんなものか厚生労働省のホームページから確認します。ファイザー社のワクチンの有効性は95.0%とされています。
有効性95.0%とはどういうことでしょうか。ワクチンを接種した95.0%の人が有効な抗体を持ち、発症しなかったということでしょうか。そういうことではなさそうですね。確認するとワクチンを接種したグループ、接種していないグループにわけてそれぞれ経過観察を行い、そのうち発症した人の人数の比が95.0%になったということです。
ワクチンを接種したグループ 18,198人 → 発症 8人
ワクチンを接種しなかったグループ18,325人 → 発症162人
かなり頼もしい数字ですね。
2021年3月時点で既に国内接種がはじまりごく少数ですが、副作用も報告されています。ワクチンは、単純に「効く」「効かない」の二者択一ではなく、個人の免疫系との相互作用になるため、どの程度効果があるかは個人差があります。これからもワクチンに関する情報はたくさん出てくると思いますが、無駄に不安を煽る報道にまどわされることなく、自分で情報を選択し、咀嚼、納得したたうえでワクチン接種したいですね。
【参考図書】新型コロナとワクチン 知らないと不都合な真実
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