年金、大丈夫!?③
今回はGPIF(年金積立管理運用独立行政法人)です。
GPIFは、積み立てた保険料の一部を管理・運用する組織です。2020年度第3四半期の運用状況を確認すると運用資産額は約178兆円(!)で、世界最大の機関投資家とも呼ばれます。2001年度の運用開始以降、収益はなんと85兆円(利子、配当含む)に及びます。年率は3.37%になりますが、資産の性質上、あまりアクティブの運用方針はとれないため、現時点では充分な実績と言えるのではないでしょうか。ここで、気になる資産の構成割合を見ていきます。
国内株式 25%
国内債券 25%
外国株式 25%
外国債券 25%
日本への投資だけで50%、そのうち半分は株によるものです。経済が長年停滞している日本へこれだけ投資する理由は何でしょうか。国内需要を支えたいといったところでしょうか。もしそうだとしたら年金の積立金を異なる目的に使っていることになりますね。
理由は定かではありませんが、資産の性質上、もう少しリスクヘッジする必要があるように思います。昨今はコロナ禍の反動による世界的な株高に支えられていますが、今後が心配です。
ここで一つ、そもそもGPIF不要論(高橋洋一氏)があったので紹介します。
年金積立金を現金のまま保有することは一定のリスクが伴います。インフレヘッジできていないからです。しかし、日本の年金制度は賦課方式です。民間の積立保険のように、30歳から60歳まで積み立てたものを65歳から支給するようなものではありません。現在年金として高齢者に支給されているお金は、現在の現役世代が負担しています。そのため、積立方式のように長期に渡って、宙に浮くようなお金はなく、インフレヘッジする必要もありません。インフレヘッジの懸念がないなかで、大事な年金資産を株式に投資してリスクをとる必要はない、ということです。要するに、GPIFは「年金資産でうまく余ったお金があるから財テクで儲けようぜ」というもので、そうではなく本筋の年金制度運用を一番い考えて使ってくださいということです。
【参考図書】「年金問題」は嘘ばかり
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