贈賞式に行ってきたよ(前編)
では今回は予定通り、第60回宣伝会議賞贈賞式の様子をお書きしたいと思います。
ただ、先に書いておきますが、僕はコピーライターでもなければ宣伝会議賞の常連でもありません。なので、読んでも特に参考になることはありません。ただ逆に、今後僕とおなじような「ズブの素人」が運良く(運悪く?)、ファイナリスト、協賛企業賞になってしまったとき、あ、こんな人もいるんだ、じゃあちょっと安心かも、と思っていただける材料となったら幸いです😅
まず初めに。
ちょっと前の日記で、ファイナリストになったと決まった時、家族と「じゃあまたディズニーでも遊びに行きますか!」と言っていたというお話を書いたのですが、その後、ちょっと冷静になってきて、待てよ、まず宣伝会議側から出される交通費とやらが、いくらぐらいか確認しないとまずくないか? という話になる。
当初は、5万は硬いね。5万なら家族3人で車で行けば、高速代とガソリン代、あと宿泊費を持ってもらえるようなもんだね、という話をしていたのだが、事務局に訊くわけにいかず(やらしいし)、ネットなどで過去の贈賞式出席者のブログなどを調べていたら、どうも僕の住む関西圏は3万円だということが判明し、3万だと宿泊費だけでオーバーするぜ、のような話になって、結局僕ひとりだけが新幹線で行って日帰りで帰ってくることになった。
思えばここ10年、今の奥様と付き合いだしてからディズニーリゾートにハマって、かれこれ30回以上は東京に行っているのだが、すべて車だったので、新幹線に乗るとか本当に久しぶりである。
いつ以来だ? 15年前に海外出張からの帰りに、なぜか中部空港じゃなく成田空港行きのチケットしか取れず、乗継便がないとかで新幹線で帰ってきたことがあるけど、そのときぶりじゃないのか??? そう思うと、15年ぶりに乗ったのぞみは心なしか薄汚れていた。
平日だというのに新幹線は激込みで、知らない人と相席状態。衝撃を受けたのは、通路挟んだ隣のテーブルのおじさんが、ワインを飲んでいる! あの、座席のところについているあのテーブルの上に、ワインボトルが一本、どん! と置かれていて、チーズとフランスパン肴にして白ワイン飲んでいるのである。
大丈夫なのか? そのワインボトルは倒れて、隣のお兄さんにかからないのか? そればかりが心配になる。しかし結局、彼が新横浜で降りるまでワインボトルは倒れなかったので、日本の新幹線がいかに振動を抑えられ、いかに加速度を吸収され優秀であるかを物語ることとなった。しかしすごい光景だった。おじさんは50代、下手したら60代。スリムでダメージジーンズを履いていて、おしゃれなワイヤレスヘッドホンをしていて、ロイド眼鏡で短髪で黒いシャツをおしゃれに着こなしていて、さながらスティーブ・ジョブズのようであった。
ひょっとしてこの人はなにかのクリエイターなのであろうか? 宣伝会議賞の、下手したら審査員なのではないか? そう思わせる風貌、たたずまいであった(写真撮りたかった!)。まぁ審査員がそんなタイミングで新幹線乗って酒飲んでるわけないので、んなわけない、とは思っていましたが。
ともあれ、俺は今からおそろしい街に行くんだな、と緊張を高めてくれる出来事でした。
(相変わらず本題にたどり着くまでが長い😓)
東京に着くと、まだ12時半であった。
贈賞式のリハーサルは15時半からだということで、まだ時間がある。しかし心配性の僕は、東京という慣れ親しんでいない街で思わぬ時間を取られるかも知れない、と心配し、早めに着くようにしたのだが、それにしてもまだ早い。
しかし君! 腹が減ってはいくさが出来ぬ、というではありませんか。そうだ、今から行くのは遊びではない、いくさである。食べなきゃいけない。
東京駅というところは混んでいるだろうし、お昼はもっと混んでいるはず、と思い、そこも含めて余裕をもって着くようにしたのだが、これまたあっさりお昼ご飯にたどり着けた。多少の列は成しているものの、ディズニー慣れしている僕にとっては屁とも思える短い時間でお昼にありつけたのである。
前も書いたが、これまでで一番長かった順番待ちはディズニーシーでの揚げピザを待つ時間である。あれに比べたら、この世のあらゆる待ち時間が「ない」に等しい。
食事を食べ終わるとまだ13時だった。
まだ時間がある。
逆に帰りに時間がなさそうなので先にお土産を買って、東京駅の地下街をウロつく。東京駅の地下、なんかディズニーやらポケモンやらのキャラクターショップが大量にあってウチの娘なら一日そこで遊んでられそうである。そこで謎にポケモンのぬいぐるみガチャを3個も買う(娘がガチャとぬいぐるみとポケモンがアホほど好きなので)。
時間はまだ13時半。
電車で移動したら20分ほどの距離だというのでさすがにまだ早い。
いっそ、東京観光しながら歩いて行ったろうか? とも思える。
しかし、荷物重い。お土産を買ってしまったから。そして暑い。3月なのに、初夏とも思える陽気である。マジでコートを持ってこなくて正解だった。
とりあえず駅構内から出る。ふと見ると、「八重洲口」という文字が見え、へぇ、ここが八重洲口なのか、と思う。と、そこでふと脳裏に甦るものがあった。そういえばこの八重洲口に八重洲ブックセンターという大きな本屋があって、昔、行ったことがあるな、と思った。何のときに行ったのか思い出せない。東京に、しかも新幹線で来る用事などほぼほぼないのだから。でも、学生の時に来ているとは思えないから社会人になってからなのだろうね。なんか、たしかに行った思い出がある。
のでスマホで検索して、行ってみることにした。
そしたらあらびっくり! なんとこの八重洲ブックセンター、東京駅周辺の再開発に伴って3月末で閉店するのだそうだ。なんというタイミングで来たのだ! まるで、僕を待っていたかのよう(んなわけない)。
へぇ店内こんな感じだったっけ、と思いながら時間を潰すが特にめぼしいものはなく。過去のSKATとか売ってないかな? とか思ったが(ますます重くなるやんけ!)、さすがにない。
店を出ると、14時過ぎだった。
さすがにそろそろ向かった方がいいかな? という気持ちになる。
読んでいる人たちもイライラしてきているような気がする🤣
京橋駅から地下鉄銀座線に乗り、虎ノ門駅で降りる。そこからはスマホの地図アプリを頼りにてくてく歩んでいけばよい。いやはや、本当に便利な世の中になったものである。
時間はまだ14時半過ぎ。徒歩だと駅から20分程度と書いてあるので楽勝である。
東京は薄曇りであったがとてもよい陽気だった。・・てか、暑い・・。マジで歩いてきたら死ぬところだった・・。しかも会場のホテルオークラまでは、軽い登りになっている。
どこまでもだらだらと続く上り坂を、だらだらと汗を掻きながら登ると、そこに目指すべきホテルオークラが見えた。・・はずだった。スマホは、間違いなくそう示している。
しかし。
ん? どれ?
どれがホテルオークラか、わかんない😅
なんか、高いビルが乱立していて、どれがオークラかわかりません・・。どうやら足元には来てるっぽいんですが、どれがどれやら・・。
仕方なく、アプリの指し示す建物に飛び込んでみる。
一階で受け付け、とあるが、受付らしきものはあるものの、「宣伝会議賞」の文字は見えない。
僕が入っていたのは裏口らしく、受付を素通りしてビルの入り口に向かった。
いったん外に出て建物を外から見てみる。
どこにも「ホテルオークラ」の表記はない。
見ると、通りをスマホを握りしめながらキョロキョロ辺りを見回している人が数名散見されて、この人たちも贈賞式の出席者だろうか? と思った。みんな、軒並み会場が分からんようだ😅
仕方がないので今出てきたビルの前で地下駐車場にクルマを誘導しているおニイちゃんに、
「すいません、ホテルオークラってどこですか?」
と訊いてみた。
するとおニイちゃん、不思議そうな顔をして、
「オークラはここですよ」
と僕が今出てきたビルを指さした。
やっぱりここなんかい!
また中に入っていき、今度は受けつけのお姉ちゃんに贈賞式の招待状を出して、
「すいません。これに呼ばれたものなんですけどね」
と言った。
お姉さんはこれまた不思議そうにその紙を覗き込む。
なんだ? なんなの? これは?
ひょっとしてこの贈賞式って嘘なの? 俺、担がれたのか?
冗談抜きで、本当にそんな気がしてきた。
するとお姉さん、ようやく内容を理解できたようで、
「あ、これは本館の方で行われる催しものでございますね。こちらはオフィスセンタービルの4階となっておりまして・・」
4階?
ここ4階なの?
どー見ても地ベタにしか見えないこのフロアが4階なの?
天上の世界なのか? トーキョー!
とにかくもー、わかりづらいわ! もーちょっとあちこちにわかりやすい案内書いとけ! と心の中では毒づきながら、受付のお姉さんに教えられたとおりの道順で通路を通り、エレベータホールへと出た。
しゅっとしたスーツのお姉さんが先に乗り込んだエレベータにあとから乗り込み、すわ、この方も受賞者もしくはファイナリストなのかしらん? と思っていたら、その人は2階で降りた。
うむ、誰が誰やらわからん😓
エレベータが1階に着くと、果たして目の前に「宣伝会議賞贈賞式」の文字があり、おお、無事にたどり着いた! となる。
スタッフらしき女の人が、
「受賞者の方ですか?」
と訊くので、
「受賞者と云うか・・ファイナリストです」
ファイナリストは受賞できるかどうかわからないのだから、そこらへんは厳密に行かないとね。
「おめでとうございます」
と言われ、ふと、受け付けをよく見ると、受け付けの場所は「ファイナリスト」「協賛企業賞」「中高生」などに分かれている。
迷わず「ファイナリスト」のところに進もうとしたら、
「あ、すいません! まだ準備が出来ていないので。もうしばらくお待ちください」
と先ほどの女性に止められた。
まだなんかい!
仕方がないので、脇にある休憩スペースで待つ。
すでに数人の人間がそちらにいるが、みんななんとも言えない緊張の面持ちをしている。
空気おもっ!😅
受付などを写真に撮って、そうだ、奥様に会場に無事つけた報告をせねば! とスマホを立ち上げたところ、
「受付の準備が出来ました」
と声がかかった。
はやっ😂
「このあと大変混雑が予想されますのでお早めにお願いします」
と言うので、今度こそファイナリストのところに行って、招待状と名刺を渡す。
そう。なぜか本人確認をするために、名刺を持ってこいというのだ。
本人確認なんざ免許証でええがな? と思うのだが、なぜか名刺。免許は全員が持っていない可能性が高いからかな?
普段仕事で名刺を使わない僕は、仕方がないので5年くらい前の部署で使っていた名刺を持ってきた。部署の肩書が変わっているが、まぁそんなもんどうでもいいよね、と(笑)
そしたら、名札と赤い胸につける花をいただいた。
さっきの休憩スペースにもどってその名札たちをつけていると、さっき横に座っていた男性が声をかけてきた。
「贈賞式に出られる方ですか?」
見ると、彼の胸にも花がついている。もちろんそこにいる以上はそうなんだろうけど、はっきり確信が持てなかったのだ。
彼は僕の胸の花を見て、
「あ、ファイナリストの方じゃないですか」
と言った。
え? なんでわかるの? と思ったら、どうやら花の色でわかるようだ。彼はピンクの花をつけていた。これは協賛企業賞ということだ(そして名札にももちろん書いてあった)。
そうですそうです、僕、社会構想大学院大学の課題で・・とカミングアウトしようとした矢先、
「じゃあどの作品の方かはまだわからないわけだ。では授賞式で発表になるのを楽しみにしていようかな」
あらら、そうなんだ。まぁでもそうか。もうちょっとしたら「答え合わせ」があるわけだもんね。ここまできたらそれを待った方がいいよね🤣
「私は〇〇の課題で協賛企業賞をいだいた××と言います。早速ですが…名刺交換しましょうか」
えっ?
め、名刺交換ですと???
想定外の。いや、ある程度想定していたけど、まさかそんなことに・・という展開に動揺を隠しきれない僕。
やっぱり名刺って受付での本人確認以外でも使うのね・・。
当たり前っちゃあ当たり前なんだけど。
こんなことなら交換用の名刺作っておけばよかったなぁ・・。
ていうのも僕の会社、数年前に不正をやらかして、ちょっと世間を賑わせた会社なんですもん😓
名刺入れとかもないから、雑に財布にぶち込んであるだけだし。
そんな恥ずかしい思いをしながら名刺を交換する。
と、そうやって名刺交換したこの方、協賛企業賞で受賞された方だから作品ももちろん知っている。ので・・、
「あの、Twitterやられてますよね? ツィート拝見しました」
「あ、そうですか。じゃああなたもやられてるんだ」
「あ、はい」
「えっと、なんというお名前で?」
「あ、はい。一応、中津鷹也(当時)って名前でやらせてもらってます・・」
「ナカツ・・? あ、あーぁ(遠い目)」
絶対知らないよね???
いや、いいんです。この方が悪いんじゃないんです。
グランプリ受賞者の兄に動向を知られたくないから、宣伝会議関連のことをずーっと呟いてこず、こんなことになるとは知らず、2月になんか寂しくなってきたので急に謎の偽名で複アカ作ってコピー屋活動始めた自分が悪いんです😭
ファイナリストが決まった瞬間から、慌ててフォローしまくってたりしたけど、その程度のことで、「ああ! あなたが中津さん!」とかなるはずもないんです(泣)
それもこれも全部、贈賞式当日までファイナリストを謎のままにするという演出をしている宣伝会議賞が悪いんだ!(ぷんぷん!)
すこし気まずい雰囲気になってしまったその方と、
「贈賞式初めてなんですか? 僕もですよ」
とか、
「何回目の挑戦なんですか?」
とか言っている間に、ようやく開場となった。
中に入ると、思ってたんのと違い、まるでパーティー会場のようであった。
実は贈賞式の様子というのは自分の兄が受賞した回のやつを一回こっきり見ただけなのだけど、こんなんじゃなかったぞ? と。
奥に巨大なプロジェクタ画面があってその下が壇上になっている。その前に丸テーブルがならんでいて・・
あー説明するのめんどくさいな・・。誰か別の人の記事で写真とか見て確認してください(えー?)
とにかくなにが感動したかって、ファイナリストの作品は垂れ幕になって壁の一面にずらーっと展示されているのです。その光景が実に壮大で、そこにもちろん自分の作品もあって、うわぁ・・俺もファイナリストなんだぁ・・と、その時初めて実感いたしました。
ちゅう、なんとも言えないところで、「以下、次回!」
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