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『被害者をやめる』 てくてく通信+🎈 #50

こんにちは、英会話Oneのただともこです。読む瞑想マガジンへようこそ。
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被害者をやめる

秋がだいぶ進み、紅葉が楽しみになってきました。皆さんのところではどんな木がどんな色の季節を運んできていますか?

今日はちょっと重いけど、役に立つ話です。

私は両親から言葉や行為の暴力を受けていたので、長いこと痛い思いをして暮らしてきました。そして、両親もそのまた両親から暴力を受けて育ったので、彼らも自分を被害者だと思って生きてきました。

20年以上に及ぶ、長い治療の末、一人で事業ができるくらいまで改善しましたが、まだうつ病は治ってないし、睡眠にも障害があります。時々日々は不安です。

病院で治療する以外に、鍼や代替療法を受けてきたこともあります。いい結果が生まれなかった場合が多いですが、それでも、学んだことがあります。ある民間療法を受けていた時、「被害を受ける人には、同じ被害を連続して受ける人がいる。そういう人には共通点がある。何だと思う?」と聞かれました。その時私は答えられませんでした。その治療者は「被害者でいる人たち」と答えました。

確かに被害を受けた人たちは、被害者であることには変わりはないのですが、被害者であることがいつの間にかアイデンティティーになってしまった場合、それはその人を定義するのに加害者が必要になるので、当然、被害を受けやすくなるのです。これはごく小さなことからとても大きな被害まで共通して言えることなのだということを学びました。

(ちなみにその治療は途中で治療者が私の悪口をたくさん言い始めて、結局最後まで終わりませんでした。でも、この言葉をもらったのでそっとその場を離れました。)

それを機に、私は被害者であることをやめました。それが一番上手にできる仕事に就こうと思って、自分で起業することにしました。組織で働いていると自分の思うとおりにならないことがあったとき、上司のせいにしたり、組織のせいにしたりすることが簡単にできるからです。自営だって、何かがうまくいかない時、取引先のせいにしたり、酷いときはお客様のせいにする方もいらっしゃいます。でも、可能性は低いです。また、それも全部ひっくるめてすべて、人のせいにする人生はやめようと思ったのです。

私にはまだ弱いところがあるから、言葉通りのことができているかどうかはわかりませんが、被害者でいるよりは、より少し加害者寄りになるように、何かを提供する側になるように、気を付けてきました。そして、被害にあっても、加害をしてしまっても、相手と折り合いをつけられる地点がないか、考えるようになりました。まだまだ未熟で、それができない時の方が多いですが、それでも、人生に対する私の物の見方は変わりました。

虐待は、主語の欠落から被害者がいつの間にか加害者になって、また被害者を作り出すという連鎖を生みます。そこから出たいというのが、私の生まれてこの方の夢でした。今、私は自分が加害者になったとき、辛いけれども、あ、加害をしてしまったなと気が付くことができます。素直に謝れるときも、そうではない時もありますが、しまったなと思うのです。自分が「常に被害者」でいたときは、そうやって、加害者になるときも、自分のせいで加害が起きているという認識をすることがむつかしかったです。痛いことは全部被害にあっているから起きているのだという認識になりました。自分が被害者であるかのような錯覚にとらわれていたのです。それは人生うまくいくはずがありません。

これは、虐待のような大きなことだけではなく、皆さんの日常にも上手に取り入れられることだと思います。会社で上司に怒鳴られたとき、被害者にだけならずに、問題を解決したり、相手と折り合う地点を探すことができたら、痛みを相手に返すのではなく、自分でじっと抱えられるようになってそれを癒す術を自分で持っていたら、日常はもっと楽になると思いませんか?自分が嫌だと思っていることは、きちんと相手に伝えて、直してもらい、相手の気持ちにもきちんと耳を傾けて、こちらのしていることで相手が嫌なことは直して、どちらも被害者にならない、誰かのせいで不幸にならない人生を作ることが、可能なのだという光を私は得ました。

相手が嫌だと思うことを直してくれない人である場合もあります。そういう時は、距離を取るのが一番です。あの人は話を判ってもらえない人だねということを周りの人とちょっと声を掛け合って、シェアして、距離を取ることで、その人の居場所も奪わないことが大事です。そうやって、どちらも痛くない地点で折り合うことを積み重ねていくのです。あるいはちょっと痛いだけで済む地点を探していくのです。

これは、最初ものすごく大変です。人は気持ちの話をしようとしないものなので、最初はその習慣ができるまでは、話し合いをすることがまず大変です。気持ちの話ができるのは能力でもあるので、できない人もいます。したくない人もいます。でも、相手が大事なら大事なだけ、このことは話し合った方がいいことです。そして、だんだん、そのことで、利益が得られることが双方判ってくると、話し合いも日常も楽になっていきます。

これは、どこの国でも、話すことがむつかしい議題です。私は実際にノルウェーでやってみようとしてすごく大変だったから、判ります。大喧嘩になりました。でも、やってから、すごく絆が強くなったなと感じています。まだ、アメリカのほうが自分の気持ちを話そうとする文化があります。日本の文化の中でも、少しずつ育っている「気持ちを話す」という作業が、被害者を生むのを減らしていきます。少しでも多くの人がその方法を手にしていけるといいなと思います。一人でも多くの人が、自分の「痛い」を無視しないで、上手に表して、もう同じ痛い目には合わないという状態にしていけるといいなと思います。少なくとも、私の周りでは、そういう暴力や痛い目に合うことは減っていく世界を作ることができたら、私は嬉しいです。それは小さな私の夢です。


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子宮メソッドはこちら

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https://ameblo.jp/atelier-ringo/


編集後記

お休みをありがとうございました。人生で決着をつけなければならないことがあって、それについてもがいて終わりましたが、とても有意義なお休みだったと思います。またゆっくり日常に戻っていきます。今週のお布団を干すのにとても適した3日間のお天気を嬉しく思います。金木犀が咲いていますね。そろそろ冬支度です。

(初出:2019.10.5)



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