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ヤマもオチもない久しぶりの仙台

私は宮城県北部に住んでいるのだが、久しぶりに仙台駅前に行った。
理由は
「アイドリッシュセブン Third BEAT!」第2クール第27話~第30話先行上映会 ライブビューイング @TOHOシネマズ 仙台
のためである。

引きこもり生活も長くなり、(東北民にとっては)大都会である仙台に一人で行くのは多少の勇気が必要であったが、今沼りに沼っている作品の最新作を大画面・大音響で見るという欲望には勝てなかった。

せっかくの仙台。買い物もしたいので、少し早めに行くことにした。さて、何で行くか。

仙台までの交通手段は4つある。
1.自家用車(一般道で約2時間。有料高速道で約1時間)
2.高速バス(乗り場まで車で5分。バスで約70分。片道1400円。往復割引有)
3.在来線(駅まで車で8分。電車で約75分。片道1340円)
4.新幹線(駅まで車で15分。新幹線で約25分。片道3040円)

1.自家用車は途中で天候が悪化した場合が怖ろしいし、そもそも仙台の道路が怖ろしい。駐車場も怖ろしい。仙台市北部の泉区までならなんとか行けるが、駅前は私の運転技術ではとにかく怖ろしい。免許は学生時代に仙台中心部で取ったはずなのだが、普段車線もない田舎の道ばかり走っている私にはとにかく怖ろしい。

4.本音は新幹線でリッチに素早く移動したいものだが、無職はもちろん金がない。

残るは3.在来線か2.バスになる。バスは乗り場が自宅から近く、さらに車内は快適である。さらに往復券を買うと200円引きになる。車酔いだけが少し心配だが、バスを選択した。

しかし困ったのが帰りの交通手段である。バスの最終は19時10分。映画は16時30分上映開始だが、終了時間がわからない。4本分のアニメを上映するわけだから、それだけで2時間近いのではないか?さらにそこにトークイベントも加わるわけだから、19時10分はギリギリ間に合うか、アウトなのでは…?行きと帰りを違うもので行くとなると乗り場に駐車してある車をどうするかも考えなくてはならない。

バスを逃すと、在来線か新幹線である。話したら母が迎えに来てくれるとのことなので(感謝)、バス乗り場に停める予定のマイカーのことは考えなくてよくなった。金のことを考えると在来線一択だが、学生時代以来使ったことないし、途中までは混みそうだし、終わったら早いとこ家に帰りたい気持ちもある…。新幹線を使ってしまうのか?究極の選択である。

とりあえず、終わってから考えることにし、バスの往復乗車券は買わないことにした。(この往復乗車券、一度買うと3月まで使えるのだが、いつ購入しても期限はその年度の3月までなのである。今は2月。3月までに高速バスを使う予定はないので、帰りがバスになるという確約がない状態では往復は買えなかった)


旅行に行くわけでもないのにだいぶ悩んでしまったが、仙台はもともと馴染みのない場所ではない。そもそも出生地であるし、祖父母の家も仙台にあるので、子供のころからよく遊びに行っていた。学生時代は4年間住んでいたこともある。
なので、昔の私であれば、自分の庭みたいなもの。何も考えずに仙台にすっ飛んでいったところであるが、家や地元から出ない生活が長引くと、要はびびってしまうのである。あらゆる可能性を考えないと動けなくなっていた。遊びに行くだけなのだが、妙な緊張のもと、仙台に向かったのだった。

久々の仙台駅前だったが、着いてしまえば、緊張も和らいだ。
まず向かうはロフト。文具売り場で手帳用のはんこが欲しいのだ。雪の。パイロットのフリクションスタンプを愛用しており、晴れと曇りと雨はあるのだが、雪を持っていなかった。しかし売り場には探してもない。東京は雪が少ないから商品化していないのか?
違うメーカーのものだが、天気が全部入っているものならあった。雪だけでいいのだが、こちらはこちらで使いやすそう。結局購入した。
増えすぎてまずいと思いながらも、素敵マスキングテープ(古代エジプト・土偶・天体)とシール(なんかめちゃめちゃおしゃれなやつ)も購入。

その後無印良品に行き、SNSでバズっている眉用カミソリと甘皮用オイル、お風呂用ワイヤークリップを探したが、一番欲しかった眉用カミソリがどこを探してもない。エスパルの無印良品にも行ったが、どちらもない。
クリップはサイズが合わなそうだったし、カミソリもないとなると、買えそうなのはオイルのみ。
しかし土日仙台の無印良品はいつも混んでいる(気がする)。一つだけ買うためにレジの列に並ぶことは面倒で、そこまで欲しいものでもなかったので、結局何も買わなかった。

色々店をのぞいたが、運動不足がたたり疲れがマックスになったのにまだ時間があるので、休憩することにした。スタバはいつも混んでるし、マザーポート(前なかったよな…?)も混んでる。そもそもコーヒーが好きではない。アフタヌーンティーも並んでいた。どうしようか。一人だとどの店も入りづらい。

エスパルの地下にめちゃくちゃ入りやすそうな台湾カフェの店があったので、そこに入ることにした。

ブルプル台湾カフェ

そんなに複雑な注文システムではなさそうだったが、私の前の男性が注文にまごついていたので、ゆっくりメニューをみて考えることができた。外は寒いが、中は暑いので、冷たい飲み物がよい。杏仁豆腐好きの私としては杏仁ミルクとやらが気になる。それにした。

注文して少し待ち受け取った。タピオカ。この店タピオカ屋だったのか。
私は何を見ていたんだろう。タピオカブームに乗っかり数年前に一度飲んだきりのタピオカドリンク。久しぶり。
うまい。こんなにうまかったっけ。少し休み元気回復。


16時になったので、TOHOへ向かう。2017年の「美女と野獣」以来のTOHOシネマズ仙台である。記憶はすでにない。エスカレーターをあがるともう映画館である。人が多い。なんというか、多い。どうやら「鬼滅の刃」の上映時間と重なっているようだった。
痛バを持ったアイナナの人もいる。
痛バを最初に考えた人は誰なのだろうか。すさまじい勇気と真っすぐな愛情の持ち主だと思う。そしてそれがここまで広がったとは、とてもすごいことだと思う。私自身は持ち歩かないが、強大な愛を感じるので、痛バを持ち歩く人を見るのは好きだ。

係員が「現在アイドリッシュセブンの入場開始しております」と言っている。もう入れるらしい。人だらけで座る場所もないので、入場することにした。

コンビニ発券のチケットをもって入場口をうろついていたら、お姉さまに声をかけられた。
「アイナナですか?もう入れるんですか?」
「はい。もう大丈夫みたいです」

シアター8で上映。上にあがれとのこと。
先ほどのお姉さまがまたまごついており、話しかけられる。
「上でいいのかしら」
「上って言ってましたよ」
「トイレあるのかな?」
「私もわからないんですよね(ありそうだが、適当なこと言えん)」
「一応下で行っておくわ」
などと会話。


私は知らない人によく話しかけられる。
カメラ撮影を頼まれることはしょっちゅうで、旅行に行くとたびたび道を聞かれる。こちらも旅行者なのでもちろんわからない。
そんなに話しかけやすそうに見えるのだろうか。それは果たして喜ぶべきことなのだろうか。おそらくちょうどいい地味さをまとっているからなのだろうが、まぁ今はそんなことどうでもいい。


上に上がり、トイレを確認。あ、やっぱりあったか、と先ほどのお姉さまに多少申し訳なく思いつつ、会場に入る。私の席は前が通路になっており、人を跨ぐこともなく、大変座りやすかった。

ライブビューイングも初めてだが、アイナナ関連のイベントも行ったことがなかったので、ファン層がわからず不安だったが、やはりコンテンツのメインターゲットであろう20代前半が多い印象だった。しかし私くらいの年齢の方やもっと上の方もいたので、なんとなく安心した。

私の右隣の女性(どうやら社会人2年目)は興奮した様子で隣の女性に話しかけていた。スクリーンではアイナナ関連のCMが繰り返し流れていたのだが、同じ場面が来るたびに「かわいい」を連呼していた。隣で密かに賛同した。

突然ライブビューイングビュが始まった。前触れもなくいきなり始まった。ルールやマナーが全くわからない。
声優さんたちのトークからスタート。拍手…え、していいの?ダメなの?わからん。右の女性がエアーで拍手していたので、私も同じように拍手した。
声優さんたちの話は、納得したり、共感したり、笑ったりと、とても面白く、幸せで楽しい時間だった。

アニメ本編が始まった。
大画面大音響で体験するアイナナは、ひたすら最高である。
内容は、事前のトークイベントでナギ役の江口さんがおっしゃっていた通り。まさにジェットコースター。それがアイナナ。期待以上の素晴らしい出来。ひどいシーンはよりひどい。怖い。ライブシーンに大興奮。そして大変気になるところで終了。4部のアニメ化が待ち遠しい限り。
ストーリーを知っているのに、こんなに楽しめるのはどういうことなのだろうか。スタッフのみなさんの愛と努力に感謝しかない。アイナナ愛が最大限に高まったのであった。
右隣の彼女も泣いていたようだった。3,4回は泣いていた。だが、同じ場面で同じように泣いていたので、全く気にならなかった。

終わりも突然。配信は終わりました、の文字を読み、席を立つ。
19時。
19時!?
最終バスの時間は19時10分。急げば間に合うのでは!?しかしトイレに行きたい。高速早歩きをしつつ、高速トイレ、さらに超高速早歩きで高速バス乗り場へ向かう。雪のようなみぞれのようなものが降ってるが、かまわず歩く。この感じ懐かしい。学生時代を思い出す。バス来てる。乗る。間に合う…。バスの座席の暖かさに異常なくらいの安心感を覚えた。

家に付き、足のむくみとともに、ふくらはぎとすねがひどく痛いことに気づく。少し歩いただけなのに。夜は興奮冷めやらないわ寒いわ足が痛いわでなかなか眠れなかった。心の栄養を補給しつつも運動不足を痛感した仙台プチ遠征だった。


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