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#10 〖望めば出られる社会へ「じてんしゃ」で「つなげる」!〗

みなさん、こんにちは!
IG-FARMのインタビュー企画もいよいよ2桁突入!記念すべき第10回目は『中原美智子』さんにお話を伺いました。中原さんは「株式会社ふたごじてんしゃ」の代表取締役、「NPO法人つなげる」の代表理事、「一般社団法人 日本多児支援協会」の理事、そして何を隠そう双子ちゃんを含めた3人のママなのです!
中原さんへのインタビューを進めていくと、そこにはホームページからは伺いきれないくらいのたくさんの熱い想いと優しさ・温かさが詰まっていました。(思わず「ホームページに中原さんの動画をぜひ載せましょう!」と言ってしまいました。笑)それでは早速お話を覗いてみましょう!

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Q1. 今、どのようなチャレンジをしていますか?

”ふたごじてんしゃ"とは?

(その当時、)双子で乗れる自転車が今まで世の中にありませんでした。双子になると(育児をするうえで)どうしても様々な制約があります。双子を授かったことで、その制約のある辛い生活を送るのではなくて、「双子でもこんなに楽しめるんだ」「双子でもこういう暮らしが出来るんだ」ということを伝えたくて、そのために”ふたごじてんしゃ”というツールを作りました。こういった体験を出来る人がもっと増えてくれるといいなぁ、、と思ってチャレンジしています。

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これまでの文化では、決まったモノに人が合わせなきゃいけませんでした。規格に合わない人たちはキラキラした生活が叶わなかったのです。ただ、そういった生活に憧れている人は(たくさん)いらっしゃると思います。(制約によって、)「2輪(自転車)もダメ」「ふたごじてんしゃもダメ」という人たちが「望めば出られるような新しいデザインのツール」を作っていきたいのです。

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ただし、そのためには、整理していかなければならない「法律の壁」があるのです。業界の中でも「おかしいな」と思っている人はたくさんいるのです。(知見を持っている)学者さんや教授・先生さんたちのお知恵を借りながら、最終的には生活者が自分の持っている力を信じて、自分の力で生きていくことを「自転車」というツールで応援していきたいなと思っています。

”NPO法人つなげる"とは?

人はモノで助かることがあるから、みんなモノを買うのだけれど、やっぱり人と人との繋がりがないと孤独になってしまい、たとえどんなに経済的に恵まれていても生き辛さを感じてしまうんですよね。(それを解消するためには、)「自分のことをちゃんと見てくれている」、「困ったとき・辛いときに【困った】【辛い】と安心して言える」環境が必要だと、ふたごじてんしゃの活動を通じてつくづく思ったんです。なので、人と人との繋がりができる場所を作りたくて、NPO法人つなげるを作りました。
この場所では「人のために何かをしたい」「恩送りをしたい」という人たちが活動できるように、"ピア"という同じ境遇の人たちが支えあうシステムを作りました。さらに、つながりのある関係性をつくれるように"ふたごのまち"という仕組みを作って、広げようと頑張っているところです。

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第1回つなげるピアサポ講座<オンライン講座>の様子
(NPO法人つなげる HP 活動報告より抜粋)

ふたごじてんしゃの取り組みの中で「新しいツール」という言葉が出ましたが、今後は自転車以外で何か考えていらっしゃいますか?(石原)

わたしは単純に「自転車が好き!」なんです。笑
だって、免許もいらないし、自分であの場所に行くぞ!と決めたら、自力でそこまで行けるのよ。自分で旗を立てたら、必ずそこに行ける。それほど素晴らしいものは(自転車しか)ないと思っていて、自分で決めて自分の力で行けるということは、自信につながるというか、自分で人生を歩めているというか。。
わたしの双子が幼稚園の頃に、お友達がスイミングにみんな行き始めていて「スイミング行きたい行きたい」と子供に言われたけど、「ごめんね、お母さんはな、1.5kmの距離を2輪の自転車に二人を載せて通えんのや。ごめんね。。」とずっと謝っていました。でも、自分で設計したふたごじてんしゃが手に入ったときに、そこに連れて行ってあげられたの。その時、母親として子供が「何か習ってみたい」「何か体験してみたい」と言っていることに対して、わたしはちゃんとさせてあげられたと思うと、すごく嬉しかった。1km離れた公園に行きたいとずっとせがまれていたけど、ずっと「お母さん行かれへんのや、ごめんな。。」と言っていたけれど、連れて行ってあげられたときに「お母さんすごいやろ」「公園連れてきてあげられたで」と子供に自慢したんです。笑 

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「あそこに行くんだ」と決めたときに、「出来ないんだ」とは誰でも言いたくないものですよね。誰しもがそれが出来るようになりたいと思っているときに、何かがなくて諦めざるを得ないというより、それが(自転車なら)ちょっとの「ツール」と「人の手」で自分がやりたいと思っている気持ちを実現できる。だから「自転車」が好き。
きっとこれからもふたごじてんしゃでは「何か目的を持って、旗を立てて、そこに行く」という理念は変わらなくて、それを叶えるツールが自転車かもしれないし、タケコプターを開発しようとなるもかもしれない。笑 「何か目的を持った時に行ける」というモノづくり、ツールとしての役割は、(これからも)ふたごじてんしゃでやりたいなと思っています。

Q2.今チャレンジしていることがどのような未来をつくっていきますか?

「お客様」ではなく「仲間」の存在!

まず、私は何も自分で責任を負わずに「〇〇やってやって」という「くれくれ星人」が苦手です。笑 「ふたごじてんしゃ」でも「つなげる」でも、集まってくれている人の中で、クレームや文句を言う人はほとんど居ないんです。(自転車を購入してくれる人を)一緒にやっているメーカーさんは「お客様」と言っているのだけれど、私は「仲間だ!」「ユーザーさん!」と言っています。何でやろ?と考えたときに、仲間って文句ではなくて「もっとこうしようよ」「こうして欲しい」と言うんですよね。それがお客様になると「文句」を言ってくる。なので、一緒に何か作っていくという「仲間」の存在が、新しい未来を作っていくうえでとても重要になってきます。

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必要なのは、押し付け合いではなく「楽しい!」と思える支え合い!

自分ごとのように(考えてくれている)仲間が居て、そんな温かい人間関係の中で何かを伝えたり、「わたしは〇〇が強みだからここは手伝えるけれど、△△は出来ないから誰か手伝って」と言えるのが当たり前なんだと思うんです。でも、これってただの支え合い(押し付け合うような支え合い)でではないと思うんです。「自分がやりたいところ」「自分が出来ること」で誰かのお手伝いができると、モチベーションが上がるし、何よりも「自分って楽しいかも」って思えるようになると思うんです。"つなげる"の活動がちゃんと行き届いていれば、そんな人が生き生きと暮らせる社会になるんじゃないかな。

私が苦労したことは、もう次にはつなげない!!

双子ママは100人に1人という小さいコミュニティかもしれないけど、すごく強力な思いやりのある場所になるんじゃないかな、と信じて止まないんです。それが実現できると、年子のコミュニティなど、現在そういった場所が存在しないで困っている人にとっても、また新しい形のコミュニティの作り方のベースが作れると思っています。
私も苦労したからあなたも苦労しなさいよ」じゃなくて、「私が苦労したことは、もう次にはつなげない」「もっとこんなふうに工夫したほうがよかったんじゃないのかな」と、今自分自身が生きていることにOKを出しながら、自分の未来にも可能性を感じながら、生きられる社会になると信じて事業をやっています。

いのちの誕生を当たり前に喜べる社会にしたい!

生まれてくる赤ちゃんだけではなくて、いま生きている私たち自身も喜べる存在でないと、新しい命は喜べないと思うんです。まず私たちがここに存在していることを喜べる、そして今日「石原さん(インタビュアー)に出会えて私は嬉しいな!」と思える気持ちでずっとありたいな...と思っています。

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Q3.二十歳に戻れたら、その未来に向かって何をしますか?

「わたしのこの考え方は10代のころからずっと変わっていないの。」

これまで話してきたことは、)すごくメルヘンやし理想論やと思うから、そう思っていても(当時は)周りに言えなかったの。双子を生んだ時ですら「こんな風な社会になったらいいよね」ということを「恥ずかしいし、こんなこと言ったら子供たちがいじめにあうんじゃないかな」と言えなかったんです。でも、本当に"ふたごじてんしゃ"をカタチにしたいと思ったときに、この想いを顔も名前もさらして言うんだ!と決めたのね。そしたら、本当にいろんなものが変っていったの。だから、「なんか違う」「そうじゃないと思うんだけど」と思いながら言えなかったあの頃の自分に、自分の中で「こんな社会になったら嬉しい」と思うことがあったら、言って行動していいんだよ、って教えてあげたいし勇気づけてあげたいんだ。

「おかしいな」と思うことを「おかしい」と言っていいんだよ。

ただ、気を付けなきゃいけないのが「文句」だったら誰でも言えるんだよ、ということ。(文句を言うということは、)それはあくまでも自分自身がお客様(という前提)だからだと思う。たとえ相手と意見が対立しようとも、その人の立場になりながら、でも自分の立場にも戻りながら、「じゃぁどうしたらいいんだろう?」と話し合うことは、決して怖いことではないんです。やっぱり議論になると私も怖くなってしまうことがあって。弁の立つ人に押されてしまうし、すぐ聞かれていることを忘れちゃうしね。笑 でも小学生であろうと、いくつであろうと、今置かれていることで「おかしいな」と思うことがあれば、上手に言葉に出来なくても「おかしいと思うんだ」と言ってみても良いと思うんです。それを黙り続けてしまうと、きっとそれを忘れてしまう大人になってしまう気がして、とても勿体無いと思うんです。もし、その場で言えないのであれば、ノートに書き留めておくなどして、いつか言えるようになって欲しい。そんなことをあの頃のわたしに言ってあげたいです。

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Q4.(ご紹介してくださる)素敵な人を教えてください。

パッと思いつく素敵な人、いらっしゃいますか?

蒲生さんというコーチングをされている方です。わたしがある岐路に立った時に、彼女が掛けてくれた言葉が、今でも迷ったときの支えになっているんです。わたしよりもちょっとだけお姉さんなんですが、蒲生さんがその言葉を掛けてくれたということは、彼女自身もそう思いながら生きていて、何か選択をしてきたから、その言葉をプレゼントしてくれたんだと思うんです。わたしは彼女の温かさに感謝していて、ぜひ皆さんにも蒲生さんのお話を聞いてもらいたいなと思っています。

中原さんインタビューの様子

(インタビュー風景:左が中原美智子さん)

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中原さん、インタビューありがとうございました!
インタビューを受けて、IG-FARMメンバーの感想です。

(Ishihara)
こんなに温かい人がいるんだっていうのが印象強いです。
人は一人では生きてない。誰かと支え合って生きているんだなって改めて感じられました。何かを頑張る原動力って「誰かの為に」っていう気持ちから生まれてるのかなと思いました。中原さんに支えられた人が何人もいて、中原さんを支えた人も何人もいて、人の繋がりって壮大だなと思います。

(Fujinuma)
「おかしいな」と思うことに対して「おかしいぞ!」と声を挙げること、自分も躊躇してしまうタイプかなと思ってしまいます。ただ、その違和感をそのままにしてしまうと、結局今と変わらない未来になってしまうんですよね。。何かを変えたい時、そして自身が成長を遂げたい時、定量的な目標を立てることも重要ですが、私は同じベクトルを向いた「仲間」の存在や応援のほうがむしろ必要不可欠だと思っています。「おかしいな」と思ったことに対して「あの時おかしいと思ってよかった!」と振り返る機会で溢れる世の中にしていけるよう、私も自分の好きなことで仲間を支えていける人になりたいと思いました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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中原 美智子(2020/7/8)

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