#24 〖自分がサスティナブルでいられるために。。〗
第24回目は、『岡田勝太』さんから紹介いただいた『みながわ きき』さんにお話を伺いました!
とても印象的だったのは、「ビジョンを描くのは苦手、いまやることに120%で取り組んで、それが何につながるかは後で決める」と話していたことでした。
自分のビジョンが不明確だからこそ、自分なりのポリシーをドシッと構えた上で、行動を続けていくことが大切だよなと、感じました。
今回も、とても素敵な方に、素敵なお話を伺えました。
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『自分のやりたいことを、既存や新規プロジェクトにどう結び付けられるかを、インターンのテーマとして取り組んでいます。』
株式会社NISHINOという、キングコング西野亮廣さんが立ち上げた会社でインターンをしています。ここは、何か与えられた仕事をやるというよりは、『自分のやりたいこと』を既存のプロジェクトやこれから生まれるプロジェクトに、どうやって結び付けてやっていけるか、を(インターンの)テーマとして、取り組んでいます。
『スナック CANDY』専用サロン会員しか来ることができないスナックです。いまは、そのスナックの運営をメインにやらせてもらっています。
『インターンに応募したことをきっかけにすべてが動き出した。』
先輩から受け継がせてもらえるプロジェクトをいろいろ並べてもらって「どれやりたい?」って聞かれたとき、すぐに「スナック CANDY やらせてください」と手をあげて、このプロジェクト(スナック CANDYの運営)を譲ってもらいました。
もともとは、(株式会社NISHINOの)インターン自体にも応募するつもりはなかったんです。コロナ禍が落ち着いて外出が解禁されてから、オンラインサロンメンバーにお会いする機会があって、そういうところで「インターンやらないの?」って声をかけて頂いて、インターンに応募するという流れでした。応募してから面接に呼んでもらうまでの間に、初めて『スナックCANDY』にも行きました。「せっかくインターン応募したから、やってみよう!」と、応募したことをきっかけにすべてが動き出したっていう感じですね。
『簡単に、人と人とが信頼できる空間をつくれたらいいな。』
2019年4月~2020年1月まで、約9か月間デンマークに留学していました。デンマークって、『信頼』 がデフォルトの国というか、信頼していない状態ってよほど何か裏切られたような空気感なんですね。"条件付きの信頼" とか "テストの点取ったら愛される" とかそんな信頼関係ではなくて、全員に対して無償の信頼で接してくれる国で、わたしには居心地が良くて。「幸せの国ってそういうことだよな」って。
そういう空間を、日本全体では難しくても、自分が届けられる範囲から、いろいろな仕掛け・エンタメを通して、コミュニケーションを産んで、そのコミュニケーションがお互いの信頼につながっていくみたいな。
何かものすごくがんばらないといけないことではなくて、簡単に人と人とが信頼できる空間をつくれたらいいなと思いながら、いま(インターンを)やらせてもらっています。
『ビジョンを描くのは苦手。そのときやっていることを120%で受け入れる、それがどこにつながるかはあとで決める。』
(ビジョンは)まったくないです。(ビジョンのことって)すごく聞かれるんです。デンマーク行ったときも「デンマーク行ってどうするの?」「何につながるの?」って。とげのある聞き方ではなくて、単純な興味で聞かれることが多いんですけれど。
株式会社NISHINOのインターンってなっても、「将来、独立したいの?」「その先に、何を描いているの?」って聞かれるんですけれど、わたしはビジョンや将来を描くのが苦手なんです。
たとえば高校受験のときに、その高校の制服を着て生活している自分を想像して、(受験勉強の)モチベーションにするみたいなことを、塾の先生に言ってもらってたんですけれど、全然意味がわからなくて。(想像すると)CGの合成みたいになっちゃうんですよ、だれかの体に自分の頭だけがバンって乗ったみたいな(笑)「え、どういうこと言ってるんだろう?この先生」みたいな。
でもあとから、自分はビジョンを描くのが苦手なんだろうなって思ったときに、『そのときやっていることに120%の感応度で、全部をまず受け入れてみる』『それがどこにつながっていくかは、あとから決める』っていうのが、自分に合っているなと思って。その場で、120%でやるからこそ、あとからつなげられるものが幅広いと思っています。
『そのとき「いっしょにやらない?」って言われたときに、「あ!やりたいかも!」と思ったら、乗れる軽さだけ用意してればいいかな。』
いまたとえば、「独立を視野にやっています」ってなったら、経営のこともいっしょに勉強しようとか、最終的にひとりでやるみたいな道筋になっていて、ビジョンを描ける人はそこに向かってまっすぐ進めるし、うらやましいなとも思うんですけれど。わたしは、何かを狭めて進んでいくよりかは、まず全部受け入れてみて・体に入れてみて、1回それを持って次に進んでいく。120%やり切ったその中で、いま使えるものが何だろうと思って、取り出していく。
デンマークに行っている間は、帰国してから半年後に、ここでインターンをしているとも思っていなかったですし。このインターンが始まるまでは、岡田さんが紹介して下さったフリースクールで、いろいろ携わらせてもらっていたんですが、それもデンマークにいる間は想像もしていなかった。
呼ばれたところに行く軽さ、そのときに「いっしょにやらない?」と言ってもらえたもの対して、「あ!やりたいかも!」と思ったものに、さっとノれる軽さだけ用意していればいいかなと思って、毎日過ごしています。
『知らない人と話すと、違う視点を得ることで新しい自分も発見できる。そういうのが単純に楽しい。』
インターンは、昨日(2020年9月18日)で始まってちょうど1か月で、まだこれからだなというところではあるんですけれど。この会社が持っている分野が広すぎて、わかる範囲のほうが少ないし、自分が担当していないところってサロンメンバーと同じようにコンテンツとして楽しんでいくくらいの感じでもいいのかなと思ったりとか。
自分が表立ってプロジェクトをやっていきたいという思いはそんなになくて。同期や先輩だったりが、このオフィスで働きやすい環境整備だったりとか、そういうのもしっかりやれたらいいなと思っているので、この会社でわからないことを突き詰めていくのは無限だなって思います、そこが楽しさでもあります。
サロンの人しかフォローしないTwitterをやっているんですけれど、そこでめちゃくちゃ人と会うようになって、東京にいるということもあって、この3か月で200人近くと会えたんですよ。知らない人と話すと、自分の視野が広がるというとすごいきれいごとっぽいんですけれど、違う視点を得ることで、新しい自分も発見できるし、この人にはデンマークのことをどこの視点で伝えればいいかなと、毎回考えるし、そういうのが単純に楽しいという感じですね。
『思考して誰かに話す、話したものが受け入れられる、という感覚は、子どもキャンプで育ててもらった。』
幼稚園の頃は、家から準備して公園に行って、先に誰か人がいると、「やっぱ帰る」っていう子どもだったんですよ。人見知りというか、人が気になりすぎて、何も集中できない。人がいるの嫌。公園に行ったはいいものの、先に誰か遊んでいる遊具は近づかないみたいな。
小学校3年生から、子どもキャンプみたいなのに行き始めて。そのキャンプ団体は、全国各地から子どもたちが集まってきて、知らない人といきなりキャンプするみたいな。それを小学校3年生から、リーダーとして参加した期間も含めて、大学1年生までずっと関わり続けました。
コースによっては、プログラムが何も決まってなかったりするんですよ。いきなり初対面の子ども60人が集まって、自分たちのプログラムを決める。話し合いからスタートという感じで、その合間も自分たちでご飯作る。そういうのを小中学生時代にやっていたので、そこですごく鍛えられた感じがありますね。
思考して誰かに話す、話したものが受け入れられる、という感覚はそこで育ててもらって、なのでかなり大きかったと思います。考えたものを言っても、だれもバカにしないというか。普段もどこかでめっちゃ考えているんだと思います。
公園行ったけど「やっぱ帰る」って言ってた頃の母親が、いまの私をみたら、すごい驚くんだろうなって。知らない人に会いたい!みたいな(笑)
『常にインプットして、振れ幅を大きくしたうえで、自分のジャッジを持っていけるか、というのを大事にしたい。』
これまですごく海外に行かれていた方で、写真家さんなんですけれど、「お金を貯めるよりも使う」ということをすごくされている方で、そういう方がお金を使ってみてきた世界って、すごく極端な世界を見てらっしゃるんです。
「判断するのに、どれだけの振れ幅の大きさを持っているかが大事だよ」と話をしていただいて、具体的に見た世界のことも話していただいて、すごく貴重な機会でしたし、私自身もインプットし続けないといけないなというか、この世界に飛び込ませていただいて、常にインプットして、振れ幅を大きくしたうえで、自分のジャッジを持っていけるか、というのを大事にしたいなってそのとき思いました。
自分が受け入れる範囲はかなり広い方だと思っていて、跳ね返すものはないんですけれど、より取り込むモードというか、いま起きていること全部まずいったん体に入れようじゃないですけれど、取り込んでみたいなという思考がすごく強くなりましたね。インターンのメンバーのことをもっと知りたいってすごく思うようになりました。
『自分がサスティナブルでいられるために、自分の状態を整えて、インプットできることを気を付けています。』
常に頭が動いているので、(インプットで気をつけるより)むしろ捨てることのほうを気を付けています。ため込みすぎないというか、自分で物事を動かしていく余裕とか、ため込みすぎたときに息苦しくならないようにとは思っています。ヨガを習慣化させようと思っているので、呼吸を見る・体がどれだけ動くかを確認するとかで、いま自分がどういう状況かなというのは確認しながら、インプットと向き合えるように。
自分がサスティナブルでいられるために、自分の状態を整えて、インプットできることを気を付けていますね。
体験や経験でしか、自分へのインプットは難しくて。とにかく、全部体験して感じまくります。聞いた話では全然気持ちが乗らなくて、結局生身の経験からじゃないと「これやりたい!」という気持ちにつながらないので、いかに人と会って・話して・新しいことを経験して、自分の身にしていけるかというのが、キーワードですね。
なので、フットワークの軽さだけは大事にしています。
(インタビュー風景:上がききさん)
みながわ きき さんインタビューありがとうございました!
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みながわ きき(2020/9/18)