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ヴァイオレットエヴァーガーデンに出会った時の話。

その作品との出逢いはとても偶発的なものでした。いつも通り、Netflixでドラマを見ていた私は、操作ミスによりある作品の再生ボタンを押してしまいました。流れてきた最初のシーンを観たその時が「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」との出会いです。

戦争の武器として育てられた少女、ヴァイオレットは自分を”武器”としてではなく”人間“として接してくれる上官ギルベルトに出会います。武器として育てられ、人としての心を持っていないヴァイオレットは、最初はギルベルトに戸惑いますが、徐々に心を許していきました。激化していく戦争の最中、最後の戦いでヴァイオレットは両手を失い、ギルベルトは片目を失います。瀕死のギルベルトはヴァイオレットに「自由に生きろ」そして「愛してる」という言葉を残し、ヴァイオレットを助けるため爆発に巻き込まれ消息不明になってしまいます。
ヴァイオレットはギルベルトが消息不明になったことを知らされぬまま、いつかギルベルトに会えると信じて、彼が残した「愛してる」という言葉の意味を知るために「自動手記人形」という手紙の代筆屋となって、人と人とを結ぶ手紙を書くために旅に出ます。

これがザッとした導入のストーリーです。

最初のシーンを観た瞬間から、すべて見終わった今まで「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」という作品に抱く感情は一言に集約されます。それは”美しい“ということです。

きっと”美しい“という言葉には色んな意味が内包されていますが「ニューシネマパラダイス」のラストシーンを観たときの様に、「海の上のピアニスト」で1900が美しい少女を眺めながらピアノを弾いたシーンを観たときの様に、「ビックフィッシュ」でウィルが父親の本当の心に触れたときの様に、「ショーシャンクの空に」のラストシーンを観たときの様に、「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」を観終わった時にも、ただただ茫然とそのあまりの美しさに打ちのめされてしまいました。

流れるようなアニメーションや圧倒的なクオリティの背景も、人の琴線に触れる物語や様々な感情が凝縮された結晶のようなセリフも、物語に寄り添うような優しくて儚い音楽も、そのすべてが宝石のように輝いています。

ヴァイオレットが旅の途中で出会う、隙間なく燦然と輝く星々も、夕暮れで金色に照らされる草原も、しんしんと降り続ける雪も、陽の光で煌めく透明な湖も、そして旅の途中で出会う人々や仲間たちも、作品を構成するすべてのシーンが光り輝いています。

ヴァイオレットは人と人との気持ちを結ぶ手紙を書きます。かつて兵器として多くの人の未来を閉ざしてきた彼女が、人と人との気持ちを結ぶ手紙を書くのです。

かつて好きだった人に
親から子に
子から親に
生き別れた妹に
生き別れた姉に
疎遠になってしまった兄弟に
生きているか分からない恋人に
死ぬ前に好きな人に気持ちを伝えたい人に


ヴァイオレットは様々な人の気持ちを手紙によって伝え、人の心を救っていきます。

そしてヴァイオレットもそんな人々の心に触れることによって救われ、人の心を取り戻していきます。

ギルベルトが最後に遺した「愛してる」の意味を探して旅を続けるのです。

この作品は全13話と映画一作なのですが、15回観終わった時に天を仰ぎました。すべての話が美しすぎたからです。

こんなに自分が想い描く“美しい”が描かれているアニメ作品に出会ったのが初めてだったので少し動揺しています。まだこの作品に出会って1週間も経っていません。

こんなに美しいアニメーションを創れる人たちがこの世界のどこかに居て、こんなに美しい作品を愛している人たちがこの世界のどこかに居る。それだけで、生きていく理由のひとつになります。

この作品に出会った感動をどうしてもアウトプット(文章化)したかったので書き上げてしまいました。

こんな駄文を最後まで読んでいただいた方ありがとうございます。

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