見出し画像

しんやの餃子世界紀行 Vol.52

「奉還町は朱色に光る」

カレーVS餃子が始まって2日目。

Day2から参戦のしんやにとってKAMPで働く初めての日。

北島さんとぶっちー、いのまゆちゃんVS守屋・しんや。

興奮するカードが実現する。

OPENと同時に餃子世界に馴染みのある顔も、KAMPによく来るお客さんも合わさって比較的早い時間にお店がいっぱいになる。

緊張感の高まるキッチン。
楽しそうな声がするホールの様子はここからはよく確認できない。

焦るぶっちー、次第に少なくなる会話、そして余裕。

痺れを切らしてキッチンを助けに来る北島さん。

北島さんの的確な動き、指示に必死について行くぶっちー。

いじることもできず黙々と餃子を包むしんや。

北島さんのキッチンは無駄が無く、カレー以外にも入る複雑なレシピのオーダーを穏やかな顔と鋭い声で捌いていく。

ぶっちーは寡黙で少し悔しそうな顔をしている。

北島さんもぶっちーも笑顔が素敵な2人だ。

働いている2人を初めて見て、真剣な表情に自分も感化を受ける。

あらかたをパッと片ずけて

「あとはよろしくー」

と厨房を出る北島さんの背中は職人の背中そのままであった。

「やっぱ北島さん、かっけーわ」

めっちゃ怒られながらあんなに表情が死んでいたぶっちーの顔に笑顔が戻る。

ぶっちーの顔から北島さんへのリスペクトを感じる。

まだ働きたてのぶっちーだが、忙しい時間にお客さんに迷惑をかけないように提供しなければいけないことを考えると、まだ新人なので。とは彼のプライドを考えても口が裂けても言わないだろう。

KAMPにはKAMPのルールと掟があって、KAMPのお客さんがいる。
KAMPの雰囲気やカレーの味に恋い焦がれる人がいる。

僕らは真剣にカレーに勝ちにいってるが、その聖域を邪魔するわけにはいかない。

だからぶっちーはやりながら死ぬ気でついて行こうとしているのだろう。

彼も彼なりにKAMPを守ろうと必死なのだ。

そこに男気を感じて素敵だよ。

ずっと一緒に働くわけじゃないし、時間が被るかどうかもわからないけど、一緒に働くときはそんなぶっちーも手伝いたい。

北島さんの仕事から色々なことを学びたい。

緊急事態宣言で急に決まったイベントだからこそ、ただのイベントで終わらせたくない。

そして最後はカレーに勝つんだ。

勝ち負けをどう決めるのか、そこは知らんけど。

店が落ち着いてチャチャチャガールズが今日も踊っている。

妖艶な踊りに守屋の鼻の下が伸びている。
北島さんもまんざらではなさそう。

なるほど、これがKAMP。
クリエイティブでカルチャーだ。

表町に餃子世界、奉還町にKAMPのような旗艦がある岡山県民は贅沢だ。

僕ら以外にも様々な場所があるんだろうな。

それにしても奉還町は好きな街。

いつか自分もここに何かクリエイティブなスペースを・・・。

と妄想してしまった夜であった。


いいなと思ったら応援しよう!