しんやの餃子世界紀行 Vol.36
「賑やかで華やぐ」
アジカンで過ごす土曜日。
今日は昼からの雨が夜に止んでくれる予定。
今日は少し早くアンディと合流して買い出しに行く。
最近ずっとアンディと一緒。
岡山でのイベント事情に詳しくなる。
まだこの街に来て間もないけれど、普段イベントの仕事に従事していて、たくさんのアーティストさんがお客さんを楽しませる風景を近くで見させてもらっているもんだから、アクトがお客さんを楽しませる環境が増えるのはいいことだなって思う。
ただ、こんなこと書くにはまだまだ子供な自分だが、たまには良いのかな。
僕はやはり、音楽ないし芸事は演者が主体であって欲しいと強く思う。
演者に客がついてくるのがベストだが、そうも言えないのが仕方のないところ。
勿論名が売れてない内は集客の鎖に鯖られないとイベントに出られないという仕組みもよく理解できる。
しかし、呼んだ側にも呼んだことへの責任がある。
呼んだ側も、アーティストには気持ちよくアクトしてもらえるように努力するべきだと、思うんだよね。
その努力に演者が応え、その努力にファンがついてくる。
こればっかりはインスタのフォロワーの数がどうこうって話じゃないんだ。
別にアンディが努力してないとかそういう話ではないよ。
僕はもっと高い次元でみんなに音楽を、アートを提供して欲しいと思っているって事。
僕はよく「アーティズムを高く保って」という言葉を使う。
初心者だろうがそうでなかろうが。
アーティストであるというメンタリティを高く持って欲しいなって思うんだ。
どんな有名人だって最初は無名だったはずで、どんどん名前が売れていく過程で研ぎ澄まされていく部分が気持ちの部分なんだと思う。
実力なんかよりもっと必要なもの。
誰しもが持っている才能じゃないんだ。
その才能を持って生まれた人間には、自分が持つマイノリティな才能を人に伝える機会と義務が付与されるんじゃないのかなって。
みんな個性的で豊かな人間ばっかり。
でもまだこの街は、自分の中に眠るマイノリティが人を動かす力になる可能性を活かしきれていない気がする。
そんな才能を活かす大人が増えないといけないよね。
だから僕はストレートに伝える。
君のここが素晴らしくて、ここが良くないよ、って。
まだ会ったことのない大人の中に、人を育て、推進力を持って前に進めることができる人もたくさんいるのかもしれない。
だからこそ、そういう大人を探して欲しいと強く思うんだ。
自分に合う大人が、リスペクトできる大人がいないなら、思い切ってこの街を出る勇気も必要かもしれない。
別に東京だから全員が良い大人ってわけじゃないよ。
大阪だってアメリカだって中国だってその限りではない。
でもね、人のパイが広がれば、良い大人・良い環境もそのパイの数だけ増えていくと思うんだ。
だからその可能性にかけても良い。
でもまずはこの街に本当にいないのか、そして良い人を見つける目を養うことができるか。
30歳を超えてなお、自分でもまだまだだなって思うんだけど、常にアンテナ張って探すしかない。
自分が活きる場所を。
今日来てくれたみんながそうだよね。
学校関連で働く4人組さん。
先生としての責任をそうやって毎日ひしひしと感じているかもしれない。
いつものメンバーのみんなもそう。
まきさえ、さくらちゃんはこれから社会人として始まる毎日で色々な先輩、接客業ならお客さんと出会っていくことになるでしょう。
自営業のライアンくんも、色々な競争の中で信頼の置ける大人になっていくんだと思う。
なおとくんも、転勤を有する仕事をしながら、その土地に適応していく大変さをたくさん知っても歯を食い縛るんだろうなって。
としきくんもそう。
想像もできない社会情勢の中へ飛び込んで不安と葛藤が尽きない毎日、悩み。不安。焦り。
それでも明日はやって来て、変わるのか変わらないのかはっきりとしない毎日を過ごすことが悔しいと思う。
翔南は誰よりも不思議で掴み所のないオシャレお兄さんへ。
かんたは世界1のマッスルハンバーガーお兄さんへ。
なりくんは自他共に認める街の人気者へ。
そしてアンディは誰もが羨む感性と才能が澄んだクリエイターに。
これからみんなが進む道の中で餃子世界という空間がオアシスで、みんなが主役になれる場所でありたいと願うよ。
少なくとも僕は君たちから何も搾取しない。
なんならどんどん搾取しなさい。
あぁしんやさん、枯れたなって思ったら水でも飲ませりゃまたいつか生える。
君たちが下の世代を作り、前に進める道を敷くんだ。
もうその仕事はおじさんの仕事じゃないんよ。
そうやって下が育つために上がいる。
僕はそんな環境が健全だと思うんだよな。
なんか今日は刺々しかったかな。
たまには許してよ。
賑やかで華やかな餃子世界も好きだけど、人々しい少し歯に詰まる餃子世界も僕は大歓迎だよ。
そんなことをね。
考えた1日でした。おわり。