カフェムリウイ『koten #15』覚書
祖師ヶ谷大蔵にあるカフェ ムリウイで開催されたダンス・イベント【koten #15】に行ってきました。
女性四組によるダンスパフォーマンス。
鑑賞したのは2021年 11月 19日の金曜日、17時の公演。
ついては覚書の形式でnoteに感想を書き留めることにする。
今回は鑑賞後、思ったことを勢いよく書きました。後で編集したくなるかもしれないけれど臨場感を持って文章を書くのに荒削りなのもいいかもしれないと思い、ちょっとした実験的にアップロードします。
■1.田花遥「無題」
昆虫という存在を追求した作品のように見える。
美術に電球のついたスタンドを用いているのだが、光源への近づき方が昆虫。
近づきたいのに近づけない…この独特の運動を人間の身体を使って表現する。
中盤には脱皮を衣服の着脱で表現。照明効果も相まって露出した肌が透明感を持って映える。
徹底した観察と身体能力が結実し、すっきりと完結する構成も良かった。
■2.ぼんと井上「無題」
まず冒頭からサカナクション「モス」のイントロで入場。このキャッチーさで一気に引き込まれる。
構成は会話を時折挟みつつ、ポップス(の歌詞)に合わせてコンビで踊るというもの。
いわゆるクラブやディスコで踊る若者といったものか。
(クラブに行ったことがないので勝手な妄想)
しかし、女子二人の青春を切り取ったかのような爽々しいノリは見ていて楽しい。
手拍子して一緒に盛り上がることもできたかもしれない。
他の楽曲を用いれば、バリエーションとしても無限の可能性があるように感じる。
YouTubeにアップされていたらリピートしてしまいそう。
■3.小川未祐「うみのこ」
心臓の鼓動のテンポに合わせた自分の存在を確かめるかのようなパフォーマンス。
自己肯定を含みながら傷、トラウマを彷彿とさせる振付と音楽は観ていて心が締め付けられるようだった。
前の二作が明るい「陽」だったとするなら、この作品は「陰」の雰囲気。
作品同士の関連性がなくても相互に明暗の対比が際立ち、それぞれの作品が輝く相乗効果を生む。
■4.大西彩瑛「notice the noise」
音としてのノイズをフィーチャーする。
ノイズ独特の音でリズムを刻み、そこから身体の動きを使ってグルーヴへと昇華させる。
本来不愉快なはずの「ノイズ」で快感を生む。この発想に底知れぬものを感じる。
4作品の中では一番頭を使って鑑賞した作品だったけれど、散りばめられたユーモアのセンスがあるから笑いながら鑑賞できる。
このユーモアが大西さんの魅力の一つだと思う。
ところで、演出で背景にある窓を開閉するのだが、そこから月が見えた上、踊っている最中に皆既月食するミラクル。
これも計算済みだったのだろうか…。