沖縄ブームに乗り遅れたあなた、まだヤングオオハラがいます
「ゴーヤ」じゃなくて「ゴーヤー」
語尾を伸ばせ。いい加減覚えろ。苦くても食え。
2000年代初頭、空前の沖縄ブームでしたね。
当時の音楽シーンにも、我が国琉球は猛威を振るっていました。
あ、何か…懐かしい…
安室にKiroroに夏川りみ…
BEGINとブランキーって、BEGINのほうが年下なんですよ?ちょっと奥さん、信じられます?
ORANGE RANGEやHY、モンパチやかりゆし58とか、いわゆる「沖縄インディーズ」ブームを引き起こした彼らの勢いって凄かったけど、もうぼちぼち20年選手。今から新規参入するなんてハードルが高い高い。
そんなあなたへ。ヤングオオハラはもう聴きましたか?
この爽快感。
ヤングオオハラって、沖縄っぽくて沖縄っぽくない。ロックっぽくてロックっぽくない。でも、ちゃんと沖縄でちゃんとロックなんですよね。
この手のチューンって、特に「沖縄」を掲げている以上、アップテンポ楽曲としてマストなタイプのものなんだけど、「沖縄」ってワードに頼りすぎになりがち。
いわゆる、「つい体が踊り出してしまう」みたいな触れ込みを曲のイメージにしようとすれば、それはカチャーシー(手を頭上でクネクネさせる沖縄の伝統的な踊りのアレ)であって、それを狙って曲自体も無理に沖縄の匂いに寄せがちになる。(イヤサッサハイヤハイヤしたりね。)
ヤングオオハラはそこに頼ってない。
"サマタイ"におけるダンスは縦揺れでも横揺れでもイケる。でも、カチャーシーでは無い。
イヤサッサハイヤハイヤもないから、指笛も必要ない。
とことん、おしゃれに全国共通で乗れるアップダンスチューンになってる。
楽曲としての沖縄らしさをとことん排除したけど、ヤングオオハラが沖縄出身であるという情報だけが、彼らに沖縄エッセンスを効かしている。
「沖縄」っていう味付けにするんじゃなくて、ほんの隠し味程度、下手したら一切使わない料理を提供できるその余裕が凄い。
MVがこれまた良いから観てほしい。「沖縄」っていう劇薬を、どこでどのようにどのくらい使用すれば良いかをしっかり分かってる。
パリピでキラキラして眩しい光景への僻みや妬み、だけど憧れであり願望みたいなものが、"サマタイ"の根幹にあるというVo.ハローユキトモの思いにも好感が持てる。
ちなみに、ヤングオオハラはロッキンが開催している新人アーティストの登竜門、RO JACKで優勝している。
既に実力は折り紙付き。昨年には、Hump Backやteto、2らと共にスペシャ列伝を回ったりしている。
人気若手バンドの一角を担うヤングオオハラ。参入するなら今です。