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テロメア

概要

テロメアは真核生物の染色体の末端部にある構造で、染色体末端を保護する役割を果たします。テロメアは特徴的な繰り返し配列を持つDNAと、様々なタンパク質からなる構造であり、DNAは5’末端から3’末端に向かって複製されます。したがって、鋳型DNAの片方はDNA二重鎖がほどけると同時に複製されるが、もう片方は何度もDNAポリメラーゼ(DNAを複製)が働くこととなり、どうしても複製できない部分が残ってしまいます。それを補うために無意味な繰り返し配列=テロメアが存在します。

人の生活への影響

テロメアの長さは、細胞の老化や健康寿命に大きな影響を与えます。テロメアが短くなると、細胞の老化が早く始まり、健康寿命が短くなる可能性があります。逆に、テロメアを長くすることができれば、健康寿命を長くしたり、老化を遅らせることができます。また、テロメアの長さは、喫煙やストレスなどの生活習慣によっても影響を受けます。健康的な生活習慣を維持することで、テロメアの短縮を防ぎ、健康寿命を延ばすことが可能となります。

詳しい説明

テロメアは、細胞の核にある染色体の末端に存在し、染色体の末端が「擦り切れない」ようにする作用があります。細胞が分裂するたびに、このテロメアは少しずつ短くなり、テロメアがなくなってしまうと、細胞は分裂できなくなり、老化して死滅します。テロメアの長さには個人差があり、長いテロメアを持っている人は、短いテロメアを持っている人に比べて細胞分裂の限度回数が多いということになります。

このように、テロメアは細胞分裂の回数制限を決めていることから、「細胞分裂の回数券」「生命の回数券」などとも呼ばれています。テロメアの長さは加齢による変化ですので、生活習慣が関係します。テロメアの長さと老化や寿命にも関係しているとも言われています。

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