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#ポケットおきて 応援メッセージVol.12|イトウワカナさん(大阪)

初めて三瓶竜大を認識したのは彼がまだ高校生のときだった。
当時のintroの稽古場に、彼は見学に来たのだ。
なぜウチの稽古場に来てしまったのかはよくわからない。

札幌はいい街だ。好きなことをせえ、誰も止めねえよ、と、誰もが好き勝手な創作を見守ってくれる。とてもありがたい。私もそうやって育った。
が、欲が湧く瞬間がくる。もっといい作品をつくりたい、もっと色んな事を言われたい、もっと色んなひとと出会いたい、もっと、もっと。

かつて私もそうだった。餓鬼だ。まぁ、ビュウーと先輩風を吹かせるなら、ちょっとほかの街でやったからって段違いに面白くなんかなんねぇよ、でも、大いに賛成する。創作の地じゃない地で公演するっていう選択、賛成する。

あとね、高校生だった彼が、劇団を率いて大阪に来るって言うんですから、そりゃ応援しますでしょ。そもそも、あの日、ウチのなんでもない稽古場に来て楽しそうにしてた彼のこと、応援したもの。

イトウワカナ
劇作家、演出家、衣装スタイリング、intro代表。2006年よりintroを開始。「札幌演劇の奥のほう」をスローガンに活動。文字通りのコアな支持を受ける。 2011年より3年連続で札幌劇場祭特別賞を受賞。2018 年には札幌演劇シーズン参加、再演「わたし-The CASSETTE TAPE GIRLS DIARY-」で 960 名を 動員。 奇抜なポップ感覚と独特のリズム感覚でファンタジーとリアルの同居する世界観を繰り広げる。家族の普遍的な会話劇の劇作傾向と、コンテンポラリー演劇と評されるアグレッシブな身体表現による演出傾向が持ち味。2019年より大阪へ移住。2020年万博設計に書き下ろした「砂利はポルカで踊る」が第28回OMS戯曲賞最終選考ノミネート。