軽自動車に乗ってます
いつも乗っている車の定期点検のため、昨日はセカンドカーの軽自動車で出勤した。
義父の遺していったクルマ。
こすり傷だらけで、パンパーも歪んでいる。
さらに休日夫が使う長靴や剪定バサミ、工具箱が積まれていて、まるで走る物置きだ。
この軽自動車に乗ると、いろいろなことを思う。
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義父から「この車はおまえが乗れ」と言われた時は、要らんわ〜と思ったけれど「助かる」などと適当なことを言って受け継いだ。
その前には追突事故を起こしたり、義母を乗せて間違えた山道を暴走したりしていて、話を聞くだけで生きた心地がしなかった。
度々報道される高齢者の事故は他人事には思えなかった。
義父は免許返納など絶対しないだろう。
田舎暮らしに車は欠かせない。
夫とふたり、頑固な義父をどう説得するか頭を悩ませた。
そんな間にも何かあったらと思うと気が気ではなかった。
しかし、義父はあっけなく(と言うには長かったが)、もう車には乗らないと言う。
このチャンスを逃してはいけないと、夫がその日に引き上げてきたのだった。
義父が近所の人に「嫁に車を取られた」と言っていても、全然平気だった。
義父が声を荒げることなく、車のある生活を手放してくれたことは、有り難いことだった。
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ボコボコの軽自動車で、国道をノロノロ走っている横を、カッコいい車がビュンビュン追い越していく。
交差点で信号が青になっても、なかなか加速しないので、後続の新型の軽にペタッとくっつかれる始末だ。
それでも、この軽自動車から見える景色は、小さな気づきを与えてくれる。
高級車に乗ってる人は偉い人、ではない。
その逆も然りだ。
どんな車に乗っていても、同じ道を走る者はみんな同じようにどこかに向かっている人だ。
スマートに道を譲ってくれる人(ほとんどは男性)は、素敵。大型車に譲られて、キューンだったことは何度もある。
車の流れに配慮した譲り合い、心がけたいものだ。
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たまに古い軽自動車に乗ると自分の感覚が全てなことに気づく。
最近の車は安全装置や自動運転も進化している。
車線変更時や交差点の右左折など、車や自転車、人が来るのを感知すれば警告する。
駐車は自動またはモニターで見ながらできて、障害物に近づけば教えてくれる。
高齢者の乗る車こそ安全装置を搭載していてほしい。
他人事みたいに言っているけれど、あと10年もしないうちに私も四葉の高齢者マークだ。