京都さんぽ
お彼岸というのに、京都は朝からアラレが降る空模様だった。
いつでも退散できるよう、あまり計画的にでなく、小さく街歩きをすることにした。
しかし、計画的でないとどこから行っていいかわからなくて(笑)、とりあえず地下鉄市役所駅で下車。
気ままな街歩きスタート。
あじき路地を出たあたりで、雨風が強くなって来た。
さっきも出会った外国人男性が、軒先で雨宿りしている。
あれ?さっきも会ったよね、雨が強くなってきたね、と心で会話してお互いニッコリ。
私は鴨川の方に出る。
これを歩いたら濡れちゃうなと、京阪の清水五条駅にもぐって考えることにした。
Googleマップを見ながらどうするか考える。
ここから京都駅まではバス?それとも東福寺まで行って乗り換える?
でも、某駅で息子との待ち合せまで、まだ3時間ちかくある。
ふと見ると、え!このまま地下道を進んだ2番出口に、半兵衛麩のお店がある!
なになに、私引き寄せられた!?
今読んでいる志賀内泰弘さんの『京都祇園もも吉庵のあまから帖』に、半兵衛麩の生麩が入ったおしるこが出てくる。
それがまた美味しそうなのだ。
悩みをスッと解決してくれるもも吉さん。
一見さんお断りの甘味処で出しているお麩は、半兵衛麩のもの(お話はフィクションです)。
小さな町家の店を想像していたけれど、半兵衛麩は交差点で目を引くビルだった。
あーもう、お腹いっぱい。
雲の切れ間から青空ものぞき、さぁまた歩くわよ!
大きな楠の下に由緒の看板があって、この辺りは光源氏のモデルになったひとり源融の邸宅河原院があったのだという。
というわけで、今回の京都町歩きはこのへんで終了。
小さな不動産屋の窓にある間取り図や、あじき路地の貼り紙を見ていると、京都に住みたい気持ちがむくむくと。
船旅に行ったと思えば、1年くらい京都に住めそうな気がする。
京都と家を行ったり来たりの生活を妄想しながら京都駅を後にした。
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