デパートの屋上遊園

いつだったか、名古屋市内のレトロな施設をまわるスタンプラリーに参加したことがあった。

昭和な喫茶店やテレビ塔などをまわる途中に、《松坂屋の屋上》というポイントがあった。

松坂屋。
名古屋では「まっつぁかや」と発音する、老舗のデパートだ。

名古屋のおばさんは、高島屋のバラ以上に松坂屋のカトレアが好きだ。
たぶん…。

それなのに私が松坂屋に行くのは、活け花を教えている友人から展覧会のチケットをもらったときか、ハラダのラスクを買うときくらいだ。

そんなわけだから、屋上に何があるかなんて気にしていなかった。

話がそれたが、そのスタンプラリーで松坂屋の屋上に行って驚いた。
まるで昭和の子どもに戻ったようなノスタルジー、泣きそうになるほど感動だった。

週末の午後、お客さんは４、５組いただろうか。
ママと子ども、おばあちゃんが一緒の人もいる。

あっという間に一周してしまう汽車や、動物の形をした乗り物や、パトカーもあった。

大きなテーマパークに行かなくても、わくわくする遊園地だ。
郊外のショッピングモールにも同じような遊具はあるが、あのガチャガチャした雰囲気とは違う、デパートの屋上なのだ。

いつか孫が生まれたら、絶対ここに来たいと思った。

しかしその後、松坂屋の屋上遊園地は閉鎖になるとニュースで知った。

そりゃあデパートの屋上遊園地なんて、もう古いって思われちゃうもんな。
残念だけど時代の流れなんだろうなと思った。

三越の屋上ももう閉鎖したし、丸栄はデパート自体がない。
サンシャイン栄の観覧車も、屋上遊園というのとは違う。

ところが！
今日の朝刊の地方版に、松坂屋の屋上遊園が新装オープンとあった。

なんて素敵なニュース！
リニューアル前のレトロな遊具も活用されるらしい。

デパートは夢も売っている。
それは昔も今も変わらないと思う。

松坂屋、行く行く！
３月にオープンしたら、２歳児Ｐくん連れて屋上遊園に行くんだ。