お金とのおつきあい
何人もの研究者のもとで働いてきた。
外部の共同研究者を含めたら、もう数え切れないほどだ。
私は研究費の獲得には関知しないけれど、それを使う時、自分の出番になる。
長くやってきて思うのは、お金の使い方って本当に人それぞれだなということ。
文科省や学術振興会、あらゆる財団に申請をし、採択されたらそれを執行しつつ研究をすすめる。
それだけのことだ。
それだけのことなのに、その人その人の感覚は大きく違う。
なぜお金のことを思ったかというと、昨日何本か、本田健さんの動画を見たからだ。
いやその逆か、お金のことを思ったから本田健さんの話が聞きたくなったのかもしれない。
あまり書くと、守秘義務の鍵が開いてしまいそうなので、そのうちどこかで箍が外れたら書くとして…。
(箍ってこんな字だと、初めて知ったので使ってみた)
ケチな人は好きではないけれど(笑)、元はといえば税金ですから、それは合理的だなと思って相手に合わせる。
嫌なのは、研究費は自分のものだと勘違いされてない?と思ったとき。
研究費では人を雇ってもいるので、いろいろ思うこともある。
細かいことは置いといて、
お金が充分あるのにもっともっとほしい人がいる。
今あるお金を有効に使えない人もいる。
さらにケチすぎて逆に損してしまう人も。
その一方で、頑張っているのに研究費が取れない人には、誰か何とかしてあげてと胸が痛むこともある。
獲得した研究費をスマートに使い、学会発表や論文という結果を出す。
そんな研究者のもとで働いてそれに応えられると、こちらも充実感がある。
研究者と事務方の間でお金を扱う私は、これが空から降ってきたお金でないことを忘れていないつもりだ。
最近は公費も使い勝手がよくなったとはいえ、家計のように貯金はできない。
そういうやりにくさも理解した上で、やはりお金は美しく気持ちよく使ってほしいと思っている。
お金がたくさんあってもなくても、振り回されることなく、バランスよく。
今あるお金に「ありがとう!お金がいてくれて助かるわ」と感謝しながら使いたい。