ヘリテージ、ビンテージ、市役所
岐阜県の羽島市役所旧庁舎が、取り壊される危機にある。
昨日は「残すべきだ」という建築家や大学の先生方のシンポジウムに参加した。
その旧市庁舎は、日本の著名建築家のひとり坂倉準三氏の設計である。
坂倉氏と言えば、三大巨匠に数えられるル・コルビジェの直弟子だ。
(三大巨匠、あとお二人はフランクロイドライトとミースファンデルローエ。かみながら口にするだけで気分がいい)
坂倉氏の設計としては、他に鎌倉文華館や岡本太郎記念館などがある。
丹下健三氏や黒川紀章氏など、建築家の名前はよく聞くが、坂倉準三氏も日本のモダニズム建築を代表する名建築家だ。
昨日のシンポジウムでは、学生の考えた旧庁舎の再生・活用案や、良品計画の手がけたリノベーションの紹介などもあり、聞いているだけでワクワクした。
東京や九州、名古屋から建築家や市民が集まり、なかなか熱い時間だった。
最後の質疑応答では発言がやまないほどで、何人かの市民の方は、この価値を知らないことは恥ずかしいとおっしゃっていた。
そんなものかもしれない。
私は全くの部外者だが、もし市民だったとしたら「古いから壊される」としか思わなかっただろう。
羽島には新幹線の駅があり、農業や繊維などの産業がある。
木曽川の伏流水が湧いていた。
それを利用して、レストランやマルシェなどのできる施設になったら、素敵なのになぁ。
何より先に、坂倉準三氏の建築と文化が、一時の判断で終わってしまうとしたら、取り返しつかないし惜しいことだと思う。
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