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『虎に翼』⑬お嫁に行く

夕暮れの山田轟法律事務所、外ではヒグラシが鳴いている。
何ともいえないもの悲しい声に、やるせなさが増すようだ。

そして、寅ちゃんが竹もとに行くときは、ミンミン蝉。

蝉の声だけで、その場の空気を醸し出している。

寅ちゃんが航一さんと食べていたかき氷が、美味しそうだった。
こし餡を氷の上にかけるのでなく、餡の上に氷がのっているスタイル。
そして、見間違いでなければ、こし餡の中に白玉団子入り?
それとも桂場さんが食べてるあの団子を使っているのか。

二人の会話を聞きながら氷を見ていたら、もう今すぐにでも「赤福氷」を食べたくなってしまった。


ところで、
結婚したら夫の苗字を名乗ることは、昭和30年に結婚した私の両親なら、ほぼ当然のことだった。
お嫁に行って、そこの家の苗字になる。
男子のいない家なら婿養子をもらい、その家の苗字をついでもらう。
当時の田舎では、それが当たり前という時代だっただろう。

昭和の最後に結婚した私でさえ、特に疑問は持たなかった。
〇〇家に嫁に行けば、〇〇姓を名乗り、「うちの嫁です」と紹介され訪問着を着て挨拶に回った。
そういうものだと思い、言われるままだった。

轟が遠藤さんとお付き合いしていることは、寅ちゃんも驚いていた。
最近でこそ認知されてきているが、やはりまだまだ理解されてるとは言い難い。
ましてやあの時代なら…。

夫婦別姓に同性婚、同居か別居か、
寅ちゃんと周りの人たちは、私たちが今もまだ抱えている問題を提示してくれているようだ。

永遠を誓わない結婚って…、もう好きだから結婚!でいいじゃない?と思うけど、そこはドラマだから。
今後をまた楽しみに、寅ちゃんやみんなを応援している。



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御手洗 育/暮らしのエッセイスト
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