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贈り物は「ありがとう」

亡くなった父が、ありがとうと何百回言っても足りないと言っていた。
誰かに会うとき、その人に何かお礼を言うことはないか、まず考えよ、とも。

父といると「こないだはどうも」「あれ助かったわー」と、何かしらお礼を言っていた。

実家は年末になると、お歳暮がたくさん届いた。
母が「断っても、また届くから」と独り言のように言っていた。

結婚して、義父の話を聞くことが増えた。

義父の持論は、年の暮れに付け届けが来るような人間になれだった。
贈物をするのとされるのでは、2倍の違いがあると。
感謝される人間に価値があるというのは、どこか納得できなかった。

父はお礼を言う人になれと言い、
義父はお礼をされる人になれと言う。

心と物と…。

物がないと伝わらないことはあるけれど、やはり私は「ありがとう」と言う感謝を忘れずにいたい。
そんな価値観を父からもらって生きている。




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