柳家小三治
小三治師匠の訃報を知ったのは、先週の日曜日。
ふと見たwebニュースの見出しで、一瞬目を疑ったが、残念なことにその日が来てしまったようだった。
6月の一門会で観たのは、ついこないだなのに。
師匠のファンになったのは、30年以上前。
その日の演目は『二番煎じ』だった。
寒い日にぴったりの演目で、帰り道、自分もしし鍋の太葱で口をやけどしたんじゃないかと、舌で確認したほどだった。
それ以来、近くで落語会があるときは必ず行った。
東京の寄席で師匠の高座を見ることは叶わなかったけれど。
まくらの小三治と言われる。
とにかく、まくらが(まくらも)面白い。
「まくら」という本が出版されているほどで、あれは最高のエッセイだと思っている。
昨日のNHKの週刊ニュースで、師匠のインタビューを紹介していた。
まくらについて、「お客さんと同一次元になりたいからやっている」と。
そして、「寄席に来る人に喜んでほしい」とも。
師匠には遠く及ばないけれど、誰かに喜んでもらえる、そんなエッセイを、私も書きたいと思っている。
出囃子の二上りかっこが鳴り、師匠が出て来られる時の高揚感、生で噺を聴くことはもうできないけれど、小三治の噺とペーソスは、私の中では永遠だ。
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