『らんまん』雑草という名の草はない⑧
NHK朝の連続ドラマ『らんまん』も、残り1週間となった。
昨日は『あさイチ』のゲストに、槙野万太郎を演じた神木隆之介さんが出演していた。
そのなかの「ここが変だよ万太郎」というコーナーに笑ってしまった。
働かない
金遣いが荒い
借金する
家を空けがち
もうアカンやつの代表選手だ。
こんな人いたら、家族だけでなく周りの人も愛想を尽かすだろう。
最初のころに神木隆之介さんが志尊淳さんと話し合ったという内容が、興味深かった。
万太郎の実家の使用人だった竹雄は、お目付け役として一緒に上京するのだが、ドラマの万太郎が嫌われてしまうのではないかと恐れたという。
そりゃもう、万太郎は自由すぎるから、わかる。
それをそう感じさせないために、台詞ひとつにも工夫をしたエピソードだ。
奔放な万太郎に対して竹雄が言う。
「はぁっ…、若、」ではなく、
「わぁか~!(まったくもう~、という響き)」
同じ「若」と呼びかけていても、ニュアンスが全く違う。
前者の竹雄はやる気をなくしているし、後者は「またか」と思いながら仕方がないなぁと次に進む。
万太郎は愛されキャラなのだ。
そこのところの違いは、小さいようで大きい。
最近私が手を焼いているアラフォー女子が、万太郎と重なって仕方がない。
万太郎と同じならいいけれど、このところ周りがどんどんやる気をなくしている。
認めたくないけれど、迷惑いっぱいかけてしまったから。
言いたいことはたくさんあっても、パワハラと取られそうで強く言えない上司、これ以上もう嫌なことは言いたくないですと言う事務方。
惜しいなと思う。
「あなたのことを思って言ってる」というのはたいてい間違っていることが多いが、そのとおりのこともある。
相手が感情に任せて言っているか、それとも自分のために怒っているか、それをわかってくれたらいいな。
怒られたくないからと逃げたり嘘を言っていたら、誰も助けてくれなくなる。
万太郎ほどでなくても、愛されキャラは得をする。
勘弁して~と思っても、仕方ないなぁ万太郎さんのことなら一丁やるかと思える人かどうかは、大きく違う。
何でも言ってもらえるって、幸せなことなんじゃないかな。
仕事をしていたら、私だって自分の子ほどの人から指摘されることもある。
嫌なことは言われたくないけれど、自分の人格を否定されているんじゃないから、そこは素直になって聞く。
そんな関係でいたら、仕事帰りに廊下で出会っても、スイーツの話なんかしてキャーキャー盛り上がることができる。
自分の都合の前に、相手のことも少し考えてみる。
言葉だけでいいから、感謝している思いを伝える。
苦手な人ほど、会いに行く。
返信は1行とか、コミュニケーションをさぼらない。
怒られたら怒られてみる。
プライベートを話す必要はないけれど、心配をかけない配慮を。
会議で寝ていたら、後でバレた時がかっこ悪い。
あ~ぁ、これをアラフォーちゃんに言えたらなぁ。
愛されキャラになって、さらに仕事できちゃうんだけど。
好かれようとする必要はないけれど、アイツはそれだから放っておけないんだと思ってもらえたら、いいな。
『らんまん」は終わってしまうけれど、そんなことを思うドラマでもあったな。
寿恵ちゃんも、夫を支える妻のようでいて自分の考えで行動する、素敵な女性だった。
放送はあと5回、最後まで楽しみだ。