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社会人になった娘が、夏に帰省したときのことだ。荷物を置くなり、四畳半の茶の間で足を投げ出し、「あー、ウチは落ち着くねぇ」と伸びをした。 娘が帰ってくる前に、小綺麗にしておこうと思っていたのに、仕事で忙しい毎日が続くうち、片付けることができないままだった。テーブルの上には、ノートパソコンや読みかけの雑誌、リモコンやボールペンなど、定位置に戻していないものが載ったままだ。 しかし、娘はさほど気にする様子はない。「この雑多な感じが、実家に来たって気がするわ」と、笑っている