TEZOSでジェネラティブアート vol.2 TENDERとobjkt
パンクなアートプラットフォーム fxhash
前回の記事のなかでも少し触れましたが、「キュレーションしない、だれでも作品を発表できるオープンマーケット」をポリシーとするfxhashは、どこを見ればよいのか分からないとても不親切なサイトです。トップページに大きく表示しているアートはトレンドアイテムではなく、2万点以上のアートから無作為に選ばれたコレクション。これがfxhashの生き様です。当たり前ですがアートを売りまくってお金を稼ぎたければ、zancanのようなトップアーティストを目立つところに置くべきなのです。
わたしもはじめてfxhashを訪れたときは頭のなかが「?」になりました。fxhashのWEB3.0かつパンクな思想に免疫がなかったからです。そんな右も左も分からない状態でTEZOSに飛びこんだ私が、ジェネラティブアートの沼にどっぷりとはまることになるきっかけがTENDERとの出会いでした。
ジェネラティブアートの道標 TENDER
TENDERは、上述したfxhashの欠点を補完するキュレーションサイトです。ファウンダーはジェネラティブアートコレクターの ajberni (アダムと読むよらしい)。fxhashの欠点を補うため、初心者のエントリーポイントとなるようなサイトをつくりたかったというのが立ち上げの動機だったようです。
まずはfxhashの名作アートが並ぶTENDER ICONSを見てください。冒頭を飾るのはもちろんzancanの代表作にして、TEZOSNFTの象徴的作品Garden, Monolithsです。その隣にArtblocksのAnticyclonで有名なWilliam MapanのDragons、その後もMarcelo Soria-Rodriguez、Jacek Markusiewicz といった人気アーティストの作品が続きます。このページの上位に並ぶコレクションが、fxhashを代表する作品群であることは間違いありません。
ちなみにMapanのDragonsのフロアプライスは3300tez(70万円)、Anticycloneは7.7ETH(180万円)なので、同じアーティストの人気作がfxhashでは4割弱の値段で買えるということになります。価格差を生み出しているのは、チェーンの価値なのか、アートの価値なのか、とても興味深い比較です。
ちなみにわたしはNFT初期参入組ではなく、富豪でもありませんのでfxhash上でブルーチップとカテゴライズされるような高額アートをほとんど所有していません。それでもアートを十分に楽しんでいるのは、手が届く範囲で素晴らしい作品と出会うことができるfxhashという自由なマーケットのおかげなのです。
TENDER COLLABS と TENDER PASS
fxhashのスマートコントラクトにはアーティスト同士がコラボレーションするための機能が実装されています。この機能を使ってTENDERとfxhashのアーティストがコラボするシリーズがTENDER COLLABSです。実験的な手法を取り入れた尖った作品が多く人気のシリーズでしたが、最近はベアなマーケットの影響で価格が振るわず苦戦が続いています。こうした状況を受けて、近々発表されるというTENDERの次なる一手に期待がかかります。
COLLABSの優先MINT権や、美術館クオリティのプリントサービスを割引で利用できるなどTENDERのなかで様々な特典を得られるのがTENDER PASSです。PASS自体がpunevyr(https://twitter.com/punevyr )というアーティストによるジェネラティブアート(1,000 edition)で今年7月にfxhashで発行されました。
尚、TENDERのプリントサービスは、アートの所有者であればだれでも利用することができます。美術館クオリティに偽りなしなので、是非お試しください。
objkt com - TezosのOpenSea
objktは元々HicentuncというプラットフォームのNFTを売買するために開発されたNFTマーケットですが、様々なNFTプラットフォームで発行されたNFTを統合することで拡張し、Tezos最大のマーケットプレースになりました。イーサリアムでいうOpenSeaのような存在です。10月にはfxhashのトークンにも対応しましたのでobjktだけでジェネラティブアートを売買することも可能です。
素晴らしいアートが大量に掲載されているため、眺めだすと時間が無限に溶けてしまう危険なサイトです
わたしはfxhashを中心にジェネラティブアートを収集するコレクターですが、複数のプラットフォームで作品を展開するアーティストが多くなってきているのでobjktの機能を重宝しています。たとえば わたしはAndreas Rauというノルウェーのクリエイティブコーダーが好きなのですが、objktのアーティストページをフォローして通知をONにすることで、fxhashやTeia、verseなど様々なマーケットで発表される彼の新作をチェックしています。
また、objktのトップページに表示される作品やコレクション毎の売上データはTezosの人気アーティストを知るための入口として最適です。Top Buyersのコーナーで期間をALL TIMEに設定すればTESOSの最強コレクターが誰なのかが分かりますので、彼らのウォレットを覗いてみるのも面白いかもしれません。なにせPFPなどと違って流動性が少ないので少しの動きでフロアが大きく変わります。富豪の影響力はイーサリアムのマーケットよりも格段に大きいのです。
以上、objktとTENDERの紹介でした。
TENDERはジェネラティブアートのキュレーションサイトとして、様々なプラットフォームとの統合を目指して、リニューアルを企画しているようなので引き続き注目です。
TENDER COLLABSのHOLONSはこちら。是非アニメーションを見てください。
素晴らしいAndreas Rau のコレクションはこちら。
わたしのDecaのギャラリーはこちらです
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