最初の四文字と終わりの四文字を抜き出す問題の考察
私は時たま小学生の土曜学習の支援員をやっています。教科は国語と算数、市から配布されるプリントを自分で解き、解らなければ先生に聞くというやり方で教えています。
先日国語でタイトルにある形式の問題に苦戦している子がいました。教える私も大苦戦でした。
どのようにやれば正解にたどり着くか考えてみたので、一例としてご覧いただけらと思います。
問いの内容とつまづきポイント
【ほにゃららな内容が書いてある一文を探し、はじめの四文字とおわりの四文字を抜き出しましょう】
わからないことたち
・問題の意味
・はじめの四文字とおわりの四文字(四文字のキーワードを抜き出していた)
・一つの文がどこからどこまでか
抜粋するとこの三点でしょう。解くための素直で単純なら方針を出すならば
①該当する一文を探す
②はじめとおわりの四文字を抜き出す
①と②を達成するための助言やその子にやってもらう作業を考えます。
簡略化した問題を解く
その子の誤った認識を拾いひとつひとつ訂正する作業は時間もかかるし、何より受け身の学習となり飽きます。そこでプリントの問題はいったん置いておき、単純な疑似問題を解いてもらいます。
例文)コンビニで肉まんを買いました。本当はからあげが食べたかったです。でも肉まんはアツアツでとてもおいしかったです。
文は三つがちょうどいいですね。肉まん、からあげなど食いつきのよさそうな内容にします。実際に買ったものと、食べたかったもの、おいしかった理由など、問に対し該当する文がわかりやすいといいです。
このように問題を設定するときは、答える側が入り込みやすくなるように配慮します。
それでは実際にその子にやってもらうことを二つ上げてみましょう。
1)筆者が食べたかったものが書かれている一文を探す
2)その一文のはじめの四文字とおわりの四文字を抜き出す
ヒント1)
・「食べたかった」がキーワード
~買いました。本当は~かったです。でも肉ま~。
・真ん中の文の直前にある「。」の次の文字「本」から次の「。」までが答えですが、この問はカンでわかるのではないでしょうか。視覚的に一文を見つけられたらよいです。
ヒント2)
・はじめの四文字を頭から追う
「本」「当」「は」「か」
それぞれの文字を指で差しながら、いち、に、さん、し、と声に出して確認します。
・おわりの四文字をお尻から辿る
「。」「す」「で」「た」
はじめの四文字と同じように指差し声だしをしながら確認します。
一文字ずつ、文頭から数えることと文末から数えることに慣れるのが狙いです。
「。」も一文字とするのは、
原稿用紙に作文を書くとき、「。」もひとマス使うよね。
これで納得してもらえるかわかりませんが、とにかくおわりの一文字は「。」になるのが決まりなのだと念を押します。
問題を解く
①該当する一文を探す
・キーワードまたは似ている言葉があるか
・その文にどのようなことが書いてあればよいか
(気持ち、理由、場所、時など)
これらを考慮して該当の一文を探します。
②はじめの四文字とおわりの四文字を抜き出す
一文字ずつ確認して四文字を特定します。
扱われる文章は内容も複雑にボリュームもありますが、先に解いた簡略問題をお手本に順序立てて挑戦すればいいと伝えます。
問題のすべてがわからない状態から少しでも理解が進めば、その子の学習がなされたと言っていいと思います。
まとめと個人的な思い
よくある形式の問に対しての一つのアプローチを考えてみました。親切心と、長々丁寧に説明したくなりますが、最終的に答えを出すためには考える過程は少ない方がいいです。
その子の理解のためにはこちら側に蓄えがい要りますね。生徒ファーストです。
「このタイプの問題は自分は解けない」という経験則が、考える意欲を多く削ぐのはよく見るし当然のことです。個人的には経験によるカンがちゃんと生じることは、そんなに悪いことではないと思ってます。しかし教育がそれに反せよと言ってくるので、「難しいけど一緒に考えてみましょうね」と言わざるを得ません。少し謝金もらってるし。
ここまで問題が解けるためにどうしたらいいかを考え書いてきましたが、正解しなくてはならないと相手を圧するのはよろしくないですね。勉強は劣等感を多々産みだすものだと思います。わからないということは真に奥深く、やりたくもなくなりますが、自分を卑下する材料ではないです。
ずっと卑下してきた私はそう言いたいのです。
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