
60 色覚異常に驚いた視力0.01
男性の色覚異常って男性は5%と結構多くいるのをご存知ですか?
以前の会社で色覚異常が20人の中に3名いたので、もしかしたら5%よりも多いのかもしれないなと勝手に思っている。
何を隠そう私の彼は色覚異常!
最初に知ったのは仕事中。
工事で使うケーブルは色で分けられていて、色の判断が必要な時が多々ある。
「ねえ、これ青?」
「ん?紫ですけど?」
「あ、紫ね。了解。」
彼は色を上手く見分けることが出来ない。
彩度がわからないだけで、明度はわかるので、1度確認すればこの色が紫なんだということは理解出来ると言っていた。
私は当時、色覚異常の存在を知らなかった。
20年以上生きていたのに大変お恥ずかしい。
自分の身近で起こっていない事象に関しては、本当に無知。
「どうして、さっき色を聞いたんですか?」
「俺は色覚異常だから古いケーブルの色はわからないの多いんだよね。」
新しく綺麗なものは色がハッキリしているので比較的わかるが、汚れにより劣化した物はわかりにくいらしい。
確かに明度が落ちるもんな。
当時まだ先輩後輩の関係だったが、私は気になったことは知りたいタイプなのでズカズカ土足で心に踏み込んだ。
探求心と言う名の無神経。笑
「どんな風に見えるんですか?セピアみたいな感じですか?」
「本当のセピアかわかんないからな~。色覚異常のテストがあるから一緒にやる?」
コンプレックスかもしれないことなのに気にせず対応してくれた。
単純に優しい。笑
何よりも自分が色覚異常と言ってくれたので、今後の仕事の際に色を間違えていないか確認したほうが良いということを明示してくれたことが有難い。
あ、当時社畜だったもので。
何でも基準は仕事です。笑
その時は一緒にYouTubeを見て、カラフルなドットで描かれた絵の中にお互いに見えた数字や文字を答えた。
全然答えが違う。
本当に笑っちゃうくらい、私が見えない数字や文字が見えている。
そして私が見えている数字や文字が全く見えない。
これは今でもたまに2人で遊ぶ。
終始驚きと爆笑。
添付したのは少し難しいが、やってみて欲しい。
ちなみに私は90点だった。
この選択肢にあるものが色覚異常の人には見えるから不思議。
小学生の時に写生会で太陽を描いたら先生に怒られたそうだ。
「赤」「オレンジ」「黄」が太陽の色の主なイメージ。
彼は「茶」で太陽を描いていた。
その時に初めて自分の色の見え方がおかしいことを知った。
自分は「太陽の色」で描いていたつもりだし「太陽の色」に見えている。
でも先生は「何で太陽を茶色で描くの?!ふざけて描かない!」と怒っている。
そもそも太陽の色なんて決まりが無いんだから、茶色で描いたことを怒った先生に腹が立つけどな!
どうやっても「赤」には見えないだろ!
太陽なんて「青」でも「緑」でも「黒」でも絵の世界観が出来ていれば作品として成り立つんだよ!
それなら「太陽ってあなたにはそういう形で見えますか?」って言われた方が納得だわ!
丸にギザギザの形になんて見えないだろうよ!
私の小学校の先生は授業で「馬を描きましょう」ってなった時に、私だけペガサス描いても褒めてくれたぞ!!!!!
今思うと嫌味だったかもしれないけども!
彼は高校生の時、お洒落な間接照明のお店で「茶」色のニットを買った。
家に帰って蛍光灯の下で袋を開けると…「緑」だった。
それはそれは濃く深い色をした緑。
家族に言われて知ったらしい。
薄暗いオレンジの間接照明の店だったので、より判断しづらかったんだろう。
せっかく高いお金を払って買ったのに、絶望したそうだ。
お店の照明にも問題ありだけどな。
そのせいなのか、彼の服は「黒」「白」「青」の系統の物しかない。
多分、色に自信が無いから。
別に志茂田景樹みたいな服でも、好きなら着てた方が良いのに。
好きかは知らないけど。
そんな凝り固まってせっかくの感性を無駄にしたら勿体ない。
感性が独特かは知らないけど。
色覚異常の話を聞いた時、私は純粋に「凄い!」と思った。
「私が見えていない世界が見えているなんて素敵じゃないか!」って。
もしかしたらこの世界よりも居心地が良いかもしれないし、綺麗かもしれない。
勝手に自分が見えている世界が正解だと思っているけど、本当は私達の色彩感覚も変で現実の色は違うかもしれない。
どこの目から見るのが正解かなんてわからない。
恐竜がカラフルだったなんて誰も思って無かったでしょ?
「緑」「茶」「青」で刷り込まれていたイメージなだけで、鳥類の祖先だから派手な色だっただろうって今では言われている。
もしかしたらショッキングピンクの恐竜もいるかもしれないし、ドットの草間彌生みたいな柄かもしれない。
恐竜大好きなんです。笑
だから色覚異常って名前にされているけど、別に異常なんかじゃなくて、色の見え方がオリジナルなだけ。
とても素敵な事だと思う。
その目で絵を描いたら、どんな世界観の作品が出来上がるのか。
可能性が無限大すぎる。
余計な型にはめ込まないで欲しい。
「私が見えて無い世界が見えてるなんて、超素敵ですね!」
「バカにしてんの?笑」
真に受けてくれなかったが、彼や他の人の色覚異常は相当カッコいいと思う。
「どうせ自分が色覚異常じゃないからでしょ?」と言われたら、本当にその通り!
自分がわからない世界だからカッコいいの!
平凡なんてつまらない!
そんな私は目が悪く、視力は最後に測った時で0.01。
もう裸眼の視力を測ることは無いから、今の視力は知らない。
ただ乱視が少ないし、兄がコンタクトの通常販売の限界値レベルで目が悪いので、私は結構見えている方だと思う。
眼鏡とコンタクトがあれば日常生活に支障は無いし。
対して彼は視力は良いので、私が裸眼になって周りが見えて無い時に爆笑する。
「もう障害レベルの目の悪さだな!笑」
「いや!色の障害の人間が何言ってんだ!笑」
是非、我々の見えている世界を体験して欲しい。
多少大変な部分があったとしても、それは他の事でも言えること。
人はどこかマイナスでも、絶対それを補うプラスの部分が存在する。
何か私にも特殊能力(SPEC)無いかな~。
しかし、あの小学校の先生には腹立つな!!!!!!!