屋久島の旅 [1/5] (山で★深読み)
薩摩・大隅両半島と沖縄本島との間に点在する島々の中で、個人的にずっと気になっていたのが、
・屋久杉(樹齢1000年以上の杉;最高齢が《縄文杉》)で知られる屋久島と、
・俊寛僧都の流刑地とされる喜界島(硫黄島との説もありますが)です。
俊寛僧都は平安末期、平家打倒計画《鹿ケ谷の陰謀》が発覚した際に清盛に捕らえられて藤原成経・平康頼と共に《鬼界ヶ島》に流刑となった。他の2人が赦されて都に帰った後も、俊寛ひとり、島に残され、絶望の中で命を絶つ。
古くは世阿弥、近代では芥川龍之介に描かれた、人間臭いこの人物が昔から妙に気になり、《俊寛》は高校時代から30歳までの15年間、私のペンネームとしていました。
もうひとつが杉の巨樹です。
高校2年のワンゲル部夏合宿で白山を岐阜県側から石川県側まで縦走した時です。
岐阜県側の山道(白山信仰の修験道)の途中に、樹齢1800余年と推測される《石徹白の大杉》を見ました。樹高24 m、幹周14 mの大木です。
大陸で《後漢》が滅びた頃から生き続けているこの大木に、人智を超えた神々しい気配を感じたものです。
そして、屋久島には縄文時代から生きている。さらに長寿の杉があると聞き、会ってみたいものだ、とずっと思っていました。
会社を退職して時間ができ、屋久島の方はようやく実現しました。
4月の初め、3泊4日のグループツアーに参加しました。
2日目がメインの縄文杉で歩行時間は約11時間、3日目が白谷雲水峡で約6時間です。初日と4日目は大川の滝など、それ以外の場所を訪れます。
初めに言いわけしておきますが、私は3日目はグループには加わらず(白谷雲水峡をスキップし)、レンタカーを借りて島を周り、ゆっくりと温泉に浸かっていました。
まず、セントレアから鹿児島空港に飛び、プロペラ機に乗り換えて屋久島空港へ行きます。
鹿児島空港では、展望デッキで近隣市町村からそれぞれブースを出す物産展が開かれており、いちき串木野市の《ポメロ胡椒》を購入、クジを引いたら今度は曽於市の《芋かりんとう》が当たりました。
さて、搭乗時間になったので、搭乗口に行くと、不吉なアナウンス:
「強風のため、屋久島空港に着陸できず、鹿児島に引き返す可能性がありますので、あらかじめ、ご了承ください」
なんでも、屋久島空港には管制塔は無く、駐機場もなく、強風のため飛行機の離着陸ができずに、乗客はしばしば鹿児島や屋久島で足止めを食うのだそうです。
さて、どうなりますか。