コンドーム《１年分》って何個？　（再勉生活）

昔、クイズやのど自慢番組の「賞品」として、スポンサーからの

《商品１年分》

なんてのが、ありましたよね。

《インスタントラーメン１年分》だと、365個なんだろうか、それとも１日３食だからその３倍なんだろうか、でも毎食ラーメンってのは、特に同じ種類のラーメンだったら、こりゃ、いくらタダくれるといっても、拷問だよな、── などと幼い頭を悩ませたものです。

ビールは１日500 mlとして計算される、と聞いたことがありますが、私は少なくともこの倍は飲んでいるので、半年分になってしまいます。

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さて、３年間の《再勉》アメリカ留学が決まった時、出身学科が同じ後輩３人が壮行会を開いてくれました。
そして、
「向こうで手に入りにくいものを餞別として渡したいのですが、Pochiさん、どんなものがいいですかね？」
と尋ねられました。

30年以上も前の話です。

「うーん、そうだな」
少し躊躇ちゅうちょしましたが言いました。
「アメリカのコンドームって、質が悪くて《指サック》みたいだ、っていうじゃない。日本製は薄くて品質は世界トップらしい。……コンドームがいいかな」
「え……？」
３人は顔を見合わせました。
この時私は33歳、既にふたりの幼い子供がいました。

その後、後輩３人が私の《性生活》を想像しながら、《激論》を交わしたことは想像に難くありません。

２週間ほど後に、私は《餞別》を受け取りました。

「Pochiさん、コンドーム３年分です」
「おお！　ありがとう！　……３年分、だね？」
「── ３年分、です。大丈夫のはず、……です」

家に帰り、彼らの想像した《３年分》を開けて確かめるのが実に愉しみだった。